九州大学哲学研究室
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推薦図書


当研究室メンバーが推薦する図書の一覧です。各分野の入門書から専門的な学術書まで、幅広く紹介しています。



哲学史

◆哲学史一般
・『哲学の歴史』全12巻+別巻(中央公論新社 2007-2008) (Cute.Catalog)
――現時点では最も網羅的な、各哲学者に焦点を当てた哲学史シリーズ。
・貫成人『図説・標準 哲学史』(新書館 2008) (Cute.Catalog)
――各哲学者を解説した、極めてコンパクトかつ現代思想まで視野に入れた哲学史。
・フランソワ・シャトレ編『西洋哲学の知』シリーズ(白水社 1998) (Cute.Catalog)
――いわゆるフランス版『哲学の歴史』(中央公論新社)。日本ではあまり取り上げられない哲学者も取り上げている。(2014年度 修了)
・木田元『反哲学史』(講談社学術文庫 2000) (Cute.Catalog)
――ハイデガー研究者による哲学史。肩ひじ張らずに楽しめる一冊。(2014年度 修了)

◆古代・中世哲学史
・加藤信朗『ギリシア哲学史』(東京大学出版会 1996) (Cute.Catalog)
――ギリシア哲学一般を学びたい人向け。
・クラウス・リーゼンフーバ『中世思想史』(平凡社ライブラリー 2003) (Cute.Catalog)
――中世哲学の詳細な解説書。
・山内志朗『普遍論争』(平凡社ライブラリー 2008) (Cute.Catalog)
――中世哲学への新たな視座を示した名著。巻末の人名事典は極めて有用。

◆近現代哲学史
・村岡晋一『ドイツ観念論』(講談社選書メチエ 2012) (Cute.Catalog)
――ドイツ観念論の代表的な4人の哲学者の思想と、その思想の流れを解説した入門書。
・久保陽一『ドイツ観念論とは何か』(ちくま学芸文庫 2012) (Cute.Catalog)
――ヤコービやラインホルト、ヘルダーリンにもスポットを当てた解説書。(2014年度 学部卒)

◆現代哲学
・藤本一勇 et al.『現代思想入門』(PHP研究所 2007) (Cute.Catalog)
――現代のヨーロッパ大陸を中心とした地域の哲学者についての解説書。各哲学者ごとに読書案内あり。(2014年度 修了)

哲学者・思想家別

◆ソクラテス・プラトン
【ソクラテス】
・田中美知太郎『ソクラテス』(岩波新書 1957) (Cute.Catalog)
――ソクラテスの人物像を描きつつ、その哲学への入門ともなっている本。
【プラトン】
・藤沢令夫『プラトンの哲学』(岩波新書 1998) (Cute.Catalog)
――プラトン哲学のエッセンスが凝縮されている新書。

◆アリストテレス
【全般】
・山口義久『アリストテレス入門』(ちくま新書 2001) (きゅうとOPAC)
――アリストテレスの論理学から倫理学までコンパクトにまとまっている良書。新書なので安価。
・金子善彦「アリストテレス」( 神崎繁 et al.編『西洋哲学史1』(講談社選書メチエ 2011)収録) (Cute.Catalog)
――山口本から少しだけ進みたい人に。個々の分野がクリアに論じられています。
・Barnes, Jonathan, ed. The Cambridge Companion to Aristotle (Cambridge University Press 1995) (Cute.Catalog)
――書誌情報が充実しているので、本格的に研究を行いたい人には必携の一冊。個々の論説もいい。
【倫理学】
・J.O.アームソン『アリストテレス倫理学入門』(岩波現代文庫 2004) (Cute.Catalog)
――英米圏の哲学者によるアリストテレス哲学の入門書。
・岩田靖夫『アリストテレスの倫理思想』(岩波書店 1985) (Cute.Catalog)
――アリストテレス倫理学の全体図をつかむ研究書。

◆アウグスティヌス
・山田晶『アウグスティヌス講話』 (講談社学術文庫 1999) (Cute.Catalog)
――『告白』の訳者による概説書。

◆トマス・アクィナス
・稲垣良典『トマス・アクィナス』 (講談社学術文庫 1999) (Cute.Catalog)
――トマス研究の第一人者による概説書。

◆デカルト
・野田又夫『デカルト』 (岩波新書 1966) (Cute.Catalog)
――平明な概説書。全体像をつかむのに適している。

◆カント
【全般】
・円谷裕二『近代哲学の射程 : 有限と無限のあいだ』(放送大学教育振興会 2003) (Cute.Catalog)
――本講座教員によるテキスト。後半がカント哲学の概説となっている。
・有福孝岳・牧野英二編著『カントを学ぶ人のために』(世界思想社 2012) (Cute.Catalog)
――カント哲学全般について、入門的論文が載っている。第4章第1節は本講座教員によるもの。
【純粋理性批判】
・福谷茂『カント哲学試論』(知泉書館 2009) (Cute.Catalog)
――純粋理性批判についての研究書。記述が明瞭。

◆ヘーゲル
・ルネ・セロー/高橋允昭 訳『ヘーゲル哲学』(白水社文庫クセジュ 1973) (Cute.Catalog)
――ヘーゲル哲学全体の概説のほかに小伝やヘーゲル諸学派なども解説した珍しい入門書。(2014年度 学部卒)
・金子武蔵『ヘーゲルの精神現象学』(ちくま学芸文庫 1996) (Cute.Catalog)
――岩波全集版『精神の現象学』の翻訳者による解説。講義録形式なので読みやすく概観を掴みやすい。(2014年度 学部卒)
・加藤尚武編『ヘーゲル「精神現象学入門」[新版]』(有斐閣選書 1996) (Cute.Catalog)
――『精神現象学』副読本に。現在、講談社学術文庫からも刊行。(2014年度 学部卒)

◆ベルクソン
・V.ジャンケレヴィッチ『アンリ・ベルクソン』(新評論 1997) (Cute.Catalog)
――ベルクソンの伝記的事項と理論的事項を両方備えた平易な解説書。(2013年度 修了)

◆ハイデガー
・細川亮一『ハイデガー入門』(ちくま新書 2001) (Cute.Catalog)
――本学倫理学講座名誉教授による、古代・中世哲学にも目を配ったハイデガー入門。(2014年度 修了)

◆メルロ=ポンティ
・熊野純彦『メルロ=ポンティ』(NHK出版 2005) (Cute.Catalog)
――『知覚の現象学』を中心にメルロ=ポンティの思想のエッセンスを抽出した大変平易な概説書。(2013年度 修了)
・鷲田清一『メルロ=ポンティ:可逆性』(講談社 2003) (Cute.Catalog)
――メルロ=ポンティの代表作を順にとりあげ、その主要概念を丹念に解説した詳細な概説書。(2013年度 修了)

◆ウィトゲンシュタイン
・鬼界彰夫『ウィトゲンシュタインはこう考えた』(講談社現代新書 2003) (Cute.Catalog)
――ウィトゲンシュタインの思考を年代ごとに詳説した本。新書なので入手が用意。(2013年度 学部卒)
・飯田隆『ウィトゲンシュタイン』(講談社 2005) (Cute.Catalog)
――国際的な研究者による、ウィトゲンシュタインの伝記もかねた入門書。

◆ハーバーマス
・三島憲一「ハーバマス」(野家啓一編『哲学の歴史 10』(中央公論新社 2008)収録) (Cute.Catalog)
――予備知識無しでハーバマスの思想を知ることのできる論説。(2014年度 修了)
・マーティン・ジェイ『マルクス主義と全体性』(国文社 1993) (Cute.Catalog)
――西欧マルクス主義という視点から近現代の哲学者を歴史的に記述した本。(2014年度 修了)

テーマ別

◆認識論
・Duncan Pritchard, Knowledge(Palgrave Macmillan 2009)
――認識論のコンパクトな入門書。知識とはなにかという問題からはじめて、認識論における様々な原理をわかりやすく説明してくれている。内在主義・外材主義の区別や懐疑論への応答のような以前からの問題に加え、認識的運や知識の価値のような最近の問題にも触れてある。英語も平易なので、洋書を読む訓練にもなる。(2013年度 学部卒)

◆言語哲学
・服部裕幸『言語哲学入門』(勁草書房 2003) (Cute.Catalog)
――豊富な日常的事例を題材にした言語哲学への案内。
・飯田隆『言語哲学大全』I - IV(勁草書房 1987-2002) (Cute.Catalog)
――言語哲学を学ぶ人のための必携書。

◆倫理学
・加藤尚武『現代倫理学入門』(講談社学術文庫 1997) (Cute.Catalog)
――倫理学の入門書としては定番。文庫なので手に取りやすい。
・長友敬一『現代の倫理的問題』(ナカニシヤ出版 2010) (Cute.Catalog)
――本研究室OBによる、現代的な倫理的諸問題を取り扱った入門書。

