文学部 人文学科 歴史学コース
西洋史学 専門分野
専門分野科目 (単位数 1)
選択必修科目
対象学年:
対象学部等:
ヨーロッパ史学講義 IVB
European History (Lecture IV)B
講義題目  ドイツ近現代史における「街頭政治」
准教授 今井 宏昌
科目ナンバリングコード: LET-HUM2434J
講義コード:
2024 冬クォータ
毎週 木曜4限
伊都イーストゾーン A118 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2024/4/9 (23:41)
授業の概要  周知のように「政治」という営みは議会だけで完結するものではない。われわれは選挙が行われるたび、街頭(ストリート)で演説する候補者やビラを配るサポーターを目にする。また選挙に限らずとも、示威運動(デモ)や占拠運動(オキュパイ)などに象徴されるように、街頭という空間は社会運動の中心的な舞台である。
 本講義ではドイツ近現代史を軸に、このような「街頭政治(Straßenpolitik)」が自由主義、社会主義や労働運動、ナチズムや反ファシズムといった潮流とどのようにかかわりながら展開したのかを、主としてその担い手に注目し考察する。

(This course provides an in-depth examination of specific aspects of Modern and Contemporary European History. The course also touches on relevant topics in the "Straßenpolitik (Street Politics)" in Modern and Contemporary German History.)
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 この科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)開講科目に該当する。同プログラムについて、詳しくは以下のサイトを参照のこと。http://eu.kyushu-u.ac.jp/indexjp.html
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/view.php?id=58470
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(地理歴史)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-1 [人文学の広範な知識と理解]
人文学全般の多様な専門分野の基礎知識を身につけ、人文学固有の思考や方法を説明できる。
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。 人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質をある程度理解できる。 人文学の基礎知識を持つ。 人文学の基礎知識に不足する。
U_B-3b [歴史学コース固有の課題]
先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することにより、自らの視角から、ある特定の地域と時代の社会像を復原できる。
「街頭政治」研究との関連から、現代世界における様々な人文現象や社会問題を、批判的視点から理解し説明できる。 「街頭政治」研究との関連から、現代世界における様々な人文現象や社会問題をある程度理解し説明できる。 「街頭政治」研究と現代世界における様々な人文現象や社会問題との関連について理解できる。 「街頭政治」研究と現代世界における様々な人文現象や社会問題との関連についての理解に不足する
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : ローベルト・ゲルヴァルト(小原淳訳)『敗北者たち:第一次世界大戦はなぜ終わり損ねたのか 1917-1923』(みすず書房、2019年)
ローベルト・ゲルヴァルト(大久保里香[他]訳) 『史上最大の革命:1918年11月、ヴァイマル民主政の幕開け』(みすず書房、2020年)
アルノ・ヘルツィヒ(矢野久/矢野裕美訳)『パンなき民と『血の法廷』:ドイツの社会的抗議 1790-1870年』(同文舘出版、1993年)
デートレフ・ポイカート(伊藤富雄訳)『エーデルワイス海賊団:ナチスと闘った青少年労働者』(晃洋書房、2004年)
ヨアヒム・ラートカウ(海老根剛/森田直子訳)『ドイツ反原発運動小史:原子力産業・核エネルギー・公共性』(みすず書房、2012年)
井関正久『ドイツを変えた68年運動』(白水社、2005年)
井関正久『戦後ドイツの抗議運動:「成熟した市民社会」への模索』(岩波書店、2016年)
上杉重二郎『統一戦線と労働者政府:カップ叛乱の研究』(風間書房、1978年)
岡住正秀/中野博文/久木尚志編『たたかう民衆の世界:欧米における近代化と抗議行動』(彩流社、2005年)
川越修『ベルリン王都の近代:初期工業化・1848年革命』(ミネルヴァ書房、1988年)
木村靖二『兵士の革命:1918年ドイツ』(筑摩書房、2022年)
佐藤卓己『増補 大衆宣伝の神話:マルクスからヒトラーへのメディア史』(筑摩書房、2014年)
佐藤卓己『ファシスト的公共性:総力戦体制のメディア学』(岩波書店、2018年)
篠塚敏生『ドイツ革命の研究』(多賀出版、1984年)
竹中暉雄『エーデルヴァイス海賊団:ナチズム下の反抗少年グループ』(勁草書房、1998年)
田丸理砂『「女の子」という運動:ワイマール共和国末期のモダンガール』(春風社、2015年)
垂水節子『ドイツ・ラディカリズムの諸潮流:革命期の民衆 1916〜21年』(ミネルヴァ書房、2002年)
對馬達雄『ヒトラーに抵抗した人々:反ナチ市民の勇気とは何か』(中央公論新社、2015)
藤田幸一郎『都市と市民社会:近代ドイツ都市史』(青木書店、1988年)
原田昌博『政治的暴力の共和国:ワイマル時代における街頭・酒場とナチズム』(名古屋大学出版会、2021年)
星乃治彦『社会主義と民衆:初期社会主義の歴史的経験』(大月書店、1998年)
星乃治彦『ナチス前夜における「抵抗」の歴史』(ミネルヴァ書房、2007年)
増谷英樹『ビラの中の革命:ウィーン・1848年』(東京大学出版会、1987年)
的場昭弘/高草木光一編『一八四八年革命の射程』(御茶の水書房、1998年)
山下公子『ヒトラー暗殺計画と抵抗運動』(講談社、1997年)
山根徹也『パンと民衆:19世紀プロイセンにおけるモラル・エコノミー』(山川出版社、2003年)
その他、授業中に適宜紹介する。
参考書 :
授業資料 : 資料等はMoodleで配布する。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 はじめに:ヴァイマル共和国の崩壊とハンザ都市の統一戦線
2 第三帝国の建設と帝国水晶の夜
3 第三帝国の崩壊と「古参闘士」の最後の戦場
4 東ドイツにおける1953年6月17日事件
5 西ドイツにおける68年運動と学生叛乱
6 東ドイツにおける月曜デモとドイツ再統一
7 現代ドイツにおける極右の台頭と抗議デモ
8 おわりに

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-1
[人文学の広範な知識と理解]
U_B-3b
[歴史学コース固有の課題]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 80
毎回の質問・感想 20

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : Moodleを利用するため、ネットを利用できるPCの持参が必要となる。またMoodleによる質問・感想の提出は、授業終了後30分で締め切るため注意すること。

レポート作成にあたっては、使用した資料の著者名、文献名、出版社、出版年を必ず明記すること。Webサイト等を利用した場合は、そのURLと最終確認年月日を記載すること。

特に文献やWebから文章を引用する場合、カギ括弧でくくるなど、レポート本文と区別した上で、出典を必ず明示すること。引用した文章をそのまま本文として使用することは剽窃(ひょうせつ)と呼ばれる禁止行為であり、著作権法違反にも該当する。

また不正受験行為と認定されれば、当該行為が行われた期の科目履修を、実験、実習、実技科目を除き、原則としてすべて無効とする措置がとられる場合があるので、細心の注意を払うこと。
学習相談 学習相談 : オフィスアワーのほか、必要であれば個別に面談(その際、事前に連絡すること)。

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)