文学部 人文学科 文学コース
中国文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等: 文学部中国文学専攻学生に限る(他専攻の学生は3月中に事前相談のこと)
中国文学演習 III
Chinese Literature (Seminar III)
講義題目  『唐詩解』会読
教授 静永 健
科目ナンバリングコード: LET-HUM3543J
講義コード:
2024 前期
毎週 木曜2限
伊都イーストゾーン 中国文学研究室 教室
M/J科目 (日本語, 古典漢文)
更新情報 : 2024/3/4 (11:09)
授業の概要 中国の古代文学(唐以前の伝統的文学)の解読法を身につけるこの演習では、唐の詩人李白(701〜762)や王維(699〜759)、そして杜甫(712〜770)の詩歌などを読む。テキストは明代の盲目の文人唐汝詢によって編纂された『唐詩解』。この書物はこれまでの学界(日本・中国・そして欧米でも)においてはほとんど注目されていない注釈書であるが、近世中国において唐詩の読み方に変革を起こした極めて重要なテキストであると思われる。その「学界最先端」の研究に参加し、自分なりの唐詩の読み方を会得してもらいたい。
なお、この演習の更に重要なねらいは、唐詩の名作をテーマとして、担当者がその作品の魅力を発表(プレゼンテーション)し、出席した全員が、それにもとづいて討論(ディスカッション)を行うことにある。1300年前の古びた外国文学を、現代の私たちがどのように受け止め、どのような目線で会話を繋いでゆくのか。この語らいの愉悦こそが、この演習で獲得すべき醍醐味である。作品の前に上下関係は一切存在しない。2年生は臆すること無く、上級生は驕ること無く、作品に向き合って欲しい。

(•This seminar course introduces the most influential Chinese poem of Tang Dynasty.)
キーワード : 唐詩、李白、王維、杜甫、律詩と古体詩。
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : 初級中国語、漢文訓読法。
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(国語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_A-1 [主体的な学び]
深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することができる。
演習で討議する議論を自分から提起し、教員や他の参加者と自由に議論を楽しむことができる。 毎回の演習での議論に参加することができる。 毎回の演習で議論されている内容が理解できる。 毎回の演習についてゆけない。
U_B-1 [人文学の広範な知識と理解]
人文学全般の多様な専門分野の基礎知識を身につけ、人文学固有の思考や方法を説明できる。
漢文訓読だけでなく、中国語の知識も駆使して原文が理解できる。 漢文訓読の方法を通じて、原文の意味や文法構造が理解できる。 漢文訓読の方法が理解できる。 漢文訓読の方法がわからない。
U_B-3c [文学コース固有の課題]
「言葉」に対する自覚的かつ反省的な関わりを通じて、人間存在への理解を深め、それを説明できる。
古典漢文のさまざまな言葉が、私の人生を力強く支えてくれる。 句読点が付された古典漢文であれば、読み解くことができる。 辞書や訳本などを参照しつつ、
何とか古典漢文が理解できる。
古典漢文が理解できない。
U_C-1-1 [文献分析力]
それぞれの専門分野の基本文献を正確に解釈、分析することができる。
大学図書館のあらゆる書籍は、私の知的活力の源泉だ。 中国古典だけに限らず、さまざまな文学作品や芸術を見る楽しみが少しずつわかってきた。 中国古典の分析方法がどのようなものであるかをひととおり理解した。 文学はこれからの人生を生きる上で、趣味や娯楽の一つでしかない。
U_C-2-1 [知識・理解の深化と統合]
それぞれの専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法、研究手法を獲得し、知識を有機的に総合し、論文を作成することができる。
愛読書と言えるような自分の人生でかけがえのない中国の古典が見つかった。 私にとって興味深い中国古典の書籍が幾つか見つかった。 それぞれの専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法、研究手法を獲得し、知識を有機的に総合し、論文を作成することができる。 古代の、しかも異国の人たちの言葉は、現代の私たちとは無関係だ。
U_D [他者を尊重する公平な姿勢]
先行研究と自らの学説を批判的に討論し、自らの意見をより客観的視点から組み立て、他者の意見を尊重する、市民性のある公平な姿勢で論文を作成することができる。
卒業論文の課題と、その試みたい分析方法が見つかった。 卒業論文に取り上げてみたい作品が見つかったが、先行論文を自分なりに咀嚼することができない。 先行研究と自らの学説を批判的に討論し、自らの意見をより客観的視点から組み立て、他者の意見を尊重する、市民性のある公平な姿勢で論文を作成することができる。 卒業論文に取り上げたい文学作品が見つからない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 •特定の課題等に対する自身の意見や考えを取りまとめ,複数の学生の前で発表し,質疑応答をする形式の授業があります。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 中文演習室に常備。
参考書 : 適宜紹介する。
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 中文演習室に担当表を掲示します(4月)。
演習(以下同じ)
2 演習形式。教室が満員であるので、中文以外の専攻生の場合、3月中に静永と事前相談の上で履修登録をお願いします。

成績評価
観点→
成績評価方法
U_A-1
[主体的な学び]
U_B-1
[人文学の広範な知識と理解]
U_B-3c
[文学コース固有の課題]
U_C-1-1
[文献分析力]
U_C-2-1
[知識・理解の深化と統合]
U_D
[他者を尊重する公平な姿勢]
備考(欠格条件、割合等)
プレゼンテーション
授業への貢献度
出席

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 出席点の評価は、演習担当ではない日も重視する。同学の発表に無関心である者はこの演習を受けたとは言えない。
学習相談 学習相談 : メールを受け付けます。shizuka@lit.kyushu-u.ac.jp

授業以外での学習に当たって : 注釈に引用されている書物(唐詩人たちが読んだ古典)は研究室だけでなく、中央図書館にゆかなければならないこともしばしばです。図書館に足繁く通ってください。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)