文学部 人文学科 文学コース
独文学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等:
ドイツ文学講義 XII
German Literature (Lecture XII)
講義題目  二十世紀初頭のウィーン文学とその周辺
大東文化大学外国語学部 准教授 荒又 雄介
科目ナンバリングコード: LET-HUM4631J
講義コード:
2019 後期
集中
伊都 教室
M/J科目 (日本語, German)
授業の概要 一般に「世紀末ウィーン」と呼ばれる19世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーン文化については、日本でもすでに一定のイメージが形成されていると思われる。ハプスブルク王朝の最後の華やぎ、爛熟期を迎えた市民文化、滅びゆく時代の内に胎動するモデルネなど、その枚挙にいとまがない。ところが、音楽(マーラー、シェーンベルク)、芸術(クリムト、シーレ)、精神分析学(フロイト)などへの高い関心はともかく、この時代の文学については、日本の読者には明確な像が結ばないようである。
本講義では、この時代の代表的な作家フーゴ・フォン・ホーフマンスタールが、アルトゥーア・シュニッツラーの戯曲に寄せた序文を手掛かりにして、文学の新潮流とそれを担った作家たちを紹介した後、第一次世界大戦までこの都市で展開した文学運動を概観し、さらに戦後、アルプスの小国に転落したオーストリアで、ハプスブルク帝国の文化や文学がどのように表象されてきたかを考察する。

(This lecture course focuses on selected works by the authors of the Viennese Modernism in order to provide an overview of the basic perspectives and concepts of the literary scene in the capital of the Habsburg monarchy and its reception after the First World War.)
キーワード : 文学 世紀末ウィーン ハプスブルク
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
授業計画 テキスト : 以下のテクストの抜粋を教場でプリントを配布します。
Altenberg, Peter: Wie ich es sehe.
Andrian, Leopold: Der Garten der Erkenntnis.
Bahr, Hermann: Das unrettbare Ich.
Hofmannsthal, Hugo von: Erinnerung schöner Tage. Prolog zu dem Buch Anatol.
Klaus, Karl: Die demolierte Literatur.
Musil, Robert: Kakanien.
Roth, Joseph: Radetzkymarsch
Schnitzler, Arthur: Anatol. Casanovas Heimfahrt.
Zweig, Stefan: Die Welt von Gestern.
参考書 : カール・E・ショースキー『世紀末ウィーン』安井琢磨訳 岩波書店 1983年
W.M.ジョンストン『ウィーン精神 : ハープスブルク帝国の思想と社会1848-1938』井上修一他訳 みすず書房 1986年
クラウディオ・マグリス『オーストリア文学とハプスブルク神話』鈴木隆雄,藤井忠,村山雅人訳 書肆風の薔薇 1990年
岩ア周一『ハプスブルク帝国』講談社現代新書 2017年
授業資料 :

進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 「早熟で雅で憂鬱な」1
『アナトール序曲』あるいはカフェ文学
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
2 「早熟で雅で憂鬱な」2
『認識の庭』と従順なアヴァンギャルド
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
3 「早熟で雅で憂鬱な」3
老いた帝国の若者たち
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
4 精読『美しい日の思い出』1
ウィーンの作家たちと北イタリア
講読 テクスト(ドイツ語ないし日本語訳)の予習が必要です。
5 精読『美しい日の思い出』2
「語り手」というプリズム
講読 テクスト(ドイツ語ないし日本語訳)の予習が必要です。
6 精読『美しい日の思い出』3
官能性と想像力
講読 テクスト(ドイツ語ないし日本語訳)の予習が必要です。
7 ドン・ファンのオーストリア・ヴァリエーション1
『山師と歌姫』に見るホーフマンスタール文学の二つの人物形象
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
8 ドン・ファンのオーストリア・ヴァリエーション2
世紀転換期ウィーンの文学に見られる文学形象カサノヴァ
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
9 ドン・ファンのオーストリア・ヴァリエーション3
シュニッツラーの『カサノヴァの帰郷』とWiener Moderne の残滓
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
10 Ausgleich とその周辺、Anschluss とその周辺1
皇妃エリーザベトとハンガリー
グループワーク 分担作業でテクストないし映像資料を分析し、その成果を報告してもらいます。
11 Ausgleich とその周辺、Anschluss とその周辺2
ヒトラーとウィーン市民たち1
グループワーク 分担作業でテクストないし映像資料を分析し、その成果を報告してもらいます。
12 Ausgleich とその周辺、Anschluss とその周辺3
ヒトラーとウィーン市民たち2
グループワーク 分担作業でテクストないし映像資料を分析し、その成果を報告してもらいます。
13 ハプスブルク神話の諸相1
精読ムージル『天才の国カカーニエン』
講読 テクスト(ドイツ語ないし日本語訳)の予習が必要です。
14 ハプスブルク神話の諸相2
ロートの『ラデツキー行進曲』とツヴァイクの『昨日の世界』−第一次世界大戦勃発場面を中心に
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。
15 ハプスブルク神話の諸相3
クラウディオ・マグリスとその後のハプスブルク像
プリントで配布するテクストと講義で紹介した文献をよく読んでおいてください。

