文学部 人文学科

人文学科共通科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
人文学 I
The Humanities I
講義題目  東アジア世界の交流と変容
教授 森平 雅彦
科目ナンバリングコード: LET-HUM2011J
講義コード: 17053600
2017 後期
毎週 水曜2限
箱崎 301 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2018/1/31 (09:55)
授業の概要 現代社会では地球規模のグローバル化が進み、人びとの活動範囲を規定してきた国家や人種・民族といった枠組みが相対化される一方、異なる文化・価値観をもつ人間どうしの摩擦もめだってきている。日本もまた過去の歴史に対する認識、国家間の権益対立、国境をこえたヒト・モノ・情報の動きをめぐり、身近な周辺地域との間でさまざまな課題をかかえている。わたしたちはいまあらためて、身近な「他者」について知り、「他者」との関係性のなかでの「自己」の位置をみつめなおすべき段階にきている。
この授業では,日本とその身近な周辺地域をあわせた空間を便宜的に「東アジア」とよぶが,その見え方は視点・論点のとりかた次第でいかようにも変わってくる。しかし大切なのは,そのような見方の多様性を認識し、みずからも必要に応じて自由自在にさまざまな視点へシフトして物事を考える能力・姿勢である。
このように柔軟で複眼的な「東アジア」へのアプローチは,アジアに開かれた九州大学の人文学において,主要な柱のひとつとなるものである。

()
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
専門分野の基礎知識に基づいて、人間と社会のあり方とそれへの多様なアプローチを理解できる。
B_A-d [資料の理解]
史資料・文献・作品の分析と解釈、および実地調査などに基づいて、世界における文化・歴史・社会の多様性と共通性を理解し説明できる。
B_B2-a [総合把握力]
知識を総合的かつ有機的に把握する能力を身に付ける。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 下記の教科書を各自で入手しておくこと。
森平雅彦・岩ア義則・高山倫明編『九州大学文学部人文学入門1 東アジア世界の交流と変容』
九州大学出版会、2000円(税別)
参考書 :
授業資料 : 教科書未収録の内容について各教員から別途資料等を配布する場合がある。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 10月11日:ガイダンス(森平雅彦)
2 10月18日:東アジア地域社会の形成と古代国家の誕生(宮本一夫)
3 10月25日:朝鮮中世の国家姿勢と対外関係(森平雅彦)
4 11月1日:ルーベンスの描いた朝鮮人−16・17世紀における東アジア人のディアスポラ(中島楽章)
5 11月8日:日本中世に居住した外国人(佐伯弘次)
6 11月15日:国境地域における交流と変容−対馬を事例に(高木彰彦)
7 11月22日:「『孔子聖蹟図』から考えるアジア」(静永健)
8 11月29日:休講(予定)
9 12月6日:高麗仏画研究から学ぶこと(井手誠之輔)
10 12月13日:大名蔵書の中の国際交流−平戸藩楽歳堂の蔵書目録から(岩ア義則)
11 12月20日:日本おける『説文解字』(南澤良彦)
12 1月10日:沖縄と沖縄人(うちなーんちゅ)(下地理則)
13 1月17日:満洲語−話しことば・書きことばとその使い手(久保智之)
14 1月24日:漢字で日本語を書く−万葉仮名の世界(高山倫明)
15 1月31日:休講(予定)

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_A-d
[資料の理解]
B_B2-a
[総合把握力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
出席

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 出席50%、レポート50%とする。
毎回出席調査を行い、欠席4回以上(ガイダンス回を除く)の者は受講資格を失う。大学が認める公欠事由(インフルエンザ、災害、交通障害、忌引きなど)以外の欠席は公欠と認めない。
15分以上の遅刻は欠席とする。

レポート課題は最終授業回の終了にあわせ、webシラバスに各担当教員からの出題を提示するので、そのうち一つを選択。選択した教員の名前を表紙に明記。
分量は2000 字以上(A4用紙を使用。横書き・横書きは自由)。締切は2月15日(木)。提出先は学生第一係。

【レポート課題】
宮本:東アジアの先史社会から古代国家成立に至る過程を、地域性と社会発展の両側面からまとめなさい。

森平:授業内容を要約し、これに対する自分の考えを論じなさい。

佐伯:日本における外国人の居住について論じなさい(現代のことでもかまわない)。

中島:16世紀東アジアの奴隷貿易について述べなさい。

高木:授業内容をまとめるとともに、授業内容に対するあなたの意見を述べなさい。

岩ア:近世大名家の文庫を1つとりあげ、その概要と特徴を記しなさい。

井手:高麗仏画に関することで自ら考えたことを述べなさい。必要があれば、典拠等を明示すること。

静永:九大文学部にかつて在籍した教員の学問とその研究方法(ただし縦書き400字詰め原稿用紙に自筆したものに限る。パソコン等機器によって入力・印刷したものは不可。2017年11月現在に本学文学部在職中の教員は含まない)

南澤:江戸時代と中国清代との『説文解字』研究の共通点と相違点について。

下地:日本語と英語と自分がよく知る第3の外国語について、文法的な共通点を見つけて、具体例を出しながら解説せよ。

久保:話しことばと書きことばの違いについて、適宜対象言語を選んで論じなさい。

高山:現代日本における漢字の万葉仮名的用法について述べよ。
学習相談 学習相談 : 授業後に各教員へ

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)