質問箱

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  ここではありがちな質問を前もって答えておこうと思います。
  学部生への解答には結構冷たいことも書いてますけど、研究室選びはなかなか重要なことなので、実際の所を書いておくことにします。書くと研究室にとってデメリットなような気が……しないでもないですけど、研究室の運命よりは学生の運命をというのが、管理者のモットーです。
  因みにここにない質問は、自分で考えるか、メールでどうぞ。また学部生の場合は、研究室に来てもらって直接聞いてもらうのも、大いに結構です。


学部生向け〜一般的なもの〜
(Q)中国哲学史というのは何を研究している所ですか?
(Q)中国関係の研究室には、他に東洋史と中国文学がありますけど、中国哲学史と何が違うんですか?
(Q)中国哲学史は、諸子百家だけを研究対象にしてるんですか?
(Q)中国の宗教などは「哲学史」に入らないのですか?例えば仏教とか道教とかありますけど、こういうものは研究できないのでしょうか。
(Q)中国哲学史で現代中国は研究できるんですか?
(Q)中国哲学史は「中国」の思想しか研究できないのですか?例えば日本の江戸時代には儒学が流行ったと聞いていますけど。
(Q)中国哲学というよりは、哲学に興味があるんですけど……
学部生むけ〜本質的なもの〜
(Q)研究室に来るときには?
(Q)中国哲学史にはどんな授業があるんですか?
(Q)卒論のテーマはどうして決めたらいいですか?
(Q)中国語は必要ですか?
(Q)漢文読解力に不安があるのですが……?
(Q)タイムスケジュール
(Q)就職活動の時間はありますか?またどんなところに就職できますか?
(Q)中国哲学史を専攻していないんですけど、演習を受けてもいいのでしょうか?

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学部生向け〜一般的なもの〜

(Q)中国哲学史というのは何を研究している所ですか?

(A)研究している本人(管理者のこと)が何をやっているのか分からないので、こっちが聴きたいくらいです……。というのも解答にはならないので、一通り答えておきます。

(Q)中国関係の研究室には、他に東洋史と中国文学がありますけど、中国哲学史と何が違うんですか?

(A)
  ご想像に漏れず、三研究室の研究でも、接近している領域の研究に関しては、殆ど差がありません。でも基本的に大学まで来ている人なら、文学という響きと、哲学という響きに差異があることはくらいおわかりだろうと思います。中国文学と本研究室との違いは、簡単に言うとその差異です。まあ英国の詩の美しさを知りたい人が、真っ先にソクラテスを読んで人生の深さを知ろうとしないようなもんです。
  東洋史とこことの違いですが、東洋史にも思想史という分野があります。なので一概に言えませんが、だいたい高校で「漢文」と称して勉強していたようなものを中心に学ぶのがこの研究室で、そうではなく世界史(その中の東洋の部分ですよ)として習っていたようなものが東洋史です。などといい加減なことを書いていると東洋史の人から怒られそうですが、でもそんな感じですね。あくまでも研究を始めるときはですけど。
  かなり極端にいうと、基本的にはここの研究室では、制度とか法令とか財政とか政治史とかは、そのままの形では扱いません。そういうことがやりたい人は、この研究室に来るとすごく後悔することになります。

(Q)中国哲学史は、諸子百家だけを研究対象にしてるんですか?

(A)違うに決まってます。ご存じの通り、中国の歴史は長いのです。人間の原初的発想の素朴さと自由さから諸子百家が多くの人の興味を引くのは、至極当然のこと。所謂諸子百家が活躍していたのは春秋戦国の約五百年の間です。確かにこれは長い。しかしそれ以降の、ほぼ二千年にわたる長い長〜い時代に、「思想」というものが中国に全然なかったということは、当然ないに決まってます。それはちょうど西洋の思想を「世界史」か何かで勉強された人は、西洋の古代と近代以外の思想についてどれほどご存じでしょう?中国の朱子学・陽明学(多分名前くらいは知っていると思います)の理解と比べて、どちらが深いと思いますか?そういうことです。

(Q)中国の宗教などは「哲学史」に入らないのですか?例えば仏教とか道教とかありますけど、こういうものは研究できないのでしょうか。

(A)できます。いまそういうことを研究している人もいます。

(Q)中国哲学史で現代中国は研究できるんですか?

