人文科学府 人文基礎専攻 芸術学 分野
芸術学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
西洋美術史(1)特論 XI
History of Western Art (1)(Specialized Lecture IX)
講義題目  銅板油彩画の誕生と流行―南北ヨーロッパ美術の交流の観点から
京都大学大学院文学研究科 教授 平川 佳世
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2018 後期
集中
伊都イーストゾーン 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2018/2/28 (19:51)
授業の概要 16世紀後半から17世紀にかけてのヨーロッパでは、様々な素材が絵画の支持体として用いられるようになった。銅、錫、スレート、大理石、ラピスラズリ、絹などによって、芸術作品は新奇な趣を与えられていったのである。本講義は、こうした特殊絵画のなかでも最も流行した銅板油彩画を取り上げる。いつ、どこで、何のために、銅板油彩画は開発されたのか。中心となった人物は誰だったのか。また、どのような文脈を経て流行するに至ったのであろうか。本講義では、様々な視点から銅板油彩画について考察し、総合的な知見を得ることをめざす。

(From the late sixteenth century to the early seventeenth century in Europe, various materials came to be used as the painting-supports. Copper, tin, slate, marble, lapis lazuli, silk and other added a rare and curious appearance to artworks. The lecture focuses on copperplate oil paintings which were the most widespread among the paintings on special supports. When, where, and why was the oil painting on copperplate invented? Who was the key artist? In which context did it become popular? The lecture examines the copperplate oil painting from various viewpoints and aims to gain comprehensive knowledge on it. )
キーワード : 油彩技法、支持体、物質性、パラゴーネ、外国人画家、対抗宗教改革
履修条件 : 特になし
履修に必要な知識・能力 : 特になし
特記事項 12月3日〜7日を予定しています。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
MP_A-b [芸術作品の理解]
専門分野で必要な史資料や文献を収集、分析して、その内容を自分の言葉で精確に表現できる。
特殊素材に描かれた絵画について、素材が芸術作品の与える効果等を極めて適確に観取し、言語化することができる。 特殊素材に描かれた絵画について、素材が芸術作品の与える効果等を適確に観取し、言語化することができる。 特殊素材に描かれた絵画について、素材が芸術作品の与える効果等をある程度観取し、言語化することができる。 特殊素材に描かれた絵画について、素材が芸術作品の与える効果等を多少なりとも観取し、言語化することができる。
MP_B2-b [理論的思考力]
専門分野に固有の問題設定や研究手法を正しく身に付けることができる。
特殊素材に描かれた絵画について、その制作や受容の文脈を、同時代資料等の分析を通じて、極めて適確に論じることができる。 特殊素材に描かれた絵画について、その制作や受容の文脈を、同時代資料等の分析を通じて、適確に論じることができる。 特殊素材に描かれた絵画について、その制作や受容の文脈を、同時代資料等の分析を通じて、ある程度論じることができる。 特殊素材に描かれた絵画について、その制作や受容の文脈を、同時代資料等の分析を通じて、多少なりとも論じることができる。
MP_B2-a [総合把握力]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得する。
特殊素材に描かれた絵画について、多角的な視点から極めて適確に考察することができる。 特殊素材に描かれた絵画について、多角的な視点から適確に考察することができる。 特殊素材に描かれた絵画について、多角的な視点からある程度考察することができる。 特殊素材に描かれた絵画について、多角的な視点から多少なりとも考察することができる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : なし
参考書 : 授業中に適宜、指示する。
授業資料 : 授業中に適宜、指示する。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 芸術作品と物質性 授業内容を理解した上で、芸術作品と物質性について考察するに適した任意の芸術作品を選定する。
2 銅板油彩画前史(1)中世における金属板絵画の実践 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の手本となった先行事例について考察する。
3 銅板油彩画前史(2)フーケ、レオナルド、デューラー 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の手本となった先行事例について考察する。
4 銅板油彩画の発明(1)セバスティアーノ・デル・ピオンボの実験 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の制作の経緯について考察する。
5 銅板油彩画の発明(2)セバスティアーノ・デル・ピオンボの実験その2 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の制作の経緯について考察する。
6 銅板油彩画の発明(3)コレッジョの失われた絵画 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の制作の経緯について考察する。
7 銅板油彩画の流行(1)フランチェスコ・デ・メディチとフィレンツェの画家たち1 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の受容環境について考察する。
8 銅板油彩画の流行(2)フランチェスコ・デ・メディチとフィレンツェの画家たち2 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の受容環境について考察する。
9 銅板油彩画の流行(3)フランチェスコ・デ・メディチとフィレンツェの画家たち3 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品の受容環境について考察する。
10 銅板油彩画の流行(4)若き日のスプランゲルの戦略1 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品を制作するに際しての、画家の戦略について考察する。
11 銅板油彩画の流行(5)若き日のスプランゲルの戦略2 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品を制作するに際しての、画家の戦略について考察する。
12 銅板油彩画の流行(6)若き日のスプランゲルの戦略3 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品を制作するに際しての、画家の戦略について考察する。
13 銅板油彩画の多様な展開(1)エル・グレコと「荒い筆致」 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品が後の芸術家に与えた影響について考察する。
14 銅板油彩画の多様な展開(2)ヤン・ブリューゲルと風景画の洗練 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品が後の芸術家に与えた影響について考察する。
15 銅板油彩画の多様な展開(3)エルスハイマーと銅板油彩画の極致 授業内容を理解した上で、(1)で選定した作品が後の芸術家に与えた影響について考察する。

成績評価
観点→
成績評価方法
MP_A-b
[芸術作品の理解]
MP_B2-b
[理論的思考力]
MP_B2-a
[総合把握力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 80%ほど。
授業への貢献度 15%ほど。
出席 5%ほど。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 授業の前後、および、メールで適宜質問を受け付ける。

授業以外での学習に当たって : レポート作成に向けて、上記の個別課題について、それぞれ1時間程度の授業外学習を行うことが望ましい。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)