文学部 人文学科 歴史学コース
考古学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
考古学講義 XI
Archaeology (Lecture XI)
講義題目  社会考古学概論
比較社会文化研究院教授 溝口 孝司
科目ナンバリングコード: LET-HUM3419J
講義コード: 16051302
2016 前期
毎週 月曜4限
箱崎 104 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2016/4/7 (13:25)
授業の概要 考古学の基本的な定義は「人間の行動とその環境の物質的痕跡を用いて人類過去を研究する」というものであるが、人間が本源的に社会的存在である、という事実を考慮するならば、考古学的研究は、すべてなんらかの形で過去の人類社会、ならびに過去の人類の社会性についての研究ということになる。また、そのような研究をおこなう私たち自身が社会的存在であることを考慮すれば、そのような研究に私たちの社会性が影響を及ぼすことも当然のことといえる。本講義においては、これら考古学をめぐる二つの「与件」を自覚的に研究枠組みにとりくむ考古学的実践を<社会考古学>と定義し、その理論・方法・射程のそれぞれにつき考察する。

(The scientific discipline of Archaeology is commonly defined thus: the study of human past through the investigation of the traces of human thoughts and deeds and the environments in which they took place. Considering that human being is a social being, all possible archaeological approaches are to study human society and human sociality. This course defines an archaeology that consciously incorporates that recognition to its theoretical and methodological frameworking as 'Social Archaeology, and attempts to construct a theoretical and methodological framework suitable for the purpose of explaining and understanding the generation, maintenance and transformation of past societies and sociality.)
キーワード : 社会考古学、コミュニケーション、システム、変化、社会進化
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : 基幹教育ディシプリン科目「先史学」を履修程度の基礎知識を持っていることが望ましい
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-a [人文学の視座の理解]
考古学という学問大系を社会考古学というアプローチから学ぶことにより、人間社会の通時・共時的説明・理解ための理論と方法を習得する
社会考古学的枠組みを通じて人間社会の理解の方法につきオリジナルな見解をもつことができる 社会考古学的枠組みを通じて人源社会の理解のさまざまな方法につきコメントすることができる 社会考古学的枠組みにつき、説明することができる
B_A-d [資料の理解]
考古学的資料の性格を、人間行為とそれをとりまく環境の痕跡として定位し、その分析法を学ぶことにより、人間社会の通時・共時的説明・理解のための理論と方法を習得する。
社会考古学的理論を通じて、人間社会を理解するための資料についてのオリジナルな見解をもつことができる 社会考古学的理論を通じて、人間社会を理解するための資料の性格について説明することができる 社会考古学的枠組みにおいて、どのような資料が重要となるのか説明することができる
B_B1-d [専門的研究手法]
考古学のサブ分野である社会考古学の理論と方法がいかに有機的に接合され、特定の分析法の採用を必然とするかを学ぶことにより、人間社会の通時・共時的説明・理解のための理論と方法を習得する。
社会考古学的理論がどのような方法を必要とするのかにつきオリジナルな見解をもつことができる 社会考古学的理論と既存の考古学的研究法との関わりについて説明することができる 社会考古学的理論と方法について解説することができる
B_B1-e [専門資料の分析]
考古学的資料の性格を、人間行為とそれをとりまく環境の痕跡として定位し、その分析法を学ぶことにより、人間社会の通時・共時的説明・理解のための理論と方法を習得する。
社会考古学的理論を通じて、人間社会を理解するための資料についてのオリジナルな見解をもつことができる 社会考古学的理論を通じて、人間社会を理解するための資料の性格について説明することができる 社会考古学的枠組みにおいて、どのような資料が重要となるのか説明することができる
B_B2-f [社会との関わり]
考古学を通じて過去の社会と現代・未来の社会にどのように関与することが可能か、につき考察し、その望ましい形を構想する。
社会考古学的枠組みを通じてよりよい人間社会の実現に寄与するためのオリジナルな見解をもつことができる 社会考古学的枠組みを通じて既存の社会組織原理の諸モデルにつき説明することができる 社会考古学的枠組みは社会と考古学の関わりをどのようにとらえるか説明することができる
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 適宜紹介の予定
参考書 :
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 はじめに
すべての考古学は社会考古学である
講義
2 基礎論1
社会とはなにか?社会現象とはなにか?
講義
3 基礎論2
コミュニケーションとはなにか?組織とはなにか?社会とはなにか?
講義
4 基礎論3
コミュニケーションはどのように維持され変容するか?
講義
5 基礎論4
社会はどのように変容・進化するか?
講義
6 応用論1
コミュニケーションの維持と物質文化
講義
7 応用論2
コミュニケーションの変容と物質文化(1)
講義
8 応用論3
コミュニケーションの変容と物質文化(2)
講義
9 応用論4
社会の進化(1)
講義
10 応用論5
社会の進化(2)
講義
11 ケース・スタディ1
物質文化の超長期変容
講義
12 ケース・スタディ2
宗教コミュニケーションと社会の共進化的変容
講義
13 ケース・スタディ3
考古学コミュニケーション・システムの進化的変容
講義
14 総括
考古学は社会のなかの社会として社会に作用する
講義
15 Q&A ディスカッション

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-a
[人文学の視座の理解]
B_A-d
[資料の理解]
B_B1-d
[専門的研究手法]
B_B1-e
[専門資料の分析]
B_B2-f
[社会との関わり]
備考(欠格条件、割合等)
期末試験

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 担当教員研究室が伊都地区なので、講義の終了後に質問・学習相談に応ずる。個別の相談は、アポイントメントの上、伊都地区センターゾーン比文言文棟505号室(溝口研究室)にておこなう。

授業以外での学習に当たって : 複雑な内容を毎回とりあつかうため、ノートの詳細な復習が各回講義をフルに理解するための前提となる。レジュメは基本的に配布せず、主にパワーポイントを使用しての講義展開となるので、各自工夫してノートを作成してほしい。ノート作成の過程自体が講義内容理解のための最も重要な機会であることはいうまでもない。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)