人文科学府 言語・文学専攻 言語学 分野
言語学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
理論言語学特論 I
Theoretical Linguistics (Specialized Lecture I)
講義題目  統語論と記述的一般化
教授 上山 あゆみ
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2016 前期
毎週 木曜2限
箱崎 303 教室
M/J科目 (日本語, 中国語)
更新情報 : 2016/4/28 (13:51)
授業の概要 理論言語学では、理論の構築が最終的な目標となるが、そのために最も重要なのは、説明対象をどのように特定するかということである。言語理論の説明対象となるのは、記述的一般化(descriptive generalization)と呼ばれる命題とその内容を体現する例文群(パラダイム)であるが、当然ながら、命題と例文群ならば何でもいいわけではなく、どこに注目して、何を気をつけて例文を作らなければならないかというところが、言語学の基本的な技能のあらわれということになる。この授業では、基本文献における記述的一般化とパラダイムを紹介し、それを批判的に吟味した上で、自分たちで記述的一般化とパラダイムを整備できるようになることを目標とする。

(The object of explanation for the theoretical linguistics is the pair of a descriptive generalization and a couple of examples which represent it (which is often called as paradigm). In this course, we critically examine the well-accepted descriptive generalizations and their representative paradigms so that the students understand how they should be constructed.)
キーワード : 記述的一般化 説明対象 例文の作り方
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(国語)(英語)(ドイツ語)(中国語)(フランス語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
ML_A-a [言語データの分析]
文学を対象とする領域では、過去に蓄積された重要な文献、とりわけ古典を厳密かつ精確に読解し、先行研究を踏まえつつその内実を深く掘り下げて説明できる。
自分の主張を裏付ける独自の例文パラダイムを構成することができる。 自分の主張に沿って例文パラダイムを構成することができる。 ポイントを指示されれば、自分で例文を作ってパラダイムを構成していくことができる。 例文の判断に取り組むことができる。
ML_A-c [研究史と方法論の体系的理解]
国語学・国文学、中国文学、英語学・英文学、独文学、仏文学、言語学ないしはこれらの領域を横断する研究のうち一つを対象として、当該分野における研究史と方法論を体系的に説明できる。
自分の主張をこれまでの研究の流れの中に適切に位置づけ、どのような意義があるかを説得力を持って述べることができる。 自分の主張をこれまでの研究の流れの中に適切に位置づけ、どのような意義があるかを把握することができる。 自分の主張をこれまでの研究の流れの中に適切に位置づけることができる。 これまでの研究の流れと自分の主張との関係について考察中である。
ML_B2-b [理論的思考力]
人文学の実証的な方法と理論的な思考力を身につける。
自分の主張がどのような問題に答えることになるのか、様々な角度からとらえなおしながら議論を構築することができる。 自分の主張がどのような問題に答えることになるのか、議論を構築することができる。 自分の主張がどの問題に答え、どの問題に答えていないかを判別することができる。 従来の研究でどのような問題が取り上げられてきたかを把握する。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : なし
参考書 : その都度、紹介する
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 目標の説明
2 wide scope interpretation
主に関わる論文Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington.
3 wide scope interpretation
主に関わる論文Hayashishita, J.-R. (2013) "On the Nature of Inverse Scope Readings," Gengo Kenkyu (The Journal of the Linguistic Society of Japan) 143, pp.29-68.
4 weak crossover
主に関わる論文Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington.
5 reconstruction effects
主に関わる論文Hoji, Hajime (1985) Logical Form Constraints and Configurational Structures in Japanese, Doctoral dissertation, University of Washington.
6 weak crossover and reconstruction effects
主に関わる論文Hoji, Hajime, Satoshi Kinsui, Yukinori Takubo, & Ayumi Ueyama (1999) "Demonstratives, Bound Variables, and Reconstruction Effects," Proceedings of the Nanzan GLOW, The Second GLOW Meeting in Asia, September 19-22, 1999, pp.141-158.
7 weak crossover and reconstruction effects
主に関わる論文Ueyama, Ayumi (1998) Two Types of Dependency, Doctoral dissertation, University of Southern California, distributed by GSIL publications, University of Southern California, Los Angeles.
8 "crossover" effects
主に関わる論文Saito, Mamoru (1985) Some Asymmetries in Japanese and Their Theoretical Implications, Doctoral dissertation, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge.
9 otagai
主に関わる論文Saito, Mamoru (1992) "Long Distance Scrambling in Japanese," Journal of East Asian Linguistics, 1-1, pp.69-118.
10 otagai
主に関わる論文Hoji, Hajime (2003) "Falsifiability and Repeatability in Generative Grammar: A Case Study of Anaphora and Scope Dependency in Japanese," Lingua, vol.113, No.4-6, pp.377-446.

成績評価
観点→
成績評価方法
ML_A-a
[言語データの分析]
ML_A-c
[研究史と方法論の体系的理解]
ML_B2-b
[理論的思考力]
備考(欠格条件、割合等)
小テスト
授業への貢献度

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)