文学部 人文学科 歴史学コース 西洋史学 専門分野 専門分野科目 (単位数 2) 選択必修科目 対象学年: 対象学部等: |
European History (Seminar VIII)
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科目ナンバリングコード: LET-HUM2445J 講義コード: 2018 後期 毎週 火曜3限 伊都イーストゾーン 演習室 教室 E/J科目 (日本語, English) |
授業の概要 |
今回は、19世紀後半イギリスでミドルクラスの女性たち職業教育のために設立された女性雇用促進協会(SPEW, the Society for Promoting Employment for Women, 1859~, 1926年にthe Society for Promoting the Training of Women (SPTW), 2014年にFutures for Women (FfW)と名称変更)を皮切りに、1850年代から1870年代にヨーロッパ諸国で数多く設立された同様の目的をもつ団体の組織構成や、運営形態などを明らかにした下記の論文を講読する。James C. Albisetti, 'Philanthropy for the middle class: vocational education for girls and young women in mid-Victorian Europe', History of Education, vol.41, No.3, 2012, pp.287-301. 19世紀後半のイギリスにおいて男女比の不均衡や不況により、「家庭の天使」として働くべきではないとされていたミドルクラスの女性に働く必要が迫られていた。しかし彼女たちが受けていた教育は結婚や家庭の中でのたしなみに留まり、自活のものではなかったため、その多くは困窮していたとされる。SPEWは、このような状況下で、彼女たちに職業訓練を施し、その自活を促そうという目的で設立された。それは、女性参政権運動、フェミニズム運動の組織的基盤となった雑誌『イングリッシュ・ウーマンズ・ジャーナル(English Woman’s Journal,1858~1864)』と、その発展として形成されたランガム・プレイス・サークルにより、設立されたという。 ミドルクラスの女性としてのリスペクタビリティを保持しつつ、有給の仕事に就くという矛盾を回避しうる唯一の職業として、女家庭教師(ガヴァネス)があったが、既に供給過剰になっていた。また、ガヴァネス職であっても、有給であるという時点でクラスの境界を逸脱していることは確かであり、家族の一員ではなく使用人として位置づけられ、また経済的に困窮状態であったとされている。SPEWは、そのようななかで設置されたのである。 クラス(階級)とジェンダーのこの複雑な関係は、産業化のなかで家族の近代化と、それを特徴づける性別領域分離主義によって生じたともいえる。女性の社会進出、という一つのファクターでは説明できない現象なのである。 今回講読する論文は、その問題を解決するための協会の、ヨーロッパ各地への普及とその関係性、トランスナショナルな特徴に着目していることも興味深い。まずは丁寧に読み進め、以上の点も踏まえたうえで、議論を重ねてみたい。 (Through an in-depth study of a selected topic in English Gender history, students will acquire and develop the practical specialist knowledge and skills needed for research in this subject.) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キーワード : イギリス史、女性、教育 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
教職 : 教職(社会)(地理歴史) 資格 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : James C. Albisetti, 'Philanthropy for the middle class: vocational education for girls and young women in mid-Victorian Europe', History of Education, vol.41, No.3, 2012, pp.287-301 参考書 : 授業資料 : 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : 授業以外での学習に当たって : 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |