文学部 人文学科 人間科学コース
比較宗教学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
比較宗教学講義 IV
Comparative Religions (Lecture IV)
講義題目  近現代ヨーロッパにおけるキリスト教(旧教)
國學院大學客員研究員 加藤 久子
科目ナンバリングコード: LET-HUM2814J
講義コード:
2019 後期
集中
伊都イーストゾーン 宗教研 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/10/22 (22:15)
授業の概要 キリスト教は、カトリックや東方正教などの「旧教」と、プロテスタントと呼ばれる「新教」に大別される。日本は明治期に英米独など、プロテスタントが優勢な地域からキリスト教を受容したことから、キリスト教についてプロテスタンティズムを基準として理解されることが多かった。
授業では、まずキリスト教の教派の成立と現状について概論的な解説を行った後、旧教(特にカトリック)を中心に、カトリック圏の民衆にとっての宗教世界がどのようなものであったか/あるかについて学び、キリスト教文化の多様性を理解する。
また、世俗権力との駆け引き、ナショナリズムや国家追悼儀礼との融合、ハリウッド映画やツーリズムなど市場経済の影響など、「世俗化」する近現代社会へのカトリック教会の適応とみられる現象や、「公共宗教」と呼ばれる社会参加(政治参加)する宗教の在りように着目しながら、近現代の社会における宗教の特性を把握する。

(Although Western Christianity consists of Catholicism and Protestantism, most Japanese understand Christianity on the basis of Protestantism. This course offers selected themes on religious practices within Catholic culture. The main purpose is to understand the diversity of Christian culture.
We also pay attention to the concepts of Public Religion in order to examine how the Catholic Church adjusts to the modern secularized world, and how it engages to the political society. )
キーワード : キリスト教(旧教)、シンクレティズム、公共宗教、世俗化、東欧
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 2月7〜10日
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(公民)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-a [人文学の視座の理解]
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。
キリスト教文化の多様性を十分に理解し、それを分かりやすく説明するとができる。 キリスト教文化の多様性を理解し、それを説明するとができる。 キリスト教文化の多様性をおおむね理解し、それをおおむね説明するとができる。 キリスト教文化の多様性についての理解、または説明に不十分な点がある。
B_B1-f [批判的討論]
批判的な討論を通して、自らの意見をより客観的視点から組み立てる姿勢を養うことができる。
「世俗化」の概念について批判的に検討し、自分自身の考えをまとめ、分かりやすく表現することができる。 「世俗化」の概念について批判的に検討し、自分自身の考えをまとめ、表現することができる。 「世俗化」の概念について批判的に検討し、自分自身の考えをある程度まとめ、表現することができる。 「世俗化」の概念について批判的に検討し、説明する上で、不十分な点がある。
B_B2-c [思考能力]
知識を総合的かつ有機的に把握する能力を身に付ける。
授業で扱った内容から、現代社会における宗教の特徴をまとめ、十分に表現することができる。 授業で扱った内容から、現代社会における宗教の特徴を自分なりにまとめ、表現することができる。 授業で扱った内容から、現代社会における宗教の特徴を自分なりにまとめ、ある程度表現することができる。 授業で扱った内容から、現代社会における宗教の特徴をまとめ、表現する上で不十分な点がある。
B_B2-d [専門的思考方法]
人文学を中心とした人文・社会科学の方法と思考能力を身に付ける。
授業で扱った内容を、自分の知っている他の事例と比較し、十分に理解を深めることができる。 授業で扱った内容を、自分の知っている他の事例と比較し、理解を深めることができる。 授業で扱った内容を、自分の知っている他の事例と比較し、ある程度、理解を深めることができる。 授業で扱った内容を、他の事例と比較して理解する上で不十分な点がある。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 担当教員による解説(パワーポイント)が中心となるが、適宜、学生に意見をを求める。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト :
参考書 : ・中野智世・前田更子・渡邊千秋・尾崎修治編『近代ヨーロッパとキリスト教――カトリシズムの社会史』勁草書房、2016年
・エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か』文春新書
・水島治郎『ポピュリズムとは何か』中公新書
授業資料 : 日本と世界の宗教ニュースに関する小レポート(担当教員執筆のものも含む)
http://www.rirc.or.jp/xoops/modules/xlinks01/index.php?start=0

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 1.キリスト教の教派形成史、キリスト教諸教派の概況 グラフや表、地図などを見て考察を深める
2 2〜3.民衆カトリックの世界(年中行事、人生儀礼など) 日本における類例について、授業中に示した統計データなどから考えてみる
3 4〜5.ヨーロッパのキリスト教の変容
(北米、アフリカなど「植民地」からの逆輸入)
配布した資料を読んで、自分なりの意見をまとめる
4 6〜7.カトリック教会の多様性
(シチリア、フィリピンなど)
配布した資料を読んで、自分なりに意見をまとめる
5 8〜9.フランスにおけるカトリック教会 参考文献を読む
6 10〜11.南米におけるカトリック教会 参考文献を読む
7 12〜13.ポーランドのカトリック教会 配布した資料を読んで、自分なりに意見をまとめる
8 14〜15.政治参加するカトリック教会の未来 配布した資料を読んで、自分なりに意見をまとめる

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-a
[人文学の視座の理解]
B_B1-f
[批判的討論]
B_B2-c
[思考能力]
B_B2-d
[専門的思考方法]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 30%
レポート 70%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 授業前後、あるいはメールで対応する
hkato.asia@gmail.com

授業以外での学習に当たって : ・授業中に新聞記事や統計などの資料を配布(オンラインで公開されているものについてはURLを指示)するので、授業時間外に読み、考察を深めて欲しい。
・参考文献と授業内容を相互に参照して、理解を深めて欲しい。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)