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言語学・応用言語学研究室

人間をことばから科学する

幼い頃には、「そんな言葉づかいをしてはいけません」と注意されることはあっても、「それは文法的に間違っています」と言ってたしなめられることはありません。もちろん、言葉を話しはじめたばかりの幼児は文法的に間違った言い方をすることがあります。しかし、「言葉づかい」は意識的に直されるのに対し、いわゆる「文法」は本人の気付かないうちにいつのまにか直っています。

言語学の重要な研究領域の一つに、無意識のうちに身につけた文法を解明しようとするものがあります。たとえば人種・民族が違っていても、日本語が話されているところで生まれ育ったら日本語を話すようになり、スワヒリ語が話されているところで生まれ育ったらスワヒリ語を話すようになります。ですから、日本語にもスワヒリ語にも英語にも、そしてどんな言葉にも共通する「文法」(「普遍文法」)というものを頭の中に持って生まれてくるのではないかと考えられています。

人間が共通して頭の中に持っている文法とはいったいどういうものなのでしょうか? そしてそれは経験的に習得する個々の言語の文法とどのような関係にあるのでしょうか? さらに、言語とそれを使用する人間との関係はどのようなものなのでしょうか? これらは人間と言語に関わる根元的な問いです。この問いに答えるためには、具体的な言語データの収集と分析を通して様々な言語現象を理論的に説明していかねばなりません。九州大学言語学研究室は、この壮大なプロジェクトに取り組んでいる研究者の集団です。

主な活動として、「九州大学言語学研究会」を組織し、年に数回様々な分野の研究者を招いて研究会を開催しています。また、年に1回『九州大学言語学論集』を発行し、統語論、意味論、音韻論、形態論から心理言語学や言語習得まで、幅広い領域において研究の成果を発信しています。

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  1. 久保 智之 (KUBO Tomoyuki) 言語学講座/教授
  2. 専門 音声学、音韻論、形態論
  3. 専門分野 満洲語、モンゴル語、日本語など、アジア東部/東北部の言語を対象とし、音と意味との関係、単語の内部構造、音と文構造とのかかわり、などに興味をもちながら、自分自身で言語データをあつめ、分析をおこなっている。データを大事にする言語学と、理論を大事にする言語学の両立をめざしている。
  4. 主要業績
    Reduplication Meduplication in Khalkha Mongolian(『言語研究』112, 1997年)
    「福岡方言における統語論と音韻論の境界領域」(『音声研究』5-3,2001年)
    『シベ語の基礎(言語研修テキスト)』(共著,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所,2011年)

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  1. 上山 あゆみ (UEYAMA Ayumi) 言語学講座/教授
  2. 専門 理論言語学、統語意味論
  3. 専門分野 母語である日本語の観察を基盤にして、生成文法の観点から文の構造及び意味解釈と構造の関係を研究している。生成文法は、従来、英語に関する研究が先行しており、日本語の分析も英語の分析を修正・適用するものが多いが、英語における成果に依存せずとも実証的に示せる理論構築を目標としている。
  4. 主要業績
    『はじめての人の言語学−ことばの世界へ』(くろしお出版、1991年)
    『生成文法の考え方』(共著、研究社、2004年)
    Model of Judgment Making and Hypotheses in Generative Grammar (Japanese/Korean Linguistics 17, 2010)

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  1. 下地 理則 (SHIMOJI Michinori) 言語学講座/准教授
  2. 専門 琉球語、日本語諸方言、言語類型論
  3. 専門分野 フィールドワークにもとづく個別言語の記述をベースとしつつ、個別言語の実証的データから通言語的・理論的一般化を行う言語類型論を専門とする。個別言語の記述に関しては、琉球語を中心に日本の危機言語・危機方言の総合的記述に取り組んでおり、音韻から統語・談話にいたる言語の全体像を描き出す記述文法書の作成に力を入れている。
  4. 主要業績
    An Introduction to Ryukyuan Languages (共編,ILCAA, 2011)
    Quasi-Kakarimusubi in Irabu (Japanese/Korean Linguistics 18, 2011)
    Foot and Rhythmic Structure in Irabu Ryukyuan (『言語研究』135, 2009年)

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  1. 太田 真理 (OHTA Shinri) 言語学講座/講師
  2. 専門 言語脳科学、心理言語学
  3. 専門分野 脳波や機能的磁気共鳴画像法(fMRI)などの脳機能イメージング手法を用いて、文法の神経基盤の研究を進めている。生成文法を中心とする理論言語学で提唱された仮説を、神経科学の実験を通して実証することで、言語学と神経科学を統合した言語処理の脳内モデルを構築することを目標としている。
  4. 主要業績
    Syntactic computation in the human brain: The Degree of Merger as a key factor (共著, PLOS ONE 8, 2013)
    Computational principles of syntax in the regions specialized for language: Integrating theoretical linguistics and functional neuroimaging (共著, Frontiers in Behavioral Neuroscience 7, 2013)
    「音韻的・意味的要因が連濁に与える影響:連濁データベースとロジスティック回帰分析を利用した研究」 (『音韻研究』18、2015 年)

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