文学部 人文学科 人間科学コース

コース共通科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 主に2年生
対象学部等:
比較宗教学概論 I
Introduction to Comparative Religions I
講義題目  幸せの探求
准教授 飯嶋 秀治
科目ナンバリングコード: LET-HUM2704J
講義コード: 17052109
2017 前期
毎週 火曜2限
箱崎 301 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2017/4/28 (03:40) 〔2017年4月10日に最終版を完成させます〕
授業の概要 私は今年で48歳になりましたが、(1)ここ10年の社会情勢の変化、(2)自らの研究の積み重ね、(3)学生さんの学習を考えた時、いまここの現代世界で学問(特に比較宗教学)を行うことの意味と幸せということを今年の比較宗教学の中心的な主題に据えたいと考えました。
詳細は4/10の月曜日の17時までに公表したいと考えています。具体的に書くとこの10年ほど九州大学で比較宗教学の学生に卒業論文の指導をしてきて以下のような課題が気になるようになったのです。私たちの研究室では2年生になると自分がやりたい研究テーマを決めてもらい、その先行研究を読んでもらい、3年生になると自分の関心と先行研究の状況からまだ未解明の問題の現地調査を行い、4年生になると自分の調査で何を新たに解明したのかを論文にまとめてもらっていました。
その3年間でそれなりにみな卒業論文は書けるようになったのですが、しかし、卒業論文を何のために書くのか、というところは納得せずにやっているので、今一つ関心が人生上の問題とかけ離れた「興味」にとどまる感じでした。確かに興味は大事なポイントなのですが、浅い興味では研究は長続きしませんし、研究に深みもでないものです。
なので、この講義では、必ずしも比較宗教学概論で教えなければいけないことではないものの、私たちが九州大学で卒業論文に取り組める意味も含めて教えていきたいと思います。

(Now I became 48 years old. Thinking about (1)current social situations,(2)my own study career, and (3)educational experience,I would like to make the subject in this year of my lecture the pursuit of good life.)
キーワード : 世界システム、学問、宗教学、幸せ
履修条件 : 遅刻、私語、途中退席すべからず
履修に必要な知識・能力 : 日本語の運用能力
特記事項 宗教文化士(http://www.cerc.jp/)の単位認定科目です。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(公民)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-a [人文学の視座の理解]
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。
世界情勢における人文(社会科)学の位置が十全に説明できる。 日本情勢における人文(社会科)学の位置を理解できる 世間における人文(社会科)学の意味を理解できる 人文(社会科)学には意味があるだろうと思う
B_A-b [アプローチの理解]
専門分野の基礎知識に基づいて、人間と社会のあり方とそれへの多様なアプローチを理解できる。
文献学と社会科学、特にアンケートや聞き書き、参与観察のメリットとデメリットが十全に説明できる 文献学と社会科学、特に後者にも様々な幅があることが理解できる 文献学と社会科学の方法論的違いを理解できる どこかで何らかの記事を読んだ時に、根拠について想像できる
B_A-c [言葉の理解]
「言葉」に対する自覚的かつ反省的な関わりを通じて、人間存在への理解を深める。
世界システム、宗教、幸せ、いのちなどを考究する際の社会学、文化人類学、宗教学などの術語が説明できる 社会学、文化人類学、宗教学などの術語が理解できる 社会学、文化人類学、宗教学などの言葉が出てきたらわかる 意味が分からないままに放置する
B_B1-a [古典の読解]
史資料・文献・作品の分析と解釈、および実地調査などに基づいて、世界における文化・歴史・社会の多様性と共通性を理解し説明できる。
ジェイムス、デュルケム、ウェーバー、オットー、エリアーデらの学的特徴を十全に説明できる ジェイムス、デュルケム、ウェーバー、オットー、エリアーデらの時代や研究を理解できる ジェイムス、デュルケム、ウェーバー、オットー、エリアーデらの違いが分かる いつだれが何を言ったのかが判然としない
B_A-e [現代世界の理解]
現代世界における様々な人文現象や社会問題を、批判的視点から理解し説明できる。
世界システムと世界資本主義システム、世界と日本の投資構造や連累といった概念について十全に説明できる 生態系と経済系、生物学的人種と民族の根本的な違いが理解できる 世界の課題、日本の課題、メディアと研究の違いなどについてわかる 人種と民族の違いも分からない
B_B2-f [社会との関わり]
社会と学問の関わりについて、専門分野の学習を通して理解を深め、考える能力を身に付ける。
現代世界の中で学問ができていることの意味を具体的な行為として行える 現代世界の中で学問ができることの意味を説明できる 現代世界の中で学問ができることの意味を理解できる 自分がなぜ大学に来たのか判然としない
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 特にありませんが、授業は読書への窓口でしかないので、興味深いと思ったら主体的・積極的に読みましょうね。
参考書 : 『よくわかる宗教学』『宗教的経験の諸相』『宗教生活の原初形態』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『聖なるもの』『聖と俗』『東洋へ』「しあわせの民俗誌・序説」ほか(『通過儀礼』『トランジション』『孤独の追求』)。
授業資料 : パワーポイントの資料はその都度配布します

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 0411自己・世界・講義の趣旨説明
2 0418言語・生態・経済の説明
3 0425国家・メディア・学校の説明
4 0509国際学会発表のため休講→DVDを見てもらうことにします
5 0516「幸せ」の釈義
6 0523幸/不幸・災い/息災・苦悩/至福
7 0530宗教学方法論T宗教心理学(W.ジェイムス1842-1910)
8 0606宗教学方法論U宗教社会学(E.デュルケム1854-1917)
9 0613宗教学方法論V宗教哲学(R.オットー1869-1937)
10 0620宗教学方法論W宗教人類学(A.ファン・ヘネップ1873-1957)
11 0627宗教学方法論X比較宗教学(M.エリアーデ1907-1986)
12 0704宗教学方法論Z宗教民俗学(関一敏1949⁻)
13 0711宗教学の現代的展開
14 0718試験(小論文)
15 0725講評

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-a
[人文学の視座の理解]
B_A-b
[アプローチの理解]
B_A-c
[言葉の理解]
B_B1-a
[古典の読解]
B_A-e
[現代世界の理解]
B_B2-f
[社会との関わり]
備考(欠格条件、割合等)
出席
授業への貢献度
期末試験

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 毎回授業の冒頭に前回の質問への応答をしますので、甚だしい遅刻、私語、途中退席などは論外。そうした学生はこの授業を履修しないこと。毎回コメントシートで出席はとりますから、1/3以上欠席された方は試験の資格を落とします。出席1点、コメント1点、あとは、期末の小論文で70点とします(「全て持ち込み可」の小論文式で、@最も印象に残った講義の要約10点、A最も印象に残ったQ&R要約10点、B講義とQ&Rを踏まえて自らの体験を素材に具体的に分析すること50点)。欠席する時に口頭で済ませようとする学生がいますが、正当な理由がある人はメールをくださいね。
学習相談 学習相談 : 水曜日お昼は大学にいます。要予約。shuuji@lit.kyushu-u.ac.jp。あと欠席する時などはメールで連絡しておいてくださいね(サークル活動とかは理由にならないので学生便覧参照)。

授業以外での学習に当たって : 言葉が分からないとかの場合は各自でスマーフォンでも辞書でもつかって、根拠をはっきりさせながら調べてください。途中で授業計画を微修正することはあり得ます。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)