人文科学府 言語・文学専攻 西洋文学 分野
独文学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
ドイツ文学特殊研究 IV
German Literature Special Studies (Seminar IV)
講義題目  中世ドイツ神秘思想と現代
慶應義塾大学文学部 教授 香田 芳樹
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2017 後期
集中
箱崎 独文演 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2017/3/20 (14:56)
授業の概要  この講義では、中世ドイツのキリスト教神秘思想が近代以降の文学や哲学や宗教にどのようなインパクトをもって受容されたかを考察します。神秘思想は、ヘルメス的な秘儀宗教、あるいはただのオカルトのような誤解を受けがちですが、第一にそれはドイツでは、スコラ哲学へのアンチテーゼとして登場したれっきとした哲学的思想体系です。第二にそれは歴史学の視点からみると、婦女子や市民に霊的指導をおこない、キリスト教の正統信仰を守り、場合によっては異端と果敢に戦う社会思想でもありました。本講義の前半では、ドイツ神秘思想の代表者であるマイスター・エックハルトを中心的に取り扱いながら、彼の哲学的受容者であるショーペンハウアーやニーチェやハイデガーがエックハルトとどのように対決していたか、あるいは宗教的受容者であるルターがどのようにその中心思想である「義認論」をエックハルトの影響のもとに形成したのか、あるいは文学的受容者としてムージルが『特性のない男』でエックハルトの無私の精神をどのように作品化したのか、あるいは社会的受容者としてエルンスト・ブロッホや日本の中野孝次がどのように革命思想として受容したのかについて、具体的な作品分析をしながら検討していきます。
 講義の後半では、エックハルトやルター、ニーチェ、ブロッホ自身が同時代の人たちに受け容れられず、「異端者」として迫害を受けたという事実にもとづき、神秘思想のもつ時代批判的な精神について考察していきます。

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キーワード : 神秘主義、ドイツ文学、マイスター・エックハルト
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : ドイツ語の知識のない方の受講も可能です。
特記事項 集中講義2017年11月(予定)
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(ドイツ語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
ML_A-b [先行研究の読解]
文学を対象とする領域では、過去に蓄積された重要な文献、とりわけ古典を厳密かつ精確に読解し、先行研究を踏まえつつその内実を深く掘り下げて説明できる。
キリスト教神秘思想について深い知識を得て、それの現代的意義を十分に理解できている。 キリスト教神秘思想について知識を得て、それの現代的意義を理解できている。 キリスト教神秘思想について知識を得ている。 キリスト教神秘思想についてある程度理解した。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 香田芳樹『魂深き人びと―西欧中世からの反骨精神』青灯社 2017年
参考書 : 上田閑照・香田芳樹『マイスター・エックハルト ドイツ語説教集』創文社 2006年
授業資料 : 必要なテクストは配付資料として用意します。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習

成績評価
観点→
成績評価方法
ML_A-b
[先行研究の読解]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
出席 2/3以上の出席が必要です。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 授業で取り上げた思想家、作家について3,200字以上レポートを作成してください。
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)