九州大学哲学研究室
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研究室案内



 哲学することは古来より、驚きや懐疑や不安から始まる。

 しかも驚きや不安をその根源から問い直そうとして哲学する。なぜ私がこの世に生きているのだろうか、なぜ物事は存在していてかえって無ではないのだろうか、なぜ人を殺すのは悪いのだろうか、なぜ科学は環境問題を科学によって解決しようとするのであろうか。哲学的な問いかけは、けっして抽象的な現実離れしたものではなく、むしろ根源的かつ全体的に問うことこそが専門的かつ部分的に問うことよりもいっそう切実で具体的な問い方なのである。
 研究室は、古代ギリシア哲学、中世哲学、及び近代・現代哲学の三つないし四つに大別されるとはいえ、それらは言わば多様にして一と言うべく、根本においては一つの愛智(フィロソフィア)、すなわち智(ソフィア)を愛し求める営みである。学部生と大学院生の哲学する一つの共同体として哲学研究室は、自由な雰囲気のもとに、それぞれの関心を尊重しつつ、しかも相互の対話・学的な交わりを大切にしている。
 研究室では、哲学することの楽しみと醍醐味を実現するために、次のような仕方で研究や教育を行っている。第一に、哲学の原典を、例えば古代のプラトン、アリストテレス、中世のアウグスティヌス、トマス・アクィナス、近代のデカルト、ヒューム、カント、ヘーゲル、現代のニーチェ、ハイデッガー、ヴィトゲンシュタイン、メルロ=ポンティ、レヴィナスなどのテキストを厳密に読み解くこと、第二に、各自の成果を口頭発表や論文の形にまとめて、自由で真剣な討論の場を創っていること、第三に、恒例行事として夏には温泉に浸かりながら二泊三日の合宿をしたり、あるいはしばしば深更までシンポジウム(饗宴)をしたりすることである。


哲学研究室の学部授業

他専攻には「実習」や「概論」等様々な授業がありますが、哲学・哲学史専攻は「講義」と「演習」の二種類のみで授業が行われています。特に履修制限を設けておらず、他専攻生・他学部生にも開かれた授業が行われています(過去には倫理学専攻、応用言語学専攻、21世紀プログラム、理学部生物学科からの参加者もいらっしゃいました)。詳細な授業内容は、九州大学文学部ホームページ内のシラバスをご覧ください。

講義
一般的な講義スタイルの授業ですが、双方向的なやり取りも行われます。他専攻生や他学部生も多く受講するので、入門的・概論的な内容となります。一般に、成績評価には期末レポートが課されます。

演習
少人数でのゼミ形式・文献購読の授業です。他専攻生や他学部生も受講できます。講義より専門的な内容を扱っています。一般に、テクスト読解の担当箇所が参加者それぞれに割り当てられ、その回の担当者がレジュメ等の原稿を用意して発表し、質疑応答や議論を展開するというスタイルです。成績評価は一般に発表等の平常点で行われます。



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