文学部 人文学科 文学コース
独文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
ドイツ文学講義 XIII
German Literature (Lecture XIII)
講義題目  「内的亡命」における「もう一つのドイツ」の探求
京都大学大学院人間・環境学研究科教授 大川 勇
科目ナンバリングコード: LET-HUM4632J
講義コード: 16057011
2016 後期
集中
箱崎 独文演 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2016/3/13 (22:10)
授業の概要 ナチの時代、トーマス・マンをはじめとする多くの作家、知識人が亡命を余儀なくされたが、それとは別に、ドイツ国内に留まってナチズムに抵抗する「内的亡命」(Innere Emigration)を選んだ作家もいた。「精神的亡命者」とも呼ばれた彼らは、しかし戦後、その精神性のあり方を厳しく批判されることになる。その批判は果たして妥当だったのか――反ナチ抵抗運動において「クライザウ・クライス」や「白バラ」が求めた「もう一つのドイツ」を念頭に置きつつ、「精神的亡命者」の求めた「もう一つのドイツ」のあり方を検証する。

(In the age of the Nazi regime, a lot of writers and intellectuals such as Thomas Mann had to flee from Germany, but some writers stayed to resist Nazism.They chose "Innere Emigration". After the war, such writers, called "Spiritual Exiles", were criticized for their spirituality. Was the criticism right? We would like to think about the “Another Germany”, which " Spiritual Exiles" seeked, by keeping the “Another Germany”, which "Kreisau-Kreis" and "White Rose" seeked, in mind.)
キーワード : ナチズム、内的亡命、可能性感覚、人文主義
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : 辞書があればドイツ語が読める。
特記事項 12月最終週での開講を希望します。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-e [現代世界の理解]
現代世界における様々な人文現象や社会問題を、批判的視点から理解し説明できる。
現代世界における様々な人文現象や社会問題を、自身の卓越した視点から理解し説明できる。 現代世界における様々な人文現象や社会問題を、自身の優れた視点から理解し説明できる。 現代世界における様々な人文現象や社会問題を、自身の視点から理解し説明できる。 現代世界における様々な人文現象や社会問題を、学んだ視点から理解し説明できる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト :
参考書 : Franz Schonauer: Deutsche Literatur im Dritten Reich. Olten u. Freiburg im Breisgau 1961. (『第三帝国のドイツ文学――精神の亡命者たち』、福村出版、1972年)
Hans Rothfels: Die deutsche Opposition gegen Hitler. Frankfurt am Main u. Hamburg 1958.(『第三帝国への抵抗』、弘文堂、1963年)
對馬達雄『ヒトラーに抵抗した人びと――反ナチ市民の勇気とは何か』、中公新書、2015
大川 勇『可能性感覚――中欧におけるもうひとつの精神史』、松籟社、2003年
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 以下の事柄について講義し、議論する。
1 反ナチ抵抗運動における「もう一つのドイツ」
2 反ナチ抵抗運動におけるキリスト教精神と人文主義精神
3 「もう一つのドイツ」と「可能性感覚」
4 「内的亡命」をめぐって――それは「美と高貴さと永遠なるものへの逃避」だったのか
5 「内的亡命者」が求めた「もう一つのドイツ」

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-e
[現代世界の理解]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 考えたことを自由に発言してください。
レポート 自分の頭でしっかり考えたレポートを書いてください。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : レポート重視。それに議論への参加度を加味して、総合的に評価します。
学習相談 学習相談 : 適宜。

授業以外での学習に当たって : 前日に指示した文献を読んでおく。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)