文学部 人文学科 人間科学コース
比較宗教学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
文化人類学講義 II
Cultural Anthropology (Lecture II)
講義題目  自然と人の関わりを知る
人間文化研究機構総合人間文化研究推進センター研究員、国立歴史民俗学博物館特任助教(併任) 葉山 茂
科目ナンバリングコード: LET-HUM2832J
講義コード:
2017 前期
集中
箱崎 共同演習室 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2017/7/11 (22:08)
授業の概要  本講義では現代における自然と人の関わりに接近する方法を、日本の漁村や津波被災地などの事例から検討します。
 「現代における自然と人の関わり」といえば、すぐに環境問題を思い起こすかもしれません。しかしここでは環境問題ではなく、現代において人びとはどのように自然に働き掛け、その結果をどのように解釈し、また人びとは解釈した自然にどのように対応しているのか、その結果、人びとはどのような規制や制度をつくり出しているのか、そしてそうした規制が人びとの対峙する環境をどのように規定するのかという問題を扱います。つまり、人びとが自然と関わる実践に焦点を当てて、その実践をどのようにすれば、よりよく理解できるのかを考えることがこの講義のねらいです。
 現代の人びとが対峙する自然は、科学的に説明できる単純な自然ではありません。人びとのまわりにあるのは、人びとが解釈した自然であり、また人びとが社会的に制度化した自然(社会化した自然)なのです。そして社会化した自然は、政治や経済、文化などの要因とともに人びとの生き方にも密接に関わっています。したがって、突き詰めて言えば、自然と人の関係を問うことは、人びとの生き方そのものを知ることでもあるのです。
 こうした自然と人の関わりに接近するには、多様な立場や視点、そしてその変化に焦点を当ててみることが必要になります。授業では、この課題に対するアプローチを解説します。

(This lecture examines the ways to approach the relationship between nature and human of the present age by using the case of Japan's fisheries villages and tsunami disaster areas.)
キーワード : 自然と人の関わり、社会化した自然、共時と共時、漁業、災害
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 開講時期:2017年7月23日〜26日
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(公民)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-a [人文学の視座の理解]
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。
人びとの営みを理解する上での、科学に対する人文学の役割を十分に説明できる。 人びとの営みを理解する上で、人文学に求められる事柄を説明できる。 人びとの営みを理解する上で人文学が必要であることが理解できる。 人びとの営みを理解する手法として人文学があることが理解できる。
B_A-b [アプローチの理解]
専門分野の基礎知識に基づいて、人間と社会のあり方とそれへの多様なアプローチを理解できる。
ある対象・事象を多様な視点から検討し、それらを総合化して理解することの意味を、自らの経験や関心事に即して説明することができる。 ある対象・事象を多様な視点から検討し、それらを総合化して理解することの意味を、授業で紹介した事例に即して説明することができる。 ある対象・事象を多様な視点から検討し、それらを総合化して理解することの意味を、理解することができる。 ある対象・事象をいくつかの視点から理解することが対象理解の上で有効かもしれないと思う。
B_B2-d [専門的思考方法]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得する。
科学的な自然と社会化した自然の違いを十分に説明できる。 科学的な自然と社会化した自然の違いがわかる。 科学的な自然と社会化した自然があることがわかる。 科学的な自然と社会化した自然の差が判然としない。
B_B1-f [批判的討論]
批判的な討論を通して、自らの意見をより客観的視点から組み立てる姿勢を養うことができる。
人類学や関連分野における自然と人の関わり方に関する理論に対して、批判的に検証し、その問題点と解決の視点を具体的に指摘することができる。 人類学や関連分野における自然と人の関わり方に関する理論に対して、批判的に検証し、その問題点を指摘することができる。 人類学や関連分野における自然と人の関わり方に関する理論に対して、批判的に検証することの意味がわかる。 人類学や関連分野における自然と人の関わり方に関する理論の意味を理解することができる。
B_C-d [興味関心の幅広さ]
専門分野のみならず、幅広い知識と教養を身に付けようとする意欲を持つ。
自らが知らない、あるいは経験がない事例を聞き、その事例のエッセンスを自分の経験や関心事に置き換えて説明できる。 自らが知らない、経験のない事例を聞き、その事例のエッセンスをまとめて説明することができる。 自らが知らない、経験のない事例を聞き、エッセンスの概要が理解できる。 自らが知らない、経験のない事例を聞いたとき、そのエッセンスが何であるか判然としない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト :
参考書 : 葉山茂 2013『現代日本漁業誌―海と共に生きる人々の七十年』昭和堂
参考文献として上記のものを挙げましたが、授業のなかで逐次説明します。また授業のなかで触れることのできる文献もテーマに対してはごく一部にすぎません。したがって、自ら関心を広げるために、資料や文献を探して読むことをおすすめします。
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 「自然と人の関わり」へのアプローチ
2 漁業にみる自然と人の関わり
3 災害にみる自然と人の関わり
4 まとめ

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-a
[人文学の視座の理解]
B_A-b
[アプローチの理解]
B_B2-d
[専門的思考方法]
B_B1-f
[批判的討論]
B_C-d
[興味関心の幅広さ]
備考(欠格条件、割合等)
出席 出席とコメントカードの結果で決定する。100%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 出席と書いていますが、授業時にミニワークとコメントカードを課します。その結果を踏まえて、成績判断をします。
学習相談 学習相談 : 授業中および授業後に受け付けます。そのほかの連絡方法については、必要に応じて説明します。

授業以外での学習に当たって : 生態人類学や環境民俗学などの自然と人の関わりに関する論文、書籍等を事前に読み、視点を整理しておくと授業が理解しやすくなります。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)