文学部 人文学科 人間科学コース
心理学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等:
カウンセリング論講義III
Counseling III
講義題目  精神病理学
教育学部・教授 黒木 俊秀
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2016 前期
毎週 火曜5限
箱崎 102 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2016/4/8 (23:15)
授業の概要 精神病理学psychopathologyは、歴史的にはいくつかの起源を有し、精神医学、あるいは臨床心理学の主要な領域を占めてきた。一つは、精神疾患の症候を観察し、忠実に記述する立場であり、伝統的なドイツ精神医学がこれに相当する。今日では、症状評価尺度にもとづく計量的な心理統計学psychometricsが優位になりつつある。いま一つは、精神疾患、ないし異常心理の内面を分析する立場であり、精神分析学や人間学的精神病理学がこれに相当する。さらに、現象学哲学と結び付いた精神医学の哲学philosophy of psychiatryを精神病理学と呼ぶこともある。本講義では、人間の心理現象の偏倚としての精神病理に焦点を当て、人の心の異常と正常の境界や現代社会における心の病の諸相について思索するひとときを持ちたいと考える。

(The psychopathology has several historical origins and has occupied the major domain of psychiatry and clinical psychology as follows: (1) traditional German psychiatry that describes precisely symptoms of mental illness, (2) psychometric evaluation employing dimensional measures, (3) psychoanalysis and humanistic psychopathology that inspect inner side of abnormal psychopathology, and (4) philosophy of psychiatry that is linked with phenomenology or ethical/philosophical issues on the relationship between human and neuroscience. This lecture aims to focus on multiple aspects of the deviation of human psychology as well as the boundary between normality and abnormality of human mind in the current context of the modern age.)
キーワード : psychopathology, abnormal psychology, psychiatry, mental illness, DSM
履修条件 : 基幹教育科目のうち、「心理学入門」を履修していることが望ましい。
履修に必要な知識・能力 : 「心理学入門」を履修可能な水準にあることを求める。医学的解説も多いので、高校で履修する程度の生物学に関する知識も有することが望ましい。
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :  認定心理士
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を正確に説明できる。
精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を正確に説明できる 精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を説明できる 精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題の基本的な事柄について説明できる 精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題の基本的な用語の名称を知らない
B_B1-d [専門的研究手法]
精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を学ぶための具体的な方法論を自分なりのやり方で明確に提案することができる。
精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を学ぶための具体的な方法論を自分なりのやり方で明確に提案することができる 精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を学ぶための方法論について自分で調べることができる 精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を学ぶための方法論について理解できる 精神病理学と異常心理学の扱う領域と課題を学ぶための方法論について理解できない
汎用的技能
自分の意見の表明を,その根拠とともに良く構造化された論理的な文章として構成することができる。
自分の意見の表明を,その根拠とともに良く構造化された論理的な文章として構成することができる 自分の意見の表明のために必要な情報を,構造化された論理的な文章として構成することができる 自分の意見の表明のために必要な情報を,ひとまとまりの論理的な文章として構成することができる 自分の意見の表明のために必要な情報を文章化できない
態度・志向性
指示されない時であっても,自発的な学修を十分に行うことができる。
指示されない時であっても,自発的な学修を十分に行うことができる 指示された事柄以上の学修を自発的に行なうことができる 指示された学修を十分に行なうことができる 指示された学修を行わない
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 特になし。
参考書 : TEXT精神医学改訂第4版(南山堂)、発達障害の疑問に答える(慶應義塾大学出版会)
授業資料 : 毎回、資料配布する予定

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 精神病理学総論
2 精神の異常の分類
3 精神の異常の症候
4 精神の異常の生物学的基礎
5 各論1:睡眠障害
6 各論2:摂食障害
7 各論3:双極性障害と抑うつ障害
8 各論4:不安障症
9 各論5:神経発達症
10 各論6:統合失調症と精神病性障害
11 治療論:薬物療法
12 治療論:心理療法
13 現代社会と精神病理
14 精神病理とメンタルヘルス
15 精神病理と表現・芸術

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_B1-d
[専門的研究手法]

汎用的技能

態度・志向性
備考(欠格条件、割合等)
レポート
プレゼンテーション
授業への貢献度
出席

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 授業の出席 + 指示された参考資料を精読し、課題に対してレポート形式にて回答し、評価を受ける。
学習相談 学習相談 : 希望者には適宜応じます(メールにて要予約:toshik<@>hes.kyushu-u.ac.jp)

授業以外での学習に当たって : 今日、マスメディアを介しても精神病理学的現象は様々に報じられている。常に触覚を鋭くし、日常生活における精神病理学的現象にも注意を払うことを勧める。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)