授業以外での学習に当たって : 文献の必読箇所、講義で一緒に参照するテクストは、プリントで配布します。
学習相談 : 講義の前後に時間を作ります。
メールでの問い合わせについては、初回にアドレスをお知らせします。
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
19世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーン社会を知り、その特殊性を踏まえて、この地に成立した文学や芸術作品を理解する。
対象とする作品を、複数の文献と多角的に関連付けて論ずることができる。
自分の問題意識を反映させた問いを立てていれば更に良い。
対象とする作品を、複数の文献と関連付けて論ずることができる。 複数の文献を理解して、それを踏まえて文学作品にアプローチできる。 もっぱら二次文献に依拠した作品理解に留まる。
B_A-c [言葉の理解]
文学作品に関しては、ドイツ語の文献を使用する。参加者の言語習熟度に合わせて、日本語とは異なる表現が楽しめればよい。
ドイツ語の表現に十分親しみ、翻訳では汲み取れないニュアンスを感じ取ることができる。ただし評価については、語学の習熟度を考慮する。 ドイツ語の表現に親しみ、味わい楽しむことができる。ただし評価については、語学の習熟度を考慮する。 翻訳の助けを借りつつ、対象作品のオリジナルにアプローチできる。ただし評価については、語学の習熟度を考慮する。 翻訳のみに依拠した理解に留まる。ただし評価については、語学の習熟度を考慮する。
B_A-d [資料の理解]
複数の文献を比較検証することで、学術書を批判的に読解する。ウィーンを取り巻く常套句を乗り越えて、この都市の文化をより深く理解する。
個々の文献の成立背景を考慮しつつ、文献を批判的に取り扱うことができる。 個々の文献の成立背景を考慮しつつ、文献を利用できる。 二次文献の助けを借りて、文学作品を学問的に読解できる。 二次文献の影響から出られず、文学作品を自分の目で楽しめない。
B_B1-a [古典の読解]
この時代の特徴をよく表している短い作品を精読する。同じ作品、同じ文章が、読み方によって複数の意味内容を担って見えることを体感する。
古典とされる文学テクストを、それ以外の文学作品や二次文献から得た知識を駆使しながら読解できる。
自身の読解から二次文献に批判的に向き合えると更に良い。
古典とされる文学テクストを、それ以外の文学作品や二次文献から得た知識を駆使しながら読解できる。 古典とされる文学テクストを、二次文献から得た知識を使いながら読解できる。 文学作品の解釈が、個人的な感想の域を出ない。
B_B2-c [思考能力]
論者によって評価する作品は異なる。この違いの理由を、それぞれの論者の研究背景から解明する。
複数の二次文献の見解の違いを、その背景も踏まえて説明できる。 複数の二次文献の見解の違いを読み取ることができる。 取り組んだ二次文献の梗概を述べることができる。 与えられた二次文献の理解が十分でない。
B_C-c [発想力]
評価は時代によって大きく変わる。いくつかの文学作品と歴史的人物を手掛かりにして、観察対象がアプローチの仕方で違って見えることを知り、多角的視点の重要性を体得する。
一つの作品を複数の視点から見て、立体的に論じることができる。 自分の解釈を述べる際に、別の読解可能性についても考慮している。 自分の解釈が聞き手に理解できるかどうか、考えながら述べることができる。 独りよがりの感想に留まっている。
GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。
成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_A-c
[言葉の理解]
B_A-d
[資料の理解]
B_B1-a
[古典の読解]
B_B2-c
[思考能力]
B_C-c
[発想力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 40%
プレゼンテーション 30%
授業への貢献度 10%
出席 20%

成績評価基準に関わる補足事項 :
その他 その他 :  10月28日(月) 2,3,4限
 10月29日(火) 2、3、4限
 10月30日(水) 2、3、4限
 10月31日(木) 2、3、4限
 11月1日(金)  3、4、5限  以上、合計15コマ

教職 :
資格 :

更新日 : 2019/2/28 (11:12)