文学部 人文学科 哲学コース
倫理学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
倫理学基礎論演習 VIII
Basic Theories of Ethics (Seminar VIII)
講義題目  現代社会における倫理と宗教
准教授 飯嶋 裕治
科目ナンバリングコード: LET-HUM4178J
講義コード: 16052218
2016 前期
毎週 火曜3限
箱崎 倫理研 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2016/3/28 (20:50)
授業の概要 「近代社会における倫理と宗教の関係」について、チャールズ・テイラーの著作を手がかりにして考察する。
テイラーは「近代」という時代における人間のあり方・生き方について、主に西洋(倫理)思想史という観点から、その解明に長らく取り組んできたが、近年の彼が特に注目するのが「宗教」の問題である。
私たちの多くは自分たちが住まう近代的な社会に関して、「ルネサンス以来の人間中心主義や科学的世界像の普及によって世界が脱魔術化され、非宗教的な社会がもたらされた」といった一般的な理解を当然視している。それに対しテイラーは、今日においても人々の「宗教的なもの」への希求は消え去ったわけではなく、それは世俗化した社会に即した形で、個人主義的な形態へと移行しただけだという。
本授業ではこうした問題を改めて考察するために、以下のテイラーの著作を講読する。その際特に注目したいのは、彼が「社会的想像」という思想史的概念を用いて「近代」という時代を捉え直そうとしている点である。テイラーの叙述を辿るなかで「思想史」という学問の方法論とその射程についても改めて考察を深めていきたい。

【テキスト】
チャールズ・テイラー「なぜ世俗主義を根本的に再定義すべきなのか」、『公共圏に挑戦する宗教:ポスト世俗化時代における共棲のために』(岩波書店、2014年)所収[原著は2011年刊行]
チャールズ・テイラー『近代 想像された社会の系譜』(岩波書店、2011年)
[原著:Charles Taylor, Modern Social Imaginaries, Durham NC: Duke UP, 2004]

【参考図書】
チャールズ・テイラー『今日の宗教の諸相』(岩波書店、2009年)
[原著:Charles Taylor, Varieties of Religion Today: William James Revisited, Cambridge, MA: Harvard UP, 2002]

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キーワード :
履修条件 : 特になし
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
専門分野の基礎知識に基づいて、人間と社会のあり方とそれへの多様なアプローチを理解できる。
B_A-e [現代世界の理解]
現代世界における様々な人文現象や社会問題を、批判的視点から理解し説明できる。
B_B1-d [専門的研究手法]
専門分野に固有の問題設定や研究手法を正しく身に付けることができる。
B_B2-a [総合把握力]
知識を総合的かつ有機的に把握する能力を身に付ける。
B_B2-d [専門的思考方法]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得する。
B_C-d [興味関心の幅広さ]
専門分野のみならず、幅広い知識と教養を身に付けようとする意欲を持つ。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト :
参考書 :
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 ガイダンス
2 講読:チャールズ・テイラー「なぜ世俗主義を根本的に再定義すべきなのか」 演習
3 講読:チャールズ・テイラー『近代 想像された社会の系譜』(全14章) 演習
4 まとめ

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_A-e
[現代世界の理解]
B_B1-d
[専門的研究手法]
B_B2-a
[総合把握力]
B_B2-d
[専門的思考方法]
B_C-d
[興味関心の幅広さ]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度
プレゼンテーション
レポート
出席 欠格条件

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 授業の前後に受け付ける。

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)