人文科学府 人文基礎専攻 哲学・倫理学 分野
倫理学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
現代倫理思想研究 V
Contemporary Ethical Thoughts (Seminar V)
講義題目  セックスの哲学・倫理学入門
京都女子大学現代社会学部 教授 江口聡
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2017 後期
集中
箱崎 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2017/8/7 (15:57)
授業の概要 性的な現象の哲学的・倫理学的分析を行うセックスの哲学(Philosophy of Sex)は応用哲学・応用倫理学のなかでも比較的新しい分野で、国内では十分に議論が行われていないが、英語圏ではすでにアカデミックな議論の蓄積がある。この授業ではそうした議論を紹介しつつ、セックスにまつわる哲学的・倫理学的課題を考察する。具体的社会的・応用倫理学的問題として、ポルノグラフィ、売買春、性暴力等の現代社会の問題を中心的に扱うことが直接な目的であるが、同時に過去の主要哲学者の性愛観を参照し、検討することによって問題の理解と分析の助けとする。
授業は基本的に講義形式で行うが、部分的に受講生によるディスカッション等の演習形式を取り入れる。

(This course is designed to introduce students to the philosophy and ethics of sex and love. Attention will be paid to such social problems, as pornography, prostitution and rape, as well as critical considerations of history of philosophy of sex.)
キーワード : セックス、恋愛、結婚、生殖
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 ・性的な問題を直接的に扱います。言語的表現は婉曲な表現はさけ明示的なものをもちいます。講師はセクシャルハラスメント等には十分注意する予定ですが、各種のセンシティブな問題を含んだ内容を扱いますので、受講者の感受性によっては不快である可能性があります。性的に露骨な画像・動画等を使用することはありませんが、人によっては不快と思われる文章を教材とすることがあります。
・また受講者も配慮に協力的であることを望みます。議論において他の見解等を攻撃したり馬鹿にしたりすることは避けてください。性差別的発言等には十分注意し避けてください。
・個人的な体験は哲学的な思索にとって重要ですが、授業時ディスカッションや提出レポート等で個人的な体験などを詳述する「告白モード」に入ることは求められませんし、むしろ避けることが推奨されます。
・講義内容は受講生と相談の上変更することがああります。
・レポート課題は、提出後オンラインで授業参加者全員が読める状態にしますので、それに応じて作成してください。
・講師の発言や授業方針、授業環境等に問題があると感じた場合は、できるだけすみやかに講師に連絡してください。その手段は、授業中直接に、あるいは授業中におこなう匿名のオンラインアンケート、メール eguchi@kyoto-wu.ac.jp でもかまいません。また直接それを伝えることにためらいを感じた場合は、他の教員、あるいはハラスメント対策委員等の大学のしかるべき部署に相談してください。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
MP_B2-b [理論的思考力]
現代世界における様々な人文現象や社会問題を、批判的視点から理解し説明できる。
現代世界におけるセックスをめぐる諸問題と各種の立場を理解し、明晰に表現できる。 現代世界におけるセックスをめぐる諸問題を理解し、さまざまな対立する立場を理解する。 現代世界におけるセックスをめぐる哲学的・倫理学的問題を理解する。 現代世界におけるセックスをめぐる哲学的・倫理学的問題に関心をもつ。
MP_B1-c [理論的な分析]
批判的な討論を通して、自らの意見をより客観的視点から組み立てる姿勢を養うことができる。
批判的な討論を通して、より客観的視点から自他の見解を再構成することができる。 批判的な討論を通して、自らの意見をより客観的視点から組み立てる姿勢をえる。 批判的な討論のために、各種の立場の解釈を試みたうえで自論の立論をおこなう姿勢をえる。 自論の立論をおこなうことができる。
MP_B2-a [総合把握力]
知識を総合的かつ有機的に把握する能力を身に付ける。
現代的な問題と、広い学問分野の知見との関係を把握し、さらに過去の研究者や古典的哲学者たちが取り組んだ問題の関係を理解する。 現代的な問題と、広い学問分野の知見との関係を把握できる。 現代的な問題の構成する要素を把握する。 問題の核心部分を解する。
DP_B2-b [コミュニケーション能力]
学問的な討論の場を通して、自分の意見を精確かつ明確に表現する能力と他者の意見を理解するコミュニケーション能力を鍛錬し、広く世界と交流できる力を養う。
学問的な討論の場において、自分の意見を精確かつ明確に表現する能力と他者の意見を理解するコミュニケーション能力を獲得する。 学問的な討論の場において、自分の意見を精確かつ明確に表現する能力と他者の意見を理解するコミュニケーション能力を獲得する。 学問的な討論の場において、他の立場を理解し、また自分の意見を表現する能力をえる。 自分の意見を表現する能力をえる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 講義時に配布する
参考書 : 講義時に指示する
授業資料 : http://yonosuke.net/eguchi/kyudai 以下に用意する。パスワードは講義時に伝達する。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 注意事項、導入、セックスの哲学の概略 含ディスカッション
2 性暴力、セクシャルハラスメント
3 「レイプ神話
」の問題と性暴力の実証研究
含ディスカッション
4 セックスの哲学史(1) プラトン、アリストテレス、オウィディウス、キリスト教 各哲学者の代表的な部分のプリントを配布するので各自学習すること
5 表現の自由とポルノグラフィの問題
6 ポルノグラフィに対するフェミニスト的批判 含ディスカッション
7 ポルノグラフィに対するフェミニスト的批判の検討 含ディスカッション
8 セックスの哲学史 (2) 宮廷風恋愛、モラリスト 各哲学者の代表的な部分のプリントを配布するので各自学習すること
9 売買春に対する批判 含ディスカッション
10 「性的人格権」をめぐる議論 含ディスカッション
11 セックスの哲学史 (3) ルソー、ヒューム、ウルストンクラフト、カント 各哲学者の代表的な部分のプリントを配布するので各自学習すること
12 セックスの哲学史 (4) キェルケゴール、ショーペンハウエル、ニーチェ 各哲学者の代表的な部分のプリントを配布するので各自学習すること
13 「性的同意」の問題 含ディスカッション
14 セックスの哲学史(5) ラッセル、ファイアストーン 各哲学者の代表的な部分のプリントを配布するので各自学習すること
15 セックスの問題に哲学研究者はどのように貢献できるか ディスカション

成績評価
観点→
成績評価方法
MP_B2-b
[理論的思考力]
MP_B1-c
[理論的な分析]
MP_B2-a
[総合把握力]
DP_B2-b
[コミュニケーション能力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
授業への貢献度

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : メール eguchi@kyoto-wu.ac.jp でうけつけます。

授業以外での学習に当たって : 集中講義であるので、講義当日の自主学習は1〜2時間程度ですむようにする。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)