文学部 人文学科 文学コース
仏文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
専攻必修科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等:
フランス文学講義 VIII
French Literature (Lecture VIII)
講義題目  ステファヌ・マラルメ再考
神戸大学大学院人文学研究科 准教授 中畑 寛之
科目ナンバリングコード: LET-HUM3664J
講義コード:
2017 後期
集中
箱崎 仏文演 教室
M/J科目 (日本語, French)
更新情報 : 2017/2/28 (18:59)
授業の概要 ステファヌ・マラルメ(1842-98)の作品を、その初期から晩年に至るまで(詩を中心に扱う予定だが、批評的なテクスト群などにも眴したい)、同時代の社会的・政治的状況のうちに置き直して読解することにより、19世紀末フランス詩の「危機」を理解するだけでなく、マラルメという特異な詩人が現実の文学空間のうちから析出してくる問題系を把握し、議論を行う。それによって、この詩人の問い直しができればと思う。原則として各学生が準備したテクストの日本語訳、その解釈および分析を基にして議論を進めていく。

(Reconsideration of the literary acts of Stéphane Mallarmé.
By reading Mallarmé's texts from the beginning to the end of his life, you will grasp his literary act with the situation of French poetry at the end of the 19th century. You must also understand the relationship between the poet and society.
After an introduction, we read carefully and chronologically some poems and proses critics of this poet avec explication their topos of writing and social context. And let's discuss a lot !

Reconsideration des actes littétraires de Stéphane Mallarmé.
Par la lecture des textes de Mallarmé à partir du début à la fin de sa vie, vous allez saisir son acte littéraire avec la situation de la poésie française à la fin du 19eme siecle. Vous devez aussi comprendre la relation entre le poète et la société.
Après une introduction, nous lisons soigneusement et chronologiquement quelques poemes et proses critiques de Mallarmé en expliquant leur lieu d'ecrire et contexte social. Que de vives discussions se élèvent !)
キーワード : ステファヌ・マラルメ 詩 19世紀末フランス
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : フランス語が読めることが望ましい
特記事項 12月11日(月)〜14日(木)を予定。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(フランス語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
専門分野の基礎知識に基づいて、人間と社会のあり方とそれへの多様なアプローチを理解できる。
ステファヌ・マラルメという詩人についてどのような問題設定が可能か、伝記的事実等も含め、十分な知識がある。 ステファヌ・マラルメという詩人についてどのような問題設定が可能か、伝記的事実等も含め、それなりの知識がある。 大雑把のでもステファヌ・マラルメという詩人について文学史的知識がある。 知識が不十分で、適切な問題設定ができない。
B_B1-b [専門文献の解釈]
専門分野の基本文献を精確に解釈、分析することができる。
独自の解釈を十分説得的に提示できる。 独自の解釈を提示できる。 解釈の取っ掛かりとなる閃きや思いつきを示せる。 先行研究の再提示になってしまっている
B_B1-e [専門資料の分析]
専門分野で必要な史資料や文献を収集、分析して、その内容を自分の言葉で精確に表現できる。
テクストを文法的にきちんと誤りなく解釈でき、マラルメ詩の特異性を理解できている。 テクストを文法的に誤りなく解釈できている。 テクストを文法的に一応きちんと解釈できている。 文法的にテクストを理解できず、逐語訳の寄せ集めになっている。
B_B1-f [批判的討論]
批判的な討論を通して、自らの意見をより客観的視点から組み立てる姿勢を養うことができる。
発表者の解釈を聞き、自分の意見・反駁を批判的に展開できる。 発表者の解釈を聞き、自分の意見・反駁を述べることができる。 自分なりの意見・反駁を展開できる。 論点に対する自分の意見が提示できない。
B_B2-a [総合把握力]
知識を総合的かつ有機的に把握する能力を身に付ける。
問題点をきちんと整理し、テクスト分析を行い、論理的な解釈ができている。 問題点を掴み、テクスト分析を行い、十分な解釈ができている。 問題点を掴み、テクスト分析を行い、それなりの解釈が提示されている。 問題点が掴めず、テクスト分析の論点がズレている。そのため、解釈が利己的になっている。
B_B2-b [問題提起力]
新たな視点から問題提起を行い、それを解決するための方法を提示する能力を身に付ける。
問題の在処を見つけ出し、適切なかたちで問いとして提示できる。 授業で示された観点から新たな問いを自分なりに提起できる。 テクスト分析・解釈を通して、自分の疑問点を挙げることができる。 ひとりよがりの感想文
になっている。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : Stéphane Mallarmé, Œuvres complètes, tome I et II, édition présentée, établie et annotée par Bertrand Marchal, Gallimard, coll. Bibliothèque de la Pléiade, 1998 et 2003.
コピーをお渡しします。
参考書 : 『マラルメ全集』、松室三郎ほか訳、筑摩書房、1998-2010年。
『マラルメ詩集』、渡邊守章訳、岩波文庫、2014年。
Kensuke KUMAGAI, La Fête selon Mallarmé. République, catholicisme et simulacre, L'Harmattan, 2008.
Bertrand MARCHAL, La Religion de Mallarmé. Poésie, mythologie et religion, José Croti, 1988.
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 1860年代、初期マラルメの詩作品等を読みながら、マラルメがマラルメという詩人となっていく過程を捉える。「詩を書く」、あるいは「詩が書けない」詩人、そしてブルジョワに悪態をつく詩人の姿をどう考えるべきか。(授業4回程度) 演習 担当のフランス語テクストの訳出、および自分なりの解釈の提示
2 マラルメの精神的「危機」を巡って『イジチュール』の問題を扱う。その後、かつてはマラルメ自身の「空位期」と呼ばれた1870年代の仕事を概観し、第三共和制の開始期において、詩人はなにを企てようとしていたのかを考える。(授業3回程度) 演習 担当のフランス語テクストの訳出、および自分なりの解釈の提示
3 文壇で名を知られるようになり、火曜会を主催していくマラルメの姿を追う。おそらく彼の詩作品のなかで最も難解な詩篇群の読解・分析を試みる。また、マラルメの演劇論から社会・大衆との接点を探る。(授業4回程度) 演習 担当のフランス語テクストの訳出、および自分なりの解釈の提示
4 1890年代、マラルメ晩年の活動を確認しながら、作品の変化を捉える。また、自由詩の問題を含めた詩の「危機」の実相を理解する。
最後に、Un coup de dés... という作品を紹介し、マラルメの文学的営為の総括をめざす。(授業4回程度)
演習 担当のフランス語テクストの訳出、および自分なりの解釈の提示

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_B1-b
[専門文献の解釈]
B_B1-e
[専門資料の分析]
B_B1-f
[批判的討論]
B_B2-a
[総合把握力]
B_B2-b
[問題提起力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 50%
プレゼンテーション 25%
授業への貢献度 15%
出席 10%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : その都度、質問等を受け付けます。

授業以外での学習に当たって : 各自でフランス語テクストに目を通し、大まかでも内容を掴んでおいてください。
担当者の解釈を聞き、自分なりの意見を述べることのできるように準備できるとよいでしょう。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)