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年次大会

入会



西日本社会学会第76回大会のお知らせ

開催日時

2018年5月19日(土)〜20日(日)

開催場所

九州大学箱崎キャンパス
〒812-8581
福岡県福岡市東区箱崎6丁目19-1
TEL 092-642-2426(社会学・地域福祉社会学研究室)
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/

歓迎の言葉

安立清史(九州大学)
 西日本社会学会第76回大会を、2018年5月19日(土)、20日(日)に、九州大学・箱崎文系キャンパス(文系地区共通講義棟)にて開催させていただくことになりました。皆さまのご来訪、ご参加を、心より歓迎いたします。
 九州大学は、いままさに全面移転の真っ最中です。すでに理系キャンパスは伊都へと移転し、理系の建物の多くは解体され更地にもどりつつあります。今年の夏には文系キャンパスも完全に伊都へと移転することになります。跡地はすぐさま解体されて幹線道路になる予定だそうです。すでに正門近くにあった歴史ある旧法文学部の建物は解体されて跡形もありません。これから文系キャンパスの移転に入りますので多くの会員にとっては九州大学箱崎キャンパスをご覧いただく最後のチャンスになろうかと思います。
 九州大学法文学部の創設は1924年(大正13年)ですから90年以上をこの地で過ごしてきたわけですが、あっというまに箱崎の歴史的風景や集合的記憶が消失しつつあります。六本松キャンパスが伊都へと移転したのは2009年でした。あれからまだ9年ほどしかたっていないのに、すでに六本松は完全に新しい風景に変貌しています。箱崎もまた同じように新しい風景に切り替わっていくのでしょうか。東京で都心の大学が次々に郊外へと移転していったのはかれこれ40年も前のことになります。そして郊外へと移転していった大学の都心回帰が話題を呼んだのもすでに久しい前のことになります。ヨーロッパの大学の多くは都心部の歴史的建造物の中に散在して都市の中に溶け込んでいます。他方、アメリカの大学の多くは町中にはなく郊外に巨大なキャンパスとして存在しています。アップルやマイクロソフト、グーグルなども「キャンパス」と呼ばれる広大な独立王国の姿で存在しています。大学の姿は社会のあり方を映し出しているかのようです。日本はどちらの方向に向かうのか揺れ動いています。これは社会学者としてもじつに興味深いことではないでしょうか。
 さて移転をひかえて10年ほど前から、九州大学文学部社会学の学生や院生を中心に「箱崎九大記憶保存会」という活動も続けられてきました。「さよなら六本松」の時には学生たちがお世話になった周囲のお店に感謝状などを渡してまわったようです。今回の「さよなら箱崎」でもキャンパスと街の記憶を紹介する展示会や、グーグルストリートビューへの画像投稿など、様々な活動を行っています。お時間があればぜひご覧下さい。
 事務局資料によりますと、九州大学文学部での開催は1982年の第40回大会以来36年ぶりとなります。会場となる箱崎文系地区共通講義棟などは戦後のベビーブームに合わせてあわてて急造した迷路のような建物で、これまた日本の経済発展の名残とその後の現在の姿という対比を感じさせます。これまた社会学者として関心を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。様々な意味をこめて九州大学箱崎キャンパスへぜひおいで下さい。

交通案内

九州大学箱崎キャンパスへのアクセスは九州大学ホームページをご参照ください。
https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/campus/hakozaki

参加・発表申し込みについて

本大会への参加をご希望の方は、ニュース同封の葉書にてお知らせ下さい。懇親会の参加についてもご記入いただきますようお願いいたします。また、不参加の方もその旨ご連絡下さい。
自由報告の発表をご希望の方は、同じ葉書で発表題目をそえてお申し込み下さい。多数のご参加をお待ちしております。

発表申し込み締め切りは、3月20日(火)必着です。
締め切り厳守でお願いいたします。


シンポジウムの概要

観光の社会的効果へのアプローチ

 2016年度の学会大会シンポジウムは、「観光と地域づくり」と題して行われました。そこで確認されたように観光は、多くの地域において、活性化や再生を賭すべき数少ない希望の1つとされています。それというのも観光は、相対的に小規模の資本投下によっても実践可能であると同時に、「持続可能な開発」が実践される可能性をもつ数少ない実践領域の1つだとされてきたからでしょう。この持続可能性の言説が示すように、観光は常々、その経済的効果と共に社会的効果が強調されてきました。その効果の例として多く挙げられるのが、人々の意識変容とコミュニティ活性化、あるいは連帯・紐帯・共在の触発です。
 ただ、この社会的効果に関する議論については、幾つかの批判的展開があり得ます。まず、上記のうち前者について、ある論考は次のように指摘しています。すなわち既往研究の多くは、社会的効果の内実の論及が不十分であるがゆえに、あらかじめ同じ価値観を有している人には響いても、それ以外の人に対しては説得力に欠け、結果として現場へのエンパワメント力も不足しているといいます。また後者については、多くの場合J.アーリ等の論を参照して議論される一方で、まさにそのアーリの論が、「生産主義的バイアス」の批判から始まっていることを軽視していることが指摘できるでしょう。これは、観光の生産面のみを過度に重視することにより、観光客を均質的な存在として扱ってしまうことの批判です。このことは、観光まちづくりや着地型振興を分析する論において、地域実践への着眼の偏重が過ぎることへの警告とも受け取れるでしょう。地域観光の実践者が直面しているのはまさに、生産側の内情以上に消費側の現実であるわけです。
 これらの点はいずれも、観光研究のアクチュアリティと関わっているものと考えられます。そこで本シンポジウムは、2016年度シンポジウムのテーマを発展的に受け継ぎ、観光の社会的効果に関して社会学はいかにアプローチできるのかについて議論し、観光研究のアクチュアリティ形成における社会学のプレゼンスについても考えたいと思います。なお、各報告のタイトルにつきましては決定し次第、学会ホームページにてご案内いたします。

 報告者および報告題目
    松浦雄介(熊本大学) 文化を資源化する社会─文化遺産の活用をめぐって─
    高岡文章(立教大学) 観光における「自由」と「不自由」─ルート観光論2.0─
    越智正樹(琉球大学) 教育旅行民泊における平準化と個性維持─観光アクター間での価値規範の共創─

 司会 谷富夫(甲南大学)

 討論者 徳野貞雄(トクノスクール・農村研究所)・野入直美(琉球大学)
 
 (文責:越智正樹)
 (登壇者の所属は、2018年4月現在のものです)

問い合わせ先

連絡は以下までお願い致します

〒812-8581
福岡市東区箱崎6-19-1
九州大学文学部社会学・地域福祉社会学研究室内
西日本社会学会事務局
092-642-2426
sociowest@lit.kyushu-u.ac.jp
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