(A)できます。でもここ数年間は研究している人がいないです。でもできますのでご安心を。

(Q)中国哲学史は「中国」の思想しか研究できないのですか?例えば日本の江戸時代には儒学が流行ったと聞いていますけど。

(A)厳密に言うと、日本の儒学は研究対象には入りません、というか入らないはずです。でも伝統的にこの分野では研究できることになってます。日本漢学と称される分野がそれです。但し日本漢学はこの研究室以外(国史・国文など)でも研究できるので、研究しようとしている内容が限りなく日本国内のことに重点があるなら、この研究室に来ると後悔することになるやもしれません。何せ勝手が違うもんですから。この研究室では日本漢学を研究してもいいだけで、授業で日本漢学をすることは殆どありません。読むテキストは、99%中国のものです。

(Q)中国哲学というよりは、哲学に興味があるんですけど……

(A)
  貴方が思っている「哲学」の内容によって答えは変わります。
  (1)既に原書か何かで欧州の哲学を研究されている場合、乃至原書といわないまでも、そういう向きの専門書を何らかの形で勉強されている場合。それで哲学を研究したいと仰るなら、ここには来ないことをお勧めします。この研究室も「哲学」を標榜していますが、実際の所は西洋哲学とは、全く違うはずです。(違うと言い切れないのは、管理者が専門の西洋哲学を知らないからです。)どうしても気になる場合は、一度研究室に実態を見に来られるとよいと思います。後悔しないためにも、気になる場合は是非そうしてください。研究室に来ても、別に勧誘したりはしないので安心してください。
  (2)何となく「哲学」に惹かれている場合。これは難しいですね。「哲学」という言葉に惹かれる理由は分かりませんが、貴方の思っている「哲学」が、まだ素朴な「あこがれ」の域を超えると確信できるなら、西洋哲学に行かれた方がよいかも知れません。でも人間のいろんな考え方を知りたいな〜♪という人は、案外ここは向いているかも知れません。結構、人間くさい話しが多いので……というより、そういう話ばっかりですから。

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学部生むけ〜本質的なもの〜

(Q)研究室に来るときには?

(A)
  気兼ねせずにぶらりとやって来てくれて結構です。(当然、九大文学部の学生さんだけです。一般人は社会的常識を守って下さい。)でも人数が少ない研究室なので、運が悪いと誰もいなかった……ということも希にあります。是が非でも研究室の人と会って話しをしたい場合は、前もって研究室に電話でも入れて下さい。電話番号は、(092)642-2369です。内線直通なので安心して下さい。
  因みにここで研究室というのは、教官の研究室とは意味が違いますので、中国哲学史研究室に用がある場合は、先生の研究室ではなく、上記の中国哲学史研究室に連絡をして下さい。

(Q)中国哲学史にはどんな授業があるんですか?

(A)
  講義と演習です。講義は他の研究室の授業とそれほど変わらないと思います。
  演習は演習担当者が担当部分のテキスト(古代中国語で書かれた文献。所謂漢文というもの)を書き下し(子曰く、学びて時に云々、というあれ)と現代語訳(先生は仰った云々という、現代日本語)にまとめ、それと典拠や難解語句などを事前に調べておいてこれも纏めておき、発表時に先生とその他の学生にそのプリントを配って、自分が調べたことを発表していく……という、多分多くの研究室で行っていることと同じだと思います。あ、もちろん書き下し云々は漢文を使う所だけでしょうけど。
  細かい演習の方法は恐らく見当が付かないと思います。でも二年生で入ったときに、初歩的な所から指導されますし、いきなり本格的な演習を担当して貰うと言うことはないので、安心して下さい。直になれます。

(Q)卒論のテーマはどうしたらいいですか?

(A)
  研究室に入ってから決めていくことになります。今から考えても、恐らく意味がないでしょうし、考えられる人はこんな質問はしないでしょう。貴方が学部二年生の時からこの研究室で学んだことを総決算して考えて下さい。
  因みに卒論は、真っ当に書こうと思った場合、学部三年生の後期くらいには大まかな方針を決めて研究していかなければなりません。四年生からだと少し厳しいですね。でもこれはどこの研究室も同じだと思います。ここの研究室が他と違うのは、卒論があろうがなかろうが、むやみやたらと演習を担当させられることです。これは卒論作製に当たって、非常に大きいマイナスになります。
  因みに卒業論文の書き方やその他諸々のことは、どの研究室も同じだと思いますが、研究室内で教えることになるので、そういう点は心配しないで下さい。但しこれもどの研究室も同じでしょうけど、自分で知ろうとしない人は何も得られませんし、誰も教えませんので、要注意!!

