文学部 人文学科 文学コース
独文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年: すべての学生
対象学部等:
ドイツ文化論A
German StudiesA
講義題目  ゲーテへの道・文明論的考察
慶應義塾大学文学部 教授 粂川 麻里生
科目ナンバリングコード: LET-HUM2623J
講義コード:
2024 前期
集中
伊都イーストゾーン 独文演 教室
M/J科目 (日本語, German)
更新情報 : 2024/3/14 (06:32)
授業の概要 ドイツの詩人ゲーテは、しばしば「ヨーロッパ文明史の最重要人物のひとり」という言い方をされる。それは、ひとつには彼が古代ギリシャから古代ローマ時代、さらに中世、ルネサンス、バロックを経て、近代に至る文明の流れの中で、自分の使命を明確に意識して、多くの重要な仕事を成し遂げたことによる。他方、そうした文明史的な意識から、17世紀西ヨーロッパに始まる近代自然科学文明の本質とそこに内在する「危機」を深く感じ取り、鋭い文明批判とオルタナティブな学問理論・文明理論を投げかけ続けたことにもよっている。本講座では、そうしたゲーテの仕事の文明史的な意味合いを具体的に理解できるよう講義していきたい。

(The German poet Goethe is often referred to as "one of the most important figures in the history of European civilization". This is due, in part, to the fact that he was clearly aware of his mission and accomplished many important works in the flow of civilization from ancient Greece to ancient Rome, through the Middle Ages, the Renaissance and the Baroque period to the modern era. On the other hand, from such an awareness of the history of civilization, he deeply sensed the essence of modern natural scientific civilization that began in 17th century Western Europe and the crisis in it and continued to issue sharp criticisms of civilization and alternative academic and civilizational theories. In this course, I would like to lecture on Goethe's work so that students will be able to understand the meanings of his work in the history of civilization.)
キーワード : ドイツ文学、ヨーロッパ文学、ヨーロッパ文化史、学問史
履修条件 : 特になし
履修に必要な知識・能力 : 特になし
特記事項 ・7月22日(月)〜27日(土)の間。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 https://keio.box.com/s/0jivifokd1kfmakixcfsn3e5ei8hdd4i
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(ドイツ語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-1 [人文学の広範な知識と理解]
近代ヨーロッパ文明の中心人物の一人であるゲーテの仕事について学ぶことで、「人文学」とは何か、ということにもたしかな洞察を得る。
学問史の中で「人文学」と「科学」がどういう位置付けにあるかも正確に理解し、現代の諸問題についても考えを述べることができる。 古代ギリシャから現代までの「人文学」の歴史を根本的に規定しているものを正確に理解している。 「人文学」とは何かを、正確な知識とともに述べることができる。 授業の内容を踏まえず、「人文学」について述べることができない。
U_B-3c [文学コース固有の課題]
ヨーロッパ文明の中で「詩(文芸)」がどのような役割を担ってきたかを理解することで、人間にとって「文学」が持っている根本的な意味について理解する。
「文学」がなぜ「リベラル・アーツ」の根底にあるのかを正確に理解し、「リベラル(自由)」の根本的な意義とともに文学について論じることができる。 ホメーロス、アッティカ悲劇、ウェルギリウス、ダンテ、シェイクスピア、そしてゲーテの文学市場の位置付けとその意味について的確に述べることができる。 「ヨーロッパ文学」がひとつの有機的な統一体であることを理解しており、それについて説明できる。 授業の内容を踏まえず、「文学」についての理解が素朴で自分なりのものに止まってしまっている。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 授業担当教員による解説(又は板書)を主とした形態であり,時折,学生との問答を通じて,関連の知識を深めていきます。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : ・板書
・オンラインで配布する。
参考書 : 教室で適宜紹介する。
授業資料 : https://keio.box.com/s/0jivifokd1kfmakixcfsn3e5ei8hdd4i

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 ゲーテとは誰か? 生きた時代、歴史的立ち位置 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
2 ホメーロス(1)「叙事詩」とは何か? 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
3 ホメーロス(2)「人間」のはじまり 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
4 古代ギリシャ悲劇(1)バッコス教の祝祭 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
5 古代ギリシャ悲劇(2)共同体の根本 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
6 ウェルギリウスとローマ(1) 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
7 ウェルギリウスとローマ(2)普遍帝国の始まりとキリスト教 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
8 ダンテ:ウェルギリウスとルネサンス 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
9 「集大成」としてのゲーテ 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
10 『ファウスト』(1)古代から中世を経て近代へ 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
11 『ファウスト』(2)学問への批判と絶望 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
12 『ファウスト』(3)「悪」の肯定と予定調和・モナド 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
13 ゲーテ色彩論・アンチニュートン 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
14 ゲーテ形態学・「生命」の学へ 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。
15 総括:ゲーテ的文明論とは 現代的展開 事前に配布したテキストをできるだけ精読する。

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-1
[人文学の広範な知識と理解]
U_B-3c
[文学コース固有の課題]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 教室での発言や質問など。
レポート

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 集中講義期間中は随時受け付ける。

授業以外での学習に当たって : 配布するテキストを、できるだけ熟読してきてほしい(30分以上)。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)