文部科学省科学研究費基盤研究B
「研究課題:南宋絵画史における仏画の位相―都と地域、中国と周縁―」による研究会
「南宋絵画研究の現況と課題Ⅰ―李唐をめぐって」のご案内
Issues on the Southern Song Painting I: on Li Tang
南宋時代の仏教絵画は、その多くが日本に伝来してきたことに起因し、制作当時における文化的・社会的なコンテクストが等閑視されてきました。しかし近年、飛躍的な研究の進展によって、中国における具体的な制作の場や信仰集団との結びつきが解明され、今日、南宋絵画史に不可欠の作品群として国際的な注目を集めています。
本研究は、いわばその重要性が遅れて認知されるに至った仏画の諸作例を、正しく南宋絵画史の時空に位置づけることを目的とし、1)従来の宮廷や都を中心とする南宋絵画史の枠組みを批判的に検討し、2)南宋の領域内における中央と地域との関係性に筋道をつけ、3)東アジア世界における中国と周縁との関係性を視野におさめ、最終的に4)南宋仏画の位相を定置しうる南宋絵画史の枠組みを再構築し、概念モデルとして提示しようという試みです。
本科研に関連して、このたび台北故宮博物院から陳韻如女史をお招きして、研究会を開催する運びとなりました。皆さまの御参加をお願いいたします。
日 時
2012年2月6日(月)13時30分~場 所
九州大学箱崎キャンパス 文学部棟4階 文学部会議室行 程
報告1 13:30~14:30「李唐における北宋絵画の援用 The Use of the Northern Song Painting on Li Tang」
臺北故宮博物院書畫處副研究員 陳韻如(Chen, Yun-ru)
休憩
報告2 14:45~15:15
「南宋仏画における李唐画の受容 The Reception of Li Tang in the Buddhist Paintings」
九州大学大学院人文科学研究院教授 井手誠之輔(Ide, Seinosuke)
討議 15:30~17:00
終了後、懇親会を予定しております(会場未定)。
お問い合わせ
井手誠之輔(九州大学大学院人文科学研究院)電話&FAX 092-642-2405(井手研究室) 092-642-2373(芸術学研究室)
なお、お問い合わせにつきましてはご返信が遅れる場合がございます。何卒ご了承ください。