文学部 人文学科 文学コース
中国文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等:
中国文学講義 XI
Chinese Literature (Lecture XI)
講義題目  中国白話文学成立史
講師 井口 千雪
科目ナンバリングコード: LET-HUM4540J
講義コード: 19051206
2019 前期
毎週 月曜3限
伊都イーストゾーン B-102 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/3/20 (13:09)
授業の概要  中国においては長らく、文学の主な担い手は文言(所謂漢文、書き言葉)を操る一部の支配階層であった。しかし口頭語を用いた大衆文藝はいつの時代にも存在し、講釈・説唱・戯曲といった形で、文字化されることは無いながらも、人々の心の糧として享受されていた。
 中世から近世への移行期である元代頃になると、口頭語を反映した白話表記法の発達、商業出版の隆盛といった背景のもと、大衆文藝の文字化と出版が進む。そして明代後期に大衆文学は花開き、多くの作品が社会的階層を問わず娯しまれるようになった。
 かくして「読書」という行為の普及拡大が人間社会に与えてきた影響は計り知れない。本講義では、中国の先秦時代〜元代までを中心として、様々な文学作品(口頭文藝を含む)を実例としながら、白話文学が文学史に登場するまでの社会的背景を講じる。

(This lecture course focuses on development of literature written in colloquial Chinesese,aim to realize the relationship bitween literature and society.)
キーワード :
履修条件 : なし
履修に必要な知識・能力 : この授業で扱う文献は、中校で習う「漢文」だけでなく、中国近世の話し言葉(白話)に基づいて書かれたものが多いため、外国語で中国語を履修していることが望ましい。
特記事項 なし
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
専門分野の基礎知識に基づいて、人間と社会のあり方とそれへの多様なアプローチを理解できる。
文学と人間・社会あり方との関わりを非常によく考えている。 文学と人間・社会あり方との関わりをよく考えている。 文学と人間・社会あり方との関わりをある程度意識している。 文学と人間・社会あり方との関わりについて考えていない。
B_B1-b [専門文献の解釈]
専門分野の基本文献を精確に解釈、分析することができる。
文献を非常に精確に解釈・分析している。 文献をよく精確に解釈・分析している。 文献を精確に解釈・分析しようと試みている。 文献を精確に解釈・分析するための努力をしていない。
B_B2-b [問題提起力]
新たな視点から問題提起を行い、それを解決するための方法を提示する能力を身に付ける。
独自の視点で問題を設定し、解決する能力を非常によく身につけている。 独自の視点で問題を設定し、解決する能力をよく身につけている。 独自の視点で問題を設定し、解決しようと試みている。 問題設定と解決方法に独自の視点が見られない。
B_C-c [発想力]
問題の解決にあたって様々なアプローチの可能性を考えようとする姿勢を持つ。
問題の解決のために、多角的で客観的なアプローチを行おうという強い姿勢を持っている。 問題の解決のために、多角的で客観的なアプローチを行おうという姿勢を持っている。 問題の解決のために、客観的なアプローチを行おうという姿勢を持っている。 問題の解決に対する姿勢に多角性・客観性がかけている。
B_C-b [粘り強さ]
史資料や文献、情報の収集と読解に地道に取り組む姿勢を持つ。
史資料や文献の収集と読解に非常によく取り組んでいる。 史資料や文献の収集と読解によく取り組んでいる。 史資料や文献の収集と読解に取り組もうという意識がある。 史資料や文献の収集と読解が十分ではない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 毎回の授業で資料を配布する。
参考書 : 吉川幸次郎『中国文学史』(岩波書店、昭和52)
倉石武四郎 『中国文学史』(中央公論社、昭和54)
前野直彬『中国文学史』(東京大学出版会、1996年)
岩城 秀夫『中国文学概論』(朋友書店、2005年)など
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 ガイダンス
2 修辞意識の芽生えと発達
3 文言(叙述文)の成立@
4 文言(叙述文)の成立A
5 六朝文学@
6 六朝文学A
7 唐代の文言小説
8 敦煌変文@―唐代の白話文学の展開―
9 敦煌変文A―変文と戯曲―
10 敦煌変文B―作品鑑賞、その文学性―
11 元曲@―藝能と戯曲の歴史的展開(殷〜元)―
12 元曲A―興隆の社会的要因―
13 元曲B―作品鑑賞、その文学性―
14 元曲C―作品鑑賞、その文学性―
15 元代の白話文学の展開(全相平話)

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_B1-b
[専門文献の解釈]
B_B2-b
[問題提起力]
B_C-c
[発想力]
B_C-b
[粘り強さ]
備考(欠格条件、割合等)
レポート

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : レポート題目:「中国文学に関わる考察」
(2000字程度)
学習相談 学習相談 : 授業の後、
及びオフィスアワー木曜3限(事前にメールでアポイントを取ること)

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)