文学部 人文学科 文学コース 独文学 専門分野 専門分野科目 (単位数 2) 選択科目 対象学年: 対象学部等: |
German Literature (Lecture IV)
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科目ナンバリングコード: LET-HUM2634J 講義コード: 2023 後期 毎週 火曜1限 伊都イーストゾーン B101 教室 M/J科目 (日本語, German) |
授業の概要 |
19世紀末のヨーロッパ各都市では、世紀末というある種の「終わり」の中で新しい都市文化の「風」が吹いた。ひとはその風を「モデルネ」と呼ぶ。それは、終末と始原、合理と非合理、男性性と女性性、これらが奇妙に混在する運動でもあった。特にドイツ語圏の場合、「モデルネ」はベルリーン、チューリヒ、ミュンヒェン、ヴィーンの各都市に光と影の特異な陰影をもたらす。但し、それぞれの都市空間が有する独自の「トポス」に触発されてのことだ。 本講義では、19世紀末から20世紀初頭にかけてのドイツ語圏文学を考察の中心に据えながら、併せてそれぞれの作品に関連する絵画も扱う。それらをもとに上記四都市における「モデルネ」を検討したい。予定している具体的な考察対象を挙げておこう。 1)ベルリーン:1923年と1933年における日本とドイツ、ヨハネス・シュラーフ『第三の国』、ドイツ表現主義グループ「ブリュッケ」、ファン・ホッディスの詩「世界の終末」、 2)チューリヒ:ルートヴィヒ・ホフマンの絵画「泉」、アーノルト・ベックリン、ヘルマン・ヘッセ『デミアン』、ダダ 3)ミュンヒェン:トーマス・マン『神の剣』『道化者』『トニオ・クレーゲル』、カンディンスキー 4)ヴィーン:フーゴー・ホフマンスタール『バッソンピエール公綺譚』、分離派、ヘルマン・バール、ヨーゼフ・ロート『ファルメライヤー駅長』 なお、講義担当者は2023年7月19日にベルリーン自由大学で講義を担当し、その後、チューリヒ、ミュンヒェン、ヴィーンに向かい、さまざまな資料や図像を収集した。また、1992年から1996年までの4年間、留学生としてミュンヒェン大学で学び、2015年4月から1年間、ヴィーン大学で研究を行った経験もある。つまり、これまで私なりに「世紀末」を逍遥してきた。こうした個人的な体験に基づきながら、皆さんと一緒に「モデルネ」の風に吹かれたい。 なお、当初は「『魔の山』講義」を予定していたが、これは来年度に行うことにした。2023年はトーマス・マンの『魔の山』が刊行されて100年になる年だ。 (Moderne am Ende des Jahrhunderts: Literatur und Malerei in Berlin, Zürich, München und Wien) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キーワード : 世紀末、モデルネ、ベルリーン、チューリヒ、ミュンヒェン、ヴィーン、「ブリュッケ」、ファン・ホッディス、ルートヴィヒ・ホフマン、アーノルト・ベックリン、ヘルマン・ヘッセ、ダダ、トーマス・マン、カンディンスキー、ヘルマン・バール、フーゴー・ホフマンスタール、エゴン・シーレ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
この科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)指定科目です。同プログラムについては、以下のサイト(http://eu.kyushu-u.ac.jp/indexjp.html)をご参照ください。
教職 : 教職(ドイツ語) 資格 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : ◆ 教科書: 1)『トオマス・マン短編集』、実吉捷郎訳、岩波文庫。 2)『トニオ・クレーゲル/ヴェニスに死す』、高橋義孝訳、新潮文庫。 3)『ウィーン世紀末文学選』、池内紀編訳、岩波文庫。 以上の3冊は授業で割と使うので、できれば3冊とも、少なくとも2冊以上はご準備ください。 ◆ 参考書: 1)『ドイツの世紀末』全五巻、国書刊行会。 2)ヘルマン・ヘッセ『デミアン』(複数の既訳あり) 3)ヘルマン・バール『世紀末ウィーン文化評論集』、西村雅樹編訳、岩波文庫。 参考書につきましては、各自の判断にお任せします。 参考書 : 授業資料 : 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : 本授業の終了後、ならびにオフィスアワー(火曜3限)にて相談に応じる。 授業以外での学習に当たって : 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |