文学部 人文学科 歴史学コース
イスラム文明学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等:
イスラム史学講義 VI
History of Islamic Civilization (Lecture VI)
講義題目  写本が語るイスラーム史
東京大学 助教 大塚 修
科目ナンバリングコード: LET-HUM3460J
講義コード:
2017 後期
集中
箱崎 イスラム演習室 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2017/2/25 (17:31)
授業の概要 写本研究は、近年のイスラーム史研究において最も目覚ましい発展が見られる分野の一つである。従来の写本史料に対するアプローチは、歴史学では写本校訂、また美術史学では写本絵画研究に限られてきたが、近年、印刷技術が普及する前に、写本という「モノ」がいかに知識の伝播に貢献してきたのか、そして、社会や文化にどのような影響を与えてきたのか、に注目する研究が多く見られるようになってきている。西アジア・中央アジアでは、ヨーロッパや東アジアとは異なり、19世紀に至るまで印刷技術は広く普及せず、書物は手で書き写され続けていたことからも、その重要性がうかがえるだろう。本講義では、アラビア語、ペルシア語、テュルク語で書かれたアラビア文字写本という「モノ」の特徴について解説し、その上で、校訂本からは想像し難い、アラビア文字写本が紡ぎ出したこの地域に特徴的な文化に迫りたい。なお、本講義は講義形式で進めるが、随所で写本に書かれたテクストを読む機会を設ける予定である。

(This class will focus on the Islamic manuscript culture to examine the cultural history in pre-modern West and Central Asia.)
キーワード : イスラーム、アラビア文字写本、西アジア、中央アジア
履修条件 : アラビア語およびペルシア語の基礎的な文法知識を身につけていること
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-d [資料の理解]
史資料・文献・作品の分析と解釈、および実地調査などに基づいて、世界における文化・歴史・社会の多様性と共通性を理解し説明できる。
アラビア文字写本の性格を理解し、その特徴およびそれが前近代西アジア・中央アジアの社会・文化に果たした役割を正確に説明できる。 アラビア文字写本の性格を理解し、その特徴およびそれが前近代西アジア・中央アジアの社会・文化に果たした役割をある程度説明できる。 アラビア文字写本の性格を理解し、その特徴をある程度説明できる。 アラビア文字写本の性格をある程度理解している。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 授業の最初にレジュメを配布する。
参考書 : 桝屋友子『イスラームの写本絵画』名古屋大学出版会、2014.
小杉泰・林佳世子編『イスラーム 書物の歴史』名古屋大学出版会、2014.
授業資料 : なし

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 アラビア文字写本と西アジア・中央アジア史研究
2 アラビア文字写本と東洋学者
3 アラビア文字写本文化とムスリム諸王朝における学術活動
4 アラビア文字写本の作成方法と特徴
5 写本に施された様々な技巧(1):『クルアーン』写本
6 写本に施された様々な技巧(2):世界地図
7 写本に施された様々な技巧(3):系図を用いた人類史
8 写本に施された様々な技巧(4):簿記術を用いた人類史
9 写本に施された様々な技巧(5):年表を用いた人類史

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-d
[資料の理解]
備考(欠格条件、割合等)
出席 70%
授業への貢献度 30%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 適宜、メールで質問を受け付ける。

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)