人文科学府 人文基礎専攻 東洋思想 分野
インド哲学史 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
初期インド仏教史研究 I
History of Buddhism in ancient India (Seminar I)
講義題目  馬鳴の『六趣輪廻経』を読む
教授 岡野 潔
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2018 前期
毎週 金曜2限
伊都イーストゾーン 印哲研 教室
M/J科目 (日本語, サンスクリット)
更新情報 : 2018/3/11 (18:30)
授業の概要  馬鳴(もしくはDhArmikasubhUti)が造った作品『六趣輪廻経』(SaDgatikArikA, 『六趣の偈頌』)は、Sylvain Levi がネパールで梵文写本を発見し、Paul Mus がパーリ文や漢訳や蔵訳との本格的な比較研究を行った。
 『六趣輪廻経』というテクストは、梵・蔵・漢・巴の4言語でテクストが伝わっている点で珍しく、内容も興味深い。漢訳は2種類ある。
 生き物はいかなる業によって六道(六趣)の諸世界に生まれ変わるのか。天界から地獄界までの様々な生き物の種類は、いかなる業により生み出されているのか。現世でいかなる行為をすると、来世に再び人間に生まれた時にいかなる状態になるのか。作者はアヌシュトゥブ韻律の105偈頌により、輪廻世界における業報の規則を纏めている。
 このテクストにより、小乗仏教の業報の理論を明確に知ると同時に、仏教文献学の方法論を知り、また諸言語による翻訳の比較の面白さを発見することに、本授業の目的がある。

(The aim of this course is to help students to understand the ancient Indian culture and to master Sanskrit language through the acquisition of necessary skills and knowledge.)
キーワード :
履修条件 : サンスクリット語初級を終えていること
履修に必要な知識・能力 : サンスクリット語初級の知識
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
MP_B1-a [一次資料の読解]
哲学および芸術学の領域に関する文献や一次資料を厳密に読解する能力を身につける。
一次資料を読むための外国語の運用能力を十分に獲得している。 一次資料を読むための外国語の運用能力を不完全ながら獲得している。 一次資料を読むための外国語の運用能力の獲得のために努力している。 一次資料を読むための外国語の運用能力の獲得の仕方を知っている。
MP_A-c [研究史と方法論の体系的理解]
インド哲学史について、当該分野における研究史と方法論を体系的に説明できる。
専門分野に固有の研究手法を十分正しく身に付けている。 専門分野に固有の研究手法をほぼ身に付けている。 専門分野に固有の研究手法を身に付けるために努力している。 専門分野に固有の研究手法を身に付けることの重要さに気づきつつあるが、まだ勉強が十分ではない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 授業でテクストを配付する。
参考書 : Paul Mus, La lumière sur les six voies, Paris 1939.
パーリ本、PaJcagati-dIpanaM, JPTS, 1884, pp, 152-161.
パーリ本の英訳、Ann Appleby Hazlewood, JPTS, 1987, pp. 131-159.
授業資料 : 初回の授業にテクスト等のPDFを配付する。初回にUSBメモリをもってきてほしい。2回目以降に出席者が固まってから、テクストをコピーでも配付する。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 作品と教材の説明
2 テクストを訳読する
3 テクストを訳読する
4 テクストを訳読する
5 テクストを訳読する
6 テクストを訳読する
7 読み終えた節の総括

成績評価
観点→
成績評価方法
MP_B1-a
[一次資料の読解]
MP_A-c
[研究史と方法論の体系的理解]
備考(欠格条件、割合等)
出席 60%
授業への貢献度 40%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 4回休むと、単位を得られなくなります。
学習相談 学習相談 : 授業終了後など。

授業以外での学習に当たって : 毎週3時間以上の予習は必要である。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)