文学部 人文学科 歴史学コース
日本史学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
日本史学講義 XVIII
Japanese History (Lecture XVIII)
講義題目  天皇と天皇制を考える 近代を中心に
東京大学大学院人文社会系研究科 教授 野島(加藤) 陽子
科目ナンバリングコード: LET-HUM3319J
講義コード:
2019 後期
集中
伊都イーストゾーン 日本史演習室 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/3/25 (07:29)
授業の概要  集中講義の前半では、近代日本の政治・軍事・外交において、その基本的な枠組み・方向を定めるのに大きな影響力を持っていた昭和天皇について、その政治的人間としての側面について歴史的に考察する。適宜、史料を配布しながら、その読解・解説をおこない、1901年の誕生から1951年の講和独立期までの政治的な足跡を追う。
 講義の後半では、前近代までの天皇の在り方や制度が、近世後期から明治中期までに、いかに改変され、新たな制度として創出されたのか、その制度史的考察を行う。明治中期までの時代は、新たに創出される天皇・皇室制度の形成期であり、さまざまな理念の対立や試行錯誤の過程でもあった。政治的理念やイデオロギーをめぐり、政治主体、民権家、市井の人々のせめぎあいの過程を探る。

( The first half of this intensive course provides an in-depth examination of specific aspects of Emperor Showa as a political figure and his age.
The latter half of the course focuses on the Emperor's bodies and history of succession to the Japanese throne.)
キーワード : 日本近代史、天皇、憲法、皇室典範、軍隊、国体
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 開講時期は2019年12月16日〜19日
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-a [人文学の視座の理解]
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。
日本近代史の基礎知識を踏まえて、近世から近代への移行期について、社会的、政治的な深い考察ができる。 日本近代史の基礎知識を踏まえて、近世から近代への移行期について、社会的、政治的な考察ができる。 日本近代史の基礎知識について最低限の知識を吸収し、近世から近代への移行期の変化が理解できる。 日本近代史を一つの入り口として、歴史学の特徴が他の諸学とは、どう違うかがわかる。
B_A-d [資料の理解]
史資料・文献・作品の分析と解釈、および実地調査などに基づいて、世界における文化・歴史・社会の多様性と共通性を理解し説明できる。
近世から近代移行期の史料における文化・歴史・社会の多様性と共通性を深く理解し、きわめてわかりやすく説明できる。 近世から近代移行期の史料における文化・歴史・社会の多様性と共通性をよく理解し、説明できる。 近世から近代移行期の史料の特質を理解できる。 近世から近代移行期の史料について、書かれた背景を理解できる。
B_B1-b [専門文献の解釈]
専門分野の基本文献を精確に解釈、分析することができる。
日本近代史分野の基本文献を多様な視角から、柔軟に解釈、分析することができる。 日本近代史分野の基本文献を適切に解釈、分析することができる。 日本近代史分野の基本文献の重要な論点を正確に取り出すことができる。 日本近代史分野の基本文献の重要な論点のいくつかを理解することができる。
B_B1-e [専門資料の分析]
専門分野で必要な史資料や文献を収集、分析して、その内容を自分の言葉で精確に表現できる。
日本近代史で必要な史資料や文献を収集、分析して、その内容を高度に表現できる。 日本近代史で必要な史資料や文献を収集、分析して、その内容を表現できる。 日本近代史で必要な史資料や文献を収集、分析することができる。 日本近代史で必要な史資料や文献を収集し、分析する計画を立てられる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 歴史学研究会編、加藤陽子責任編集『天皇はいかに受け継がれたか』(績文堂出版、2019年)
加藤陽子『天皇の歴史 8 昭和天皇と戦争の世紀』(講談社学術文庫、2018年)
参考書 : 御厨貴編著『天皇の近代 明治150年・平成30年』(千倉書房、2018年)
石上英一ほか編『講座 前近代の天皇』第1巻〜第5巻(青木書店、1992年〜1995年)
網野善彦ほか編『岩波講座 天皇と王権を考える』第1巻〜第10巻(岩波書店、2002年)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 授業目標の説明、ガイダンス、講師自身の研究の紹介
2 各回の参考文献の紹介、先行研究のまとめと新しい研究を開くための展望
3 ロンドン海軍軍縮条約から国際連盟脱退まで
4 天皇機関説事件の歴史的意義
5 日中戦争から太平洋戦争期の政治と統帥
6 戦争終結に向けた内外の動き
7 いわゆる「人間宣言」ができるまで
8 日本国憲法、極東国際軍事裁判と天皇
9 講和条約までの天皇による「外交」主導
10 『天皇はいかに受け継がれたか』の会読
11 『天皇はいかに受け継がれたか』の会読
12 近世後期から近代移行期の天皇をめぐる政治思想
13 近世後期から近代移行期の天皇をめぐる制度構築の過程
(その一)
14 近世後期から近代移行期の天皇をめぐる制度構築の過程(その二)
15 近代の天皇と天皇制に関するまとめ

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-a
[人文学の視座の理解]
B_A-d
[資料の理解]
B_B1-b
[専門文献の解釈]
B_B1-e
[専門資料の分析]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度
レポート

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 参考文献やテキストである『天皇はいかに受け継がれたか』(績文堂出版、2019年)を事前に読んでおくのが望ましい。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)