人文科学府 言語・文学専攻 日本・東洋文学 分野
国語学・国文学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
日本文学特論 II
Japanese Literature (Specialized Lecture II)
講義題目  平安文学史研究
京都女子大学文学部 教授 坂本 信道
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2018 後期
集中
伊都 教室
J科目 (日本語, 日本語)
授業の概要 平安時代の仮名文学作品ははたしてどれほど読めているのか。同じ日本語という言語を使用していると見落としがちな古典語が発しているメッセージを受け取ることで、新たな作品の読みが可能になるのではないか。研究の成果は重要であるが、むしろそこに至るまでの研究の過程を示すことで、学問を志す学生諸氏のひとつの手引きとなるような授業を目指している。

(This lecture course is designed to introduce students to the research method of the literature of Heian-era (the tale of Genji,the dairy of Tosa etc.).)
キーワード : 平安時代 物語文学 日記文学
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
授業計画 テキスト : なし。授業時にプリントを配布。
参考書 : 『土左日記』『うつほ物語』『源氏物語』『夜の寝覚』『和泉式部日記』『住吉物語』(小学館新編日本古典文学全集)
授業資料 :

進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 導入:古典はどこまで読めているのか
文法による解釈の限界(紅葉賀の藤壺の和歌)
特になし。
2 『源氏物語』古代の童名(若紫巻) 若紫の巻の光源氏が北山へ行く場面を、事前に目を通しておく。
3 『源氏物語』帚木巻の「指喰いの女」の解釈 帚木の巻の雨夜の品定めを読んでおく。
4 『源氏物語』はどのように読まれてきたか
『源氏物語』の俗解本の世界
本居宣長など国学者について文学史的に理解。
5 『うつほ物語』の結婚(皇女との結婚・物語の構想) 『うつほ物語』が文学史の本でどのように書かれているか。
6 物語の求婚譚について考える(『うつほ物語』『源氏物語』) 同上
7 『うつほ物語』の音楽と構想 同上
8 平安後期物語の世界
『夜の寝覚』の構想
『夜の寝覚』が文学史の本でどのように書かれているか。
9 『土佐日記』とはどういう作品なのか──『伊勢物語』との関係・『土佐日記』における中国文学の影響 『土左日記』『伊勢物語』について文学史上で理解する。
10 『土佐日記』における中国文学の影響 同上
11 藤原定家の古典籍書写 変体仮名について
12 日記と虚構──『和泉式部日記』 『和泉式部日記』について文学史的な知見を得ておく。
13 物語の改作──『住吉物語』 『住吉物語』について文学史的な知見を得ておく。
14 『住吉物語』の恋のかたちと『源氏物語』の恋のかたち 同上
15 平安文学を読み直すために(総括) 1〜14回の授業内容をあらためて概観する。

授業以外での学習に当たって : 基本的な文学史の知識、古典語の知識は必要。配布するプリントに記載している原文は、授業にも自分できちんと読み直すことが望ましい。また、取り上げる作品については、可能なかぎり目を通しておくことが望ましい。
学習相談 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
ML_B2-d [社会との関わり]
平安時代の文学を研究することが、はたしてこの現代社会でどのよう意義を持つのかを、文学研究の本質を理解できる。
人文学研究の意義を現代社会のなかで位置づけでき、自己の研究の意義を見いだすことができる。 古典研究の意味を、自分の言語で説明できる。 話の内容を追い内容を理解するという読みと、人文学として作品を研究することの違いがわかる。 読書と研究との差異がまだじゅうぶんに説明できない。
ML_A-c [研究史と方法論の体系的理解]
古典文学研究の方法として、具体的にはどのようなものがあるかを習得する。
自己の日常の学習、研究に手法を応用できる。 調査の方法を理解でき、整理し、発表できる。 どのような資料を見て研究・調査を進めればよいか、理解できる。 あることを調べるにあたって、どのような本を見れば良いか、どのような本があるか把握できていない。
ML_B1-a [資料体の構築]
現代日本語と古代日本語という、同一言語でありながらさまざまな変容を含む二つの言語の相違を理解し、そこから問題点を見いだす能力の涵養。
古代日本語の読み書きが現代語と同じように出来、論文のためのデータを蓄積できる。 自分なりにデータを集積し、分析・整理して発表につなげられる。 最低限の資料を調査は出来、データとして提出できる。 あきらかな調査の方法や範囲に誤りや不足が見られる。
ML_A-b [先行研究の読解]
活字化された古典原文と、原点資料とではどのような差異があるか。また、活字による古典研究の危うさはどのようなものであるか、理解できる。
原典資料の作品研究上での位置づけを理解できている。研究史の概要を把握した上で、正誤を論理的に理解し、批正できる。 研究史の概要を把握できている。 代表的な先行研究については理解し、一部は実際に読んでいる。 先行研究とは無関係に、自己の見解のみで作品にアプローチしようとしている。
ML_B2-b [理論的思考力]
一語一語を、書かれた時代のものとして、社会的・文化的文脈も含めた中で、正確に把握できる能力を体得する。
社会的・文化的文脈をも理解し、語句・表現に忠実に、本文を読むことができる。 該当する時代の基本的な歴史的事項や文化背景などを理解し、本文を読むことができる。 文学史などの基本的事項は理解したうえで、本文を読むことができる。 当該作品の知識が不十分で、社会的・時代的な事柄を理解できていないため、局所的にしか本文を読むことができない。
ML_B2-a [総合把握力]
日常生活の中で、研究はどうあるべきか。継続と緻密さの重要性を理解できる。
自己の研究のテーマにはどのようなデータや作業が必要かを理解し、継続的に調査を進めることができる。それをもとに自己の論を展開できる。 必要なデータはどの範囲から採取すればよいか理解し、正確なデータを集めることができる。収集したデータから問題点を抽出できる。 教員の指導があれば、必要なデータを採取することができる。そのデータを自分なりに整理しようとしている。 採取するデータに、収集先、精度ともにムラがあり、考察の根拠とするに至らない。データ分析と整理の方法が身についていない。
GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。
成績評価
観点→
成績評価方法
ML_B2-d
[社会との関わり]
ML_A-c
[研究史と方法論の体系的理解]
ML_B1-a
[資料体の構築]
ML_A-b
[先行研究の読解]
ML_B2-b
[理論的思考力]
ML_B2-a
[総合把握力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート レポート100%

成績評価基準に関わる補足事項 : レポートの文章は、平明かつ自分が正確に使える日本語で書くことに留意。
その他 その他 : 2018.10.30-11.02(4日間)

教職 : 教職(国語)
資格 :

更新日 : 2018/3/27 (13:50)