◆美学・芸術の哲学
・小田部胤久『西洋美学史』(東京大学出版会 2009) (Cute.Catalog)
――古代・中世・近代・現代の西洋美学思想を思想家ごとに解説。(2014年度 学部卒)
・渡邊二郎『芸術の哲学』(ちくま学芸文庫 1998) (Cute.Catalog)
――アリストテレスの詩学やニーチェの悲劇論、カント美学などのエッセンスをわかりやすく説明。(2014年度 学部卒)
・A. C. Danto,After the End of Art: Contemporary Art and The Pale of History(Princeton University Press 1997) (Cute.Catalog)
――美学における重要概念である「芸術の終焉」以後の芸術についてユニークな議論を展開。現代芸術を哲学的に考察する上での必読書。(2014年度 学部卒)
・A. C. Danto, The Philosophical Disenfranchisement of Art(Columbia University Press 1986) (Cute.Catalog)
――「デュシャンやウォーホル段階に到達することで終焉した」ことで歴史的重要性を失った芸術が、いかなる意味を持ちうるかを探る。(2014年度 学部卒)
・佐々木健一『美学への招待』(中公新書 2004) (Cute.Catalog)
――/様々な哲学者の美学思想を解説するのではなく、身近に潜む美学の問題について気づかせてくれる「入門」のための一冊。(2014年度 学部卒)

◆論理学の哲学
・グレアム・プリースト『論理学』(岩波書店 2008) (Cute.Catalog)
――論理学に関する哲学的問題の紹介。予備知識無しでも読める。(2013年度 学部卒)
・飯田隆編『論理の哲学』(講談社選書メチエ 2005) (Cute.Catalog)
――書店に行けば今でも手に入る。論理学・数学の哲学についての論説集。論理学の初歩的知識があれば読める。各論説末尾の読書案内も有用。(2013年度 学部卒)
・Stephen Read, Thinking about Logic(Oxford University Press 1995)
――真理やパラドクス、論理的帰結のような、論理学にまつわる哲学的トピックについての入門書。初級を超えたレベルでの論理学の技術的な知識が要求されるが、この分野について真剣に学びたいのであればぜひ読むべき本。扱っている話題が広いため、他の分野を学んでいる人にとっても興味深く読めるはず。(2013年度 学部卒)
・G・H・フォン・ヴリグト『論理分析哲学』(講談社学術文庫  2000) (Cute.Catalog)
――論理学や言語分析だけでなく、数学の問題からもアプローチした分析哲学の入門書。(2014年度 修了)

予備知識

◆社会学
・井上俊・大村英昭『社会学入門』(放送大学教育振興会 1993) (Cute.Catalog)
――社会学の理論の変遷を分り易く解説。(2014年度 修了)

◆論理学
【初級者向け】
・前原昭二『記号論理入門 [新装版]』(日本評論社 2005) (Cute.Catalog)
――高名な論理学者による記号論理学の入門書。初級者向け。ただし、この本だけでは不十分。(2013年度 学部卒)
・W. Hodges, Logic 2nd Edition(Penguin Books 2005) (Cute.Catalog)(リンク先は1st Edition)
――モデル理論の入門書の著者としても有名な論理学者による一般向けの初等論理学解説書。言語学との連結が意識されており、言語哲学や意味論に興味があるなら論理学の学習のための最初の一冊としては最高のもののうちの一つであろう。(2013年度 学部卒)
・沢田允茂『現代論理学入門』(岩波新書 1962) (Cute.Catalog)
――やや古い本だが、文体に古さを感じさせない読みやすい良書。(2014年度 修了)
【中級者向け】
・小野寛晰『情報科学における論理』(日本評論社 1994) (Cute.Catalog)
――論理学の入門書。古典命題論理、一階述語論理に始まり、高階論理、様相論理や直観主義論理、ラムダ計算など、哲学の多くの分野で必要になる内容が解説されている。(2013年度 学部卒)
・Graham Priest, Introduction to Non-Classical Logics(Cambridge University Press 2008) (Cute.Catalog)
――言語哲学・論理学の哲学・形而上学のトピックと関わりの深い諸非古典論理への入門書。哲学的によく動機づけされた入門書としての良さは言うまでもないが、各論理体系をより深く学ぶための文献案内もついており、非常に便利。(2013年度 学部卒)



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