研究室について
専攻案内
こんにちは。イスラム文明史学研究室へようこそ。
イスラームは誕生以来、単なる宗教のみにとどまらず、法体系、経済原則、倫理規範、都市の構成原理、学術研究などの体系を形作って来ました。このような体系が複合した、文明の体系としてのイスラーム文明を、歴史的に解明していくことをめざして、本研究室は1993年に開設されました。そのため、本研究室では、中国新疆・東南アジアからアフリカまでの広大な地域にわたるイスラーム世界、イスラーム(イスラム教)誕生前後から現在に至る、千数百年に及ぶ時代を研究対象としています。今のところ、教員の専門分野に応じて、講義や演習はイラン中世史、トルコ民族史、アラブ社会史などが中心となっていますが、アラビア語、ペルシア語、トルコ語などの原典史料に基づいて、さまざまな問題の研究を進めています。
本研究室は「イスラム」を看板に掲げる、国内で数少ない研究機関のひとつとして、内外から注目され、学界からも大きな期待が寄せられています。そして、それに応えるように、世界レヴェルでも第一線を張る研究成果を蓄積しつつあります。研究環境も徐々に整備され、研究室所蔵の現地語図書の拡充が進められている他、毎年開催される九州史学会や、研究会・講演会・集中講義などを通して、第一線で活躍している内外の研究者との交流も行っています。このように、福岡にいながらアラビア語・ペルシア語・トルコ語を学べるだけでなく、学界の最先端に接することもできる、恵まれた環境にあります。
こうした環境にあって、専攻の学生には、単にイスラーム世界についての知識を得、理解を深めるのみならず、 研究の方法論や基礎を学び、自らテーマを見つけて研究を実践し、オリジナリティのある卒業論文を書くことが望まれています。語学などのトレーニングは決して生易しいものではないので、専攻を希望するには、それなりの覚悟が必要なことは確かです。しかしながら、その気になれば、知的好奇心を刺激する多くの新しい発見が、あなたの目の前に広がっています。