文学部 人文学科 人間科学コース
心理学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 学部2年 学部3年 学部4年
対象学部等:
生涯発達学講義 III (心理学的支援法)
Lifespan Development III
講義題目  生涯発達学講義V(心理学的支援法)
准教授 古賀 聡
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2024 前期
毎週 木曜5限
伊都イーストゾーン 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2024/4/4 (13:08)
授業の概要 心理学的な対人援助の実際について、プライバシーや人権への配慮や共感性などの臨床感覚を身につけるとともに心理学的支援の基礎を学ぶ。代表的な心理療法、並びにカウンセリングの概念や意義、適応と限界を理解したうえで、集団への適応、支援者へのコンサルテーション、心の健康教育など、幅広いニーズに柔軟に対応できる支援法の実践について考える力を養う。医療機関で心理療法の実践経験を持つ教員が、心理学的支援に関する講義をおこなう。

心理療法・カウンセリングを幅広く学ぶ授業です。力動的心理療法や人間性心理学のアプローチについて取り扱われている授業がありますので、本授業ではそれらの基本的な心理療法(3代心理療法 精神分析療法、クライエント中心療法、行動療法)について触れながらも、解決志向アプローチ(ブリーフセラピー)や認知療法などの戦略的心理療法や九州大学を中心に展開した体験治療論(催眠法、イメージ法、動作法)の臨床実践を中心に行います。

受講生の関心や学習達成度を確認しながら、面接場面のロールプレイングなど実践的な演習も取り入れる予定です。

( In this lecture, I would like to introduce the principles of counseling, and basic orientations of psychotherapy, including Psychoanalysis, Behavioral Therapy, Client-centered Therapy, etc.
You will go to learn and discuss the theories of counseling, integrated or eclectic therapies, counseling structure, etc. )
キーワード : カウンセリング、心理療法、生涯発達支援、心の健康教育、コミュニケーション
履修条件 : 基幹教育において「心理学入門」を履修していること(心理学・臨床心理学に関する基礎的知識を有することが望ましい)。 心理学的支援法は公認心理師カリキュラムにおいて特に重要な内容となります。心理支援・心理療法・カウンセリングについての実践的な理解を目指して、教科書や各自、臨床心理学に関する文献や論文などの資料を収集しながらレポートに取り組むため、受講生には主体的な学習が求められます。 上記の条件を満たせば、公認心理師、臨床心理士になることを目指さない学生の受講も可能です。
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 授業計画は上記に記載した通りですが、受講生の臨床心理学・心理療法についての理解の程度、学習状況を考慮しながら変更する可能性があることをご了承ください。各回の授業で取り扱うテキストの章を記載していますが、90分内にすべてに触れることは難しいので、予習復習での皆さんのテキスト読解が重要になります。授業では教科書に記載された内容についての基本的理解があるという前提で、複数の心理療法の特性を比較的に論じたり、臨床実践に関する配慮や留意点などを解説する予定です。
本教科書を用いた授業が、他教員によって開講されています。今回の授業では、担当教員の専門性から、認知行動療法、ブリーフセラピー・解決志向アプローチ、催眠療法、臨床動作法、心理劇を中心に取り扱います。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :  認定心理士
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-3d [人間科学コース固有の課題]
「人間」・「社会」に対する自覚的かつ反省的な関わりを通じて、人間存在への理解を深め、学生自ら設定したテーマで論文を作成できる。
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 基礎から学ぶ心理療法 ナカニシヤ出版 矢澤美香子編

※生協書籍部に20部ほど注文しています。授業開始までにはやめに準備してください。
心理療法に関してバランスよく記載された教科書です。大学院での臨床心理士、公認心理師の資格試験に向けた学習にも使用できる教科書だと思います。
他の授業でも教科書として指定されることもありますので、臨床心理学や心理療法に関心がある方は持っておくと良い本だと思います。
参考書 : その都度、授業内で案内します
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 心理支援法と生涯発達 オリエンテーション (教科書全体の構成確認) Moodleに提示した資料の読解
2 心理療法の概論、心理療法の実践 教科書 第1部の解説 教科書を参照しながら予習課題
3 精神分析(第2章)、分析心理学(第3章)、アドラー心理学(第4章) 教科書 第2部:第2章、第3章、第4章の解説 教科書を参照しながら予習課題
4 クライエント中心療法(第1章)、フォーカシング(第10章)、エンカウンターグループ(第21章) 教科書 第2部:第1章、第10章、第21章の解説 教科書を参照しながら予習課題
5 行動療法(第5章)、認知行動療法(第6章)、トラウマの心理療法(第8章) 教科書 第2部:第5章、第6章、第8章の解説 教科書を参照しながら予習課題
6 心理療法・心理学的支援法に関する基礎的問い@ 学生が作成した資料によるプレゼンテーション 第3回〜第5回の学習内容にもとづく資料作成
7 ブリーフセラピー(第15章)、ナラティブセラピー(第16章)、家族療法(第17章) 教科書 第2部:第15章、第16章、第17章の解説 教科書を参照しながら予習課題
8 ゲシュタルト療法(第9章)、交流分析(第14章) 教科書 第2部:第9章、第14章の解説 教科書を参照しながら予習課題
9 日本発祥の心理療法 森田療法(第11章)、内観療法(第12章)、臨床動作法(第13章) 教科書 第2部:第11章、第12章、第13章の解説 教科書を参照しながら予習課題
10 遊戯療法(第18章)、芸術療法(第19章)、心理劇(第20章) 教科書 第2部:第18章、第19章、第20章の解説 教科書を参照しながら予習課題
11 心理療法・心理学的支援法に関する基礎的問いA 学生が作成した資料によるプレゼンテーション 第7回〜第10回の学習内容にもとづく資料作成
12 心理療法と心理アセスメント Moodleに提示した課題とプレゼンテーション 課題のための資料収集
13 心理療法と生涯発達(子どもの心理療法) Moodleに提示した課題とプレゼンテーション 課題のための資料収集
14 心理療法と生涯発達(高齢者の心理療法) Moodleに提示した課題とプレゼンテーション 課題のための資料収集
15 心理療法・心理学的支援法に関する応用的問い 学生が作成した資料によるプレゼンテーション 授業全体の学習内容にもとづく資料作成

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-3d
[人間科学コース固有の課題]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 3回実施(第6回、第11回、第15回を予定)
授業への貢献度 プレゼンテーションや質疑への積極的参加は評価する

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 授業に関する相談は授業後、あるいはメールにて相談してください。ただし、あくまでの臨床心理学や心理療法の理論、方法、実践に関する内容に限定します。

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)