文学部 人文学科 文学コース
独文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
ドイツ文学講義 XII
German Literature (Lecture XII)
講義題目  ドイツにおける「想起の文化」とポストコロニアル文学
本務なし 副島 美由紀
科目ナンバリングコード: LET-HUM4631J
講義コード:
2024 前期
集中
伊都イーストゾーン 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2024/3/11 (16:09)
授業の概要 1990年の東西ドイツ統一以降、ドイツでもポストコロニアリズム理論が消化されるようになり、かつてホロコーストの日陰にあって忘却されていた植民地支配の記憶が活性化されるようになった。同時にドイツ語によるポストコロニアル文学のジャンルも誕生する。この授業は、現代史の動きを背景にした文学の動向を把握しながら、ドイツ語圏のポストコロニアル小説を読んで理解することを目的としている。また、ドイツにおけるポストコロニアリズムと「想起の文化」との関連についても考察する。その際、「人種」、「空間」、「他者」、「世界文学」といった概念についても理解を深めるアプローチを試みたい。時間の節約のため、下の3つの概念、加えて日本語訳のある下の作品のうちのどれかを事前に検索して内容チェックをしておくようお願いしたい。
概念: 「リングイスティック・ターン」、「カルチュラル・ターン」、「オリエンタリズム」
作品:   『世界の測量』(D.ケールマン著、三修社、2008)
      『アフリカで一番美しい船』(A.カピュ著、武田ランダムハウスジャパン、2008)
      『緩慢の発見』(S.ナドルニー著、白水社、2013)
      『世界収集家』(I.トロヤノフ著、早川書房、2015)
      『彼女はマリウポリからやってきた』(N.ヴォーディン著、白水社、2022)

授業は、講義と文献読解(独文和訳や資料読解)、ディスカッションを組み合わせて行う。

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キーワード : 現代ドイツ文学、ポストコロニアリズム、世界文学、オリエンタリズム、想起の文化、歴史家論争
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : 中級程度のドイツ語読解力
特記事項 7月8日(月) 2、3、4限 
7月9日(火) 2、3、4限
7月10日(水) 2、3、4限
7月11日(木) 2、3、4限
7月12日(金) 3、4、5限 
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_A-1 [主体的な学び]
深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することができる。
授業概要に即した準備が良く出来ている。 授業概要に即した準備が出来ている。 授業概要に即した準備項目に対応できる。 授業概要に即した準備に努力が必要である。
U_B-1 [人文学の広範な知識と理解]
人文学全般の多様な専門分野の基礎知識を身につけ、人文学固有の思考や方法を説明できる。
授業概要に即した広範な事項を良く理解している。 授業概要に即した広範な事項を理解している。 授業概要に即した広範な事項をまずまず理解できる。 授業概要に即した広範な事項の理解に努力が必要である。
U_B-2 [専門分野の知識と理解]
それぞれの専門分野の諸領域のそれぞれの基礎知識、その領域に固有の問題設定や研究手法を身につけ、それらを説明できる。
授業概要に即した専門知識を持ち、良く理解している。 授業概要に即した専門知識を持ち、理解している。 授業概要に即した専門知識を努力すれば理解できる。 授業概要に即した専門知識の理解に努力が必要である。
U_B-3c [文学コース固有の課題]
「言葉」に対する自覚的かつ反省的な関わりを通じて、人間存在への理解を深め、それを説明できる。
文学作品の課題を自ら発見できる。 文学作品の課題を理解できる。 文学作品の課題をまずまず理解できる。 文学作品の課題の理解に努力が必要である。
U_C-1-1 [文献分析力]
それぞれの専門分野の基本文献を正確に解釈、分析することができる。
ドイツ語の文研を難なく、また良く理解できる。 ドイツ語の文研を難なく理解できる。 ドイツ語の文研を努力すれば理解できる。 ドイツ語の文研理解にさらなる努力が必要である。
U_C-2-1 [知識・理解の深化と統合]
それぞれの専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法、研究手法を獲得し、知識を有機的に総合し、論文を作成することができる。
授業概要に即して総合的な問題意識を持ち、独自の見解を形成できる。 授業概要に即した総合的な問題を良く理解できる。 授業概要に即した総合的な問題をまずまず理解できる。 授業概要に即した総合的な問題理解において努力が必要である。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 講義と資料読解(ドイツ語または日本語)、ディスカッションを組み合わせて授業を行います。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : プリントとスライド資料を用いて授業を進めます。
参考書 : エドワード・W.サイード『オリエンタリズム 上・下』 (平凡社、1993)
ガヤトリ・C・スピヴァク『サバルタンは語ることができるか』(みすず書房、 1998年)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 導入、3つの“転回”(言語論的転回・文化論的転回・空間論的転回)とオリエンタリズム 資料読解
2 ドイツ語圏の“空間移動”に関わる文学の紹介  資料読解
3 ドイツのポストコロニアリズムとポストコロニアル文学 資料読解
4 新しい「アフリカニズム」、『Morenga』(Uwe Timm著)読解  資料読解
5 『Morenga』(Uwe Timm著)読解 資料読解
6 ポストコロニアリズムにおける 「他者」と「サバルタン」 資料読解
7 『Der einzige Ort』(Thomas Stangl 著)読解 資料読解
8 『Der einzige Ort』(Thomas Stangl 著)読解 資料読解
9 新しい「オセアニズム」 資料読解
10 『Imperium』(Christian Kracht 著)読解 資料読解
11 ドイツ現代文学における新しい「世界文学(?)」 資料読解
12 近代中国におけるドイツの存在(「義和団の乱」と膠州湾租借地) 資料読解
13 『Der Gott der Barbaren』(Stephan Thome著) 読解 資料読解
14 ドイツの「想起の文化」と「歴史家論争2.0」 資料読解
15 まとめ 資料読解

成績評価
観点→
成績評価方法
U_A-1
[主体的な学び]
U_B-1
[人文学の広範な知識と理解]
U_B-2
[専門分野の知識と理解]
U_B-3c
[文学コース固有の課題]
U_C-1-1
[文献分析力]
U_C-2-1
[知識・理解の深化と統合]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 70%
レポート 30%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 配布された資料(ドイツ語、日本語)を、毎回一定量読んできてもらう。参考文献にも目を通すことが望ましい。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)