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世に出ている朱熹の『大学章句』の訳を読んでみて、参考資料と称して結構顔を出すのがこの『大学或問』です。『大学章句』を理解するときには必要だから読んでみたい!或いは、一度でいいからお目にかかりたいわ〜♪などと思った人もさぞ多いでしょう。
というわけで、本テキストは、『大学或問』のテキストを容易に見ることのできない人むけにタイプしたものです。研究者が利用しても構いませんが、テキストの長さはあまりありませんので検索するほどでもないし、有名なので『大学或問』を知っている人はここで調べる必要がないので、それほど役に立たないと思います。
尤も『大学或問』のテキストだけ見せてもしかたがないので、明白に朱熹が、「ここには典拠がありますよ〜」と云っている部分だけは、探せる範囲で典拠を掲げておきました。まあ掲げたからといって役に立つかどうかは知りませんけど……
- 本テキストを利用して如何なる問題が生じても、当方は一切責任を負いません。全て利用者の側で責任を取って下さい。
- 本テキストは、UTF-8の環境で閲覧下さい。シフトJISでは正確に漢字が表現されない場所があります。
- 本テキストは、『大学或問』のテキストを持っていない人向けに製作したつもりですので、できる限り校正すべく努力はしました。併し如何せん、多分タイプミスはあると思います。ですからテキストは盲信しないで下さい。
- 典拠らしきものがテキストの途中に揚げられているはずですが、これは明白な典拠だけを、しかもタイプ者の探せたものだけを挙げています。ですからいい加減に作ったわけではありませんが、全ての典拠を挙げているわけでは勿論なく、また間違っているかも知れません。
- 因みにもしも研究者の方がこのテキストをご利用なさった場合、テキストに誤りがあれば是非メールでご一報下さい。改良していきたいと思います。
著作権はタイプ者にあるということになっています。
タイプは時間のかかる仕事ですが、いうまでもなく『大学或問』を書いた朱熹の労力に比すべきものではありません。朱熹がこの書を書かなければ、このテキスト自体が存在しないわけですから。だから余り厳格な適用は好まないのですが、勝手なことをすると他のタイプ者(含本研究室外)に甚だしく迷惑がかかるので、ある程度は決めておきます。
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- テキストは販売などの商用目的でない限り、ご自由にご利用下さい。商用での利用は禁止します。
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- 底本は『朱子遺書』本を使用した。
- 『朱子遺書』本『大学或問』は、呂氏原刻ではなく、「新増学庸或問」による所収である。
- 便を考えて、山崎闇斎点『大学或問』(以下、闇斎本)の該当丁数を記した。
- 底本との校勘は、原則として通用文字・字体間の異同などは行わず、意味に相違がある場合のみ行った。ただし基本的に底本と点校本(後述)との校勘を主とし、二者間に相違の認められる場合は闇斎本も参照した。四庫本・大全本などの諸本との校勘は行っていない。
- 問答の頭にある《/》は、それぞれテキストと闇斎本との丁数と行数を示す。例えば《3a−3/2b−15》の場合は、テキストの三丁表の三行目、闇斎本の二丁目浦の十五行目を意味する。
- 点校本のページを付すかどうか迷ったが、版権の問題と、新しい朱熹の全書が出そうなので省略する。
- 底本・諸本ともに「或問」で始まる箇所を以て段落を分けるが、ブラウザで閲読する便から、すべて「或問」以下の何文字かを小見出しとして立てた。
- 同様の理由から、底本・諸本の同一段落内の問答も、各問答ごとに改行を入れた。
- 諸本は『大学章句』該当句ごとに「○」を入れて区分する。ここでは問答ごとに改行を入れたことから、「○」は省略し、一行強の空白行を入れた。
- 但し伝五章(格物補伝の部分)は分量が長いので各問答ごと分け、また程・程頤兄弟の説を列挙した部分と、程門諸氏の説を列挙した部分は、各説ごとに改行した上、冒頭を二文字ほどスペースを入れた。
- 問答冒頭の○は質問、●は朱熹の答えを指す。これも当然便宜的に入れたもの。
- タイプ者は正字で統一することに拘る気になれなかったので、原則として旧字体は新字体に改めたが、修と修、弁の旧字(辨)や餘などの字体によって意味の異なる一部の文字は、原文のままとした。厳密に漢字の使い分けをしていない部分もあるので、もし検索する場合は旧字と新字の両方で試してみて下さい。
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- 『四書或問』所収『大学或問』:最近上海古籍から出た点校本。(以下、点校本)テキストは上海図書館蔵の元刻『四書章句集註』所収『大学或問』で、主要なテキストと校勘してある。詳細は「交点説明」を参照されたい。なお点校本も朱子遺書本と同様に上下二巻に分けるが、底本が経一章と伝五章を以て二巻に分けるのに対し、点校本は伝五章以下を下巻としている。
- 山崎闇斎点『大学或問』:『近世漢籍叢刊』などの影印本によく使われるテキスト。不分巻。本テキスト作製時に参考にしたのは、九州大学中央図書館所蔵の和綴本。
- 『大学纂疏』:趙順孫撰。『四書纂疏』の一つで、『大学』の解釈書として著名。通志堂本を使用し、見にくい文字は罕に四庫本を参考にした。
- 『大学章句或問通證』:張存中撰。『四書通證』の一つ。これも通志堂本。典拠を挙げている場合に採用し、基本的に張存中所引の文章に従った。ただ現行の各本と照合した場合に異同が有れば、意味に相違がある場合は指摘した。文字の異同などで、比較的小規模なものは張存中所引文章に従い、大幅な省略がある場合は「(……)」を付してそのことを示した。研究者がこれを参考にする場合は(あればですけど)、必ず原書で確かめて下さい。そうでない方は、それほど拘る必要もないと思いますが、できれば原書で確認してみて下さい。
- 『大学章句纂箋』:・道伝撰。『四書纂箋』の一つ。通志堂本。引用句に関する注意点は『四書通證』と同じ。因みに張存中と・道伝が同じ部分を典拠としてあげた場合(殆どの場合がそうです)、どちらの説を引用するかは、引用のしやすさと通志堂本の見やすさに拠ったので、ばらばらです。
- 『礼記集説』:衛G撰。通志堂本。『四庫提要』から「礼家の淵海」と評された書物。陳澔に同名の本がありますが、これとは勿論違います。今回使用したのは、「大学」篇の巻一百四十九〜一百五十三と、「中庸」篇の巻一百二十三〜一百三十六の中の巻一百三十二です。程門関係の発言を調べた際は、これを利用した。
- 『大学章句』:朱熹撰。テキストは中華書局から出ている、新編諸子集成(第一輯)中の『四書章句集注』。
- 『大学大全』(和刻本):胡宏等奉敕撰。一応目を通しはしましたが、今回は全く引用していません。(2003/7/20)
- 「『大学或問』訳註」(一)(二):早稲田大学の『論叢 アジアの文化と思想』第十号(2001年)と第十一号(2002年)に連載されている訳註です。2003年7月20日現在で、伝五章の終わりの方まで終わっています。確認の為に参考にさせて貰い、タイプ者が気付かなかった出典は、「『訳註』云」という形で引用させてもらっています。
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- 2003/7/20:補正三回目(若干の典拠を加えた)
- 2003/7/7:凡例を改編。
- 2003/7/4:補正二回目(若干の校勘も附す)
- 2003/1/28:補正一回目
- 2003/1/20:タイプ完
- 2006/6/19:篤学の士の指摘により一字改訂
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