文学部 人文学科 哲学コース
哲学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
哲学史演習 I
History of Philosophy (Seminar I)
講義題目  デリダ『声と現象』の読解
グリーンアジア国際リーダー教育センター 助教 渡辺 貴史
科目ナンバリングコード: LET-HUM3154J
講義コード: 17053300
2017 前期
毎週 水曜4限
箱崎 哲学演 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2017/3/4 (21:16)
授業の概要 本演習では、フランスの現代の思想家ジャック・デリダの『声と現象――フッサール現象学における記号の問題への序論』を読み解きながら、彼の思想の概要の理解を目指す。

(This course provides students with a survey of Jacques Derrida’s early works in 1960s, mainly through reading “Speech and Phenomena”, focusing especially on his notion of différance and deconstruction.
If time allows, after obtaining fundamental knowledge of Derrida’s thoughts, we will investigate Derrida's progressivism which lies behind his whole works, revealing peculiar relationships between modern western philosophy (including his own) and the development of science and technology.)
キーワード : 差延、痕跡、脱構築、フッサール現象学、
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : ドイツ語およびフランス語が理解できることが望ましいが、必須ではない。
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-a [人文学の視座の理解]
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。
●当演習を受講する動機として、単に知識収集に対する興味があるだけではなく、学生個人が経験し、それについて悩み、考え続けているような哲学的な動機が存在すること。
●後者の動機に基づいて当演習の内容に関心を抱き、自分自身の問題の解決の一手段としてテクストの読解に取り組むことができること。
●当演習で取り上げるテクストの内容を大まかに理解し、個人的・社会的な問題と関連づけて考えることができること。 ●単に知識収集に興味があるだけであるが、当演習で取り上げるテクストの内容を大まかに理解できること。 ●哲学に対する興味はあるものの、読解力に乏しいために、テクストの大まかな理解にも支障をきたすこと。
B_B1-a [古典の読解]
長い文化的伝統のなかで人類が生み出してきた知的所産である「古典」を、厳密に読解する能力を身に付けることができる。
●当演習で取り上げるテクストに関連した他の哲学者の業績についても大まかな理解があり、それらの間の内容的な繋がりをある程度理解していること。
●原語のテクストを読解できること。
●一文一語をおろそかにせず、他の文や語との関連を見出し、理解しながら読解を進めることができること。 ●哲学特有の単語や言い回しに慣れており、よどみなく読解ができること。
●各段落や各章の大まかな内容を理解できること。
●哲学特有の単語や語彙の意味を理解しておらず、読解に支障をきたすこと。
B_B2-a [総合把握力]
知識を総合的かつ有機的に把握する能力を身に付ける。
●フッサールのいう「いきいきとした現在」の特異な性質を理解し、この概念を中心にしてテクストにおいて展開される差延や脱構築の理論の仕組みを理解すること。
●差延や脱構築などの理論が、未だ西欧の進歩主義の線上に位置づけられ得ること、そのために科学技術批判としての有効性に限界が生じることが理解できること。
●フッサールのいう「いきいきとした現在」の特異な性質を理解し、この概念を中心にしてテクストにおいて展開される差延や脱構築の理論の仕組みを理解すること。 ●差延や脱構築などの重要概念についてある程度の理解ができること。 ●差延や脱構築などの重要概念についての理解が十分でないこと。
B_C-a [積極性]
自ら進んで新しい問題に取り組む積極性を持つ。
●テクスト上で展開される事柄について、自ら疑問を抱きそれについて考えた結果を発表できること。
●他の参加者の考えや批判を積極的に受け止めて、全員でよりよい議論ができるように協力して議論を進めることができること。
●テクストの理解に即して抱いた疑問や批判を発表できること。
●他の参加者の意見や批判を積極的に受け止めて、自身の考えを深めることができること。
●他の参加者が提出した疑問や批判を理解し、評価したり反論したりできること。
●他の参加者との議論を通じて、自身のテクスト理解を深めることができること。
●積極性に乏しいがために、議論に参加できないこと。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : ジャック・デリダ著、高橋允昭訳『声と現象――フッサール現象学における記号の問題への序論――』、理想社、1970年。
参考書 : 適宜指定する。
授業資料 : 適宜配布する。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 テクストの「序言」に沿っての概要の紹介、議論。授業への積極的な参加と質問や発言を促し、活発な議論を展開する下地をつくる。
2 テクスト第1章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
3 同上。関連資料の紹介および読解。
4 テクスト第2章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
5 同上。関連資料の紹介および読解。
6 テクスト第3章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
7 同上。関連資料の紹介および読解。
8 テクスト第4章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
9 同上。関連資料の紹介および読解。
10 テクスト第5章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
11 同上。関連資料の紹介および読解。
12 テクスト第6章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
13 同上。関連資料の紹介および読解。
14 テクスト第7章の読解および補足的説明を加えたのちに質疑応答を行い、理解を深める。
15 同上。テクスト全体のまとめ。

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-a
[人文学の視座の理解]
B_B1-a
[古典の読解]
B_B2-a
[総合把握力]
B_C-a
[積極性]
備考(欠格条件、割合等)
出席
授業への貢献度

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 出席60%、平素40%。
平素の内容:(1)積極的に議論に参加したか否か、(2)課題に十分に取り組んだか否か。
学習相談 学習相談 : 毎回講義終了後の2時間程度。
メールでの質問は随時受け付ける。

授業以外での学習に当たって : 各自テクストを繰り返し読んで可能な限り理解を試みること。小説を読むようには読めないので、たとえば(1)重要語句の意味を調べる、(2)各段落ごとに要約を試みる、など様々な読解の方法を考案・実践してみること。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)