人文科学府 歴史空間専攻 広域文明史学 分野 西洋史学 専修 専修科目 (単位数 2) 選択必修科目 対象学年: 対象学部等: |
Early Modern European Society (Seminar II)
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科目ナンバリングコード: 講義コード: 2017 前期 毎週 金曜4限 箱崎 演習室 教室 J科目 (日本語, 日本語) |
授業の概要 |
今回は、20世紀初頭イギリスにおける学校給食、学校身体検査の導入と展開について論じたDwork, Devorah, ‘School meals and medical inspection’, War is Good for Babies & Other Young Children: a history of the infant and child welfare movement in England 1898-1918, Tavistock Publications, 1987を講読する。本書は、ボーア戦争中での兵役体力検査の不適格者問題をきっかけとした子どもの福祉制度拡充政策に関する研究として定評があり、乳幼児向けミルク供給所の展開など共に、いわゆる学校福祉の導入について論じている。 現代において、食育、早寝早起き朝ごはん運動等の一連の動きは、子どもの食問題への注目を示している。このことは、食を通して、子どもの栄養、健康という問題、つまり生命、生活そのものの管理、コントロールへの動きであるともいえる。こうした文脈において、親役割、家族の役割や在り方が議論され問題化されていることは周知のごとくである。 一方で、給食費未納、子ども食堂などは、「子どもの貧困」と連動して、注目されている。実は日本の学校給食は、1954年学校給食法成立が画期とされるが、実は戦前から導入の動きがあった。1920年代、「貧困児救済」、つまり「欠食児童」への救済として始まった。貧困、差別や労働条件、食料事情の社会問題化とともに、子どもの衛生、健康、栄養状態が問題化され、学校給食実施学校数が増加し、国の指導や奨励策が動き始めたのである。 その直前に日本に紹介され、その後の制度導入に寄与したのがイギリスの学校給食法(1906年成立)である。そして、翌年1907年に学校身体検査法が制定され、「国家の最良の利益」のため、「国家の子ども」の生(生命、生活)への配慮が制度化されたとされている。教育機関である学校で給食を供給するとはどういうこと(だったの)か。導入、実施の経緯や、そこでの議論について、給食導入期における歴史的文脈を読み解いてみよう。 なお、英語論文を読む前に、関連する日本語論文を読み、導入とする。 (The aims of this course is to help students acquire an ability of historical and critical consideration and researches of education. This term deals with the process of the establishment of the School Meal Act 1906 and the School Medical Inspection Act 1907. We would consider the historical context and meaning of the increase the interest to the children's health and body in Britain in the beginning of the 20th century.) | |||||||||||||||||||||||||||
キーワード : | ||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | ||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
教職 : 教職(社会)(地理歴史) 資格 : | |||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | |||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : 参考書 : 授業資料 : 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : | |||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : 授業以外での学習に当たって : 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |