文学部 人文学科 人間科学コース
比較宗教学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
文化人類学講義 I
Cultural Anthropology (Lecture I)
講義題目  デザインエスノグラフィ:産業へのエスノグラフィの応用と実践的理解
千葉工業大学 先進工学部 教授 安藤 昌也
科目ナンバリングコード: LET-HUM2831J
講義コード: 16055912
2016 前期
集中
箱崎 共同演習室 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2016/3/31 (01:14)
授業の概要  近年、産業分野において文化人類学の専門教育を受けた人材が、商品開発などのためのリサーチの担い手として活躍する事例が増えつつある。こうした事例では、製品の利用者や利用者を取り巻くステークホルダーの社会を対象にした、エスノグラフィ(フィールドワーク)を実践し、そこでの人々の振る舞いや理解の構造から、新しい製品のアイデアや改善のヒントを得ることが行われている。本講義では、このような産業分野で行われている応用エスノグラフィについて、産業分野の必要性を述べるとともに、実際に行われている方法やアプローチについて解説する。特に、集中講義の特徴を生かし、実際に短時間で行うフィールドワークを実施し、そこからどのような理解を得られるか、ワークショップを行い、理解を深める予定である。

(The purpose of this class is to understand the applied ethnography which are mainly applied to product development in industry. This class will conduct workshop to understand the approach of application ethnography.)
キーワード : 応用エスノグラフィ、デザインリサーチ、人間中心デザイン、エクスペリエンスデザイン
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 本講義は、8月9日(火)〜8月12日(金)の4日間で実施する予定である。夏休みの最中だが、だからこそ楽しく、実践的な講義にする予定である。奮って履修していただきたい。

また、カメラを用いたワークショップにする予定である。詳細は1日目のガイダンスの中で伝達する。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(公民)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
本講義では、文化人類学の知識や理解を産業分野で応用するアプローチについて理解を深める。
自ら与えられたテーマにおいて、応用エスノグラフィの考え方を適用した、フィールドワークのアプローチを計画できる。 事例としてあげられた応用エスノグラフィのアプローチとその方法について、それぞれの目的を正しく説明できる。 事例としてあげられた応用エスノグラフィの要点を3点以上あげることができ、具体的にその必要性を説明できる。 事例としてあげられた応用エスノグラフィの要点を3点以上あげられない。
B_B2-b [問題提起力]
現実の問題をつぶさに捉えることを通して、問題の構造を理解し、他者にわかる形で提示できる能力を身につける。
フィールドワークで得られた結果から、問題の構造を明確に示すことができ、自身の解釈を論理的に述べることができる。 フィールドワークで得られた結果から、問題の構造を明確に示すことができる。 フィールドワークで得られた結果を整理し、事実から問題点の幾つかを説明することができる。 フィールドワークで得られた事実を述べるにとどまっている。
B_B2-f [社会との関わり]
文化人類学や社会学の学びを、直接的に社会に活かす方法としての応用エスノグラフィの実際に触れ、自らの専門性を高めるきっかけとする。
文化人類学や社会学の専門的知識が、社会のどのような要請に応えることができるスキルであると考えられるかを、自身の言葉で説明できる。 文化人類学や社会学の専門的知識が、社会のどのような要請に応えることができるスキルであるかと考えられるを、一部でも説明できる。 文化人類学や社会学の専門知識が、社会と関わっていることを説明できる。 文化人類学や社会学との接点を、応用亭な視点で説明できない。
B_C-c [発想力]
人々や社会の理解にとどまらず、得られた結果から、問題解決のアイデアを提案する発想力を養う。
フィールドワークで得られた結果に基づく洞察から、本質的な解決をもたらすようなアイデアを具体的に発想できる。 フィールドワークで得られた結果から、事実としてあげられた問題点を直接解決するようなアイデアを発想できる。 フィールドワークで得られた結果をもとに、解決アイデアを発想できる。 フィールドワークで得られた結果とは関係のないアイデア、もしくはアイデアを思いつくことができない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 講義内で資料を配布する
参考書 : 安藤昌也『UXデザインの教科書』丸善出版, 2016(6月末発刊予定)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 【1日目3限:オリエンテーション】
本科目の目標と進め方、テーマの概要紹介、講師の自己紹介。
身近なものとの関わりについて、振り返る議論を行う。
2 【1日目4限:応用エスノグラフィとは】
産業分野で活用される応用エスノグラフィの事例を紹介し、どのような特徴あるいは、その効果と課題について議論する。
3 【1日目5限:エスノグラフィック・デザインアプローチの考え方とプロセス】
応用エスノグラフィの中でも、情報サービス系の製品開発でのアプローチについて紹介し、具体的な方法論の理解を深める。
相互でインタビューを実施するために、フォトエッセイを事前に作成する。
4 【2日目2限:デザインリサーチにおける調査計画の考え方】
応用エスノグラフィは、調査計画の立案が大きなカギを握る。短期間にエスノグラフィで効果を上げるための工夫について解説する。また、実際に演習を行うための計画を立案する。
5 【2日目3限:インタビューの方法論】
短時間により深い理解につながるインタビューの方法について紹介し、そのうち幾つかを実践してみる。
6 【2日目4限:インタビューの実践】
調査計画に基づいて、インタビューを実施する。通常のインタビューと、様々な工夫されたインタビューとではどのように得られる情報が異なるか、どんな効果があるかについて実践的に理解する。
演習
7 【2日目5限:フィールドワークの実践1】
翌日の午前中は、フィールドワークを行う。そのための計画を立案する。なお、グループワークとする。
グループワーク
8 【3日目1限:フィールドワークの実践2】
午前中は、調査計画に基づいて実際に街に出てフィールドワークを行う。
フィールドワーク フィールドワークを実践する。
9 【3日目2限:フィールドワークの実践3】
午前中は、調査計画に基づいて実際に街に出てフィールドワークを行う。
フィールドワーク
10 【3日目3限:フィールドで得られたデータの分析1】
午前中にフィールドワークを行った結果および前日のインタビュー結果を分析する。KA法と呼ばれる体験価値分析法を実践する。
11 【3日目4限:フィールドで得られたデータの分析2】
KA法による分析の実施。分析
演習
12 【3日目5限:フィールドで得られたデータの分析3】
KA法による分析の実施。価値マップの作成
演習 価値マップから読み取れる、解釈できることを検討する。
13 【4日目:2限 分析結果に基づく発想1】
価値マップからわかることを解釈する。同時に、アイデア発想の方法についても解説する。
14 【4日目:3限 分析結果に基づく発想2】
実際にKA法による価値マップの解釈から、問題点を見つけそこへの解決策のアイデアを発想する。
演習
15 【4日目:4限 発表およびレポート】
この3日間の成果として、調査計画・フィールドワーク・価値マップ・アイデア発想をまとめて発表する。

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_B2-b
[問題提起力]
B_B2-f
[社会との関わり]
B_C-c
[発想力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
プレゼンテーション
作品

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : グループでのワークショップの成果のプレゼンテーションおよびレポートによって成績を評価する。なお作品は、ワークショップの成果の一部を提出することを想定している。
学習相談 学習相談 : 疑問点などがあれば、masaya.ando@it-chiba.ac.jpまでメールすること。

授業以外での学習に当たって : デザインエスノグラフィは、身近なものと人々との関わりや営みを対象としたものであり、普段の日常にが対象である。つまり、授業外でも、観察やインタビューを行うことが十分できるテーマである。その意味では、自主的にエスノグラフィを実践するなどによって、理解を深めることは良い。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)