(Q)中国語は必要ですか?

(A)
  先ず貴方が現在中国語を履修していて、しかも止めたい場合。(続けたくてこんな質問をする人はいないでしょう。)どうしても履修したくなった言語があるという場合を除き、これは履修を続けた方がいいです。
  その二。今違う言語を履修していて、中国語に換えたい、或いは換えた方が良いのか迷っている場合。換えたくて仕方がないなら換えてもいいと思います。でも今履修している言語が楽し……くなくてもある程度習得したい場合は、中国語に切り替える必要はないでしょう。
  その三。まだ何も言語を履修していない場合。中国語を履修したければ履修して下さい。他に勉強したい言語がある場合は、そちらを履修しましょう。
  結論を言えば、この研究室では中国語ができなくても、それほど困らないということです。善し悪しは別にして、異様に発達した日本の漢文読解法のせい……もといおかげで、現代中国語の発音で漢文を読むことは、今のところはありません。でもまあ常識的に云って、研究しようとしている国の言語(正確に言うと、研究しようとしている地域に今ある国、乃至関係ある国の言語)を習得しておいて損はありません。併し中国語以外の外国語ができると、英語・中国語以外の論文を読むことができるので、それはそれでかなり有利ですので、自分が勉強したい言語がある場合はそちらを優先しましょう。
  言うまでもないことですけど、これはあくまでも参考にすぎません。貴方がどの言語を履修するか、或いはどういう授業計画を立てるかは貴方の責任です。全て貴方が責任を取って下さい。失敗しても誰のせいでもない、最終的に決めた貴方に責任があるのですから。

(Q)漢文読解力に不安があるのですが……?

(A)異常な読解力のある人は別にして、一般的に高校で漢文ができていたとしても、専門ではまず通用しません。ですから不安があるどころか、殆どできなくても全く問題ありません。それに漢文の読み方は、研究室に入ってから訓練させられます。安心して下さい。

(Q)タイムスケジュール

(A)
  先ず演習回数。二年の前期は基礎演習のようなものがあって、漢文の基礎を習います。多分これが一年くらい続くはずです。でも最近は研究室の人数が少ないので、学部二年の後期くらいからは、一ヶ月に三〜四回演習当番が回ってきます。かなり厳しいですのでご用心を。
  次に普段の研究室。基本的に何もありません。併し年に何回か懇話会と称して、この研究室の関係者(OB含む)が集まって、研究を発表し合うことがあります。学部生は一般的には、学部三年生まではただ出席するだけです。但し四年生というか、卒業の年度には二回発表してもらうことになります。(卒業論文の構想発表とその結果発表)でもこれに関しては何も心配しないでください。卒業生は誰でもしていることなのです。誰でもできるわけだから、貴方にもできるはずです。会社の就職面談よりも遥かに楽なはずです。

(Q)就職活動の時間はありますか?またどんなところに就職できますか?

(A)はっきりいって、この研究室は就職活動のための時間を割いてくれません。少なくとも今の状況では、確実に無理です。ですからかなり厳しいです。就職活動なんか問答無用で演習を担当させられるので、普通の就職活動での就職は、ほぼ絶望的です。諦めましょう。就職先は高校教師なんかがわりと多いようですが、その他は各種様々です。

(Q)中国哲学史を専攻していないんですけど、演習を受けてもいいのでしょうか?

(A)
  もちろん受けられます。というより、大学に高い授業料払って、しかも受講制限がないなら、当然受けられます。ただし受ける以上はちゃんと受けて下さい。読んでいる漢文のレベルを受講者によって下げたりすることは、ほぼ確実にありません。でも初心者でもがんばれば何とか読めるようなテキストを読む演習もあるので、是非とも演習を受けたいという人は研究室に来て、気軽にたずねてみて下さい。
  因みに演習は担当があるので、演習内容を聞きに来る来ないに拘わらず、授業が始まる前に一度は研究室に顔を出して下さい。いや、演習の担当時間とテキストを渡すだけなので心配しなくても大丈夫です。
  演習は担当したくないけど出るだけは出てみたいという人もどうぞ。基本的に担当したいと仰らない限り、担当させられることはないと思います。断言できませんけど。でも研究室には前もって来て下さいね、テキストを渡さないといけないから。

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