文学部 人文学科 人間科学コース
社会学・地域福祉社会学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年: 2年生 3年生 4年生
対象学部等:
社会学講義 XII
Sociology (Lecture XII)
講義題目  社会学講義 XII
東京大学人文社会系研究科 准教授 井口 高志
科目ナンバリングコード: LET-HUM4854J
講義コード:
2019 後期
集中
伊都イーストゾーン 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/12/10 (11:25)
授業の概要  本講義では、前半では病いや障害と言われる現象を社会学的に考察していくために、医療社会学などで彫琢されてきた諸概念・理論を講義する。その後、それらの概念などを踏まえつつ、病い・障害に関する研究の裾野の広さについて、主に教員が行ってきた/行っている認知症研究の内容を示しながら講じてみたい。
 しかし、本講義では完成された既製品を展示することよりも、現在教員が取り組んでいる研究のデータなども示しつつ受講者とともに考えていくことを目指したい。病いや障害を扱う主体には医療や福祉などの専門職だけでなく、病いや障害を抱える当事者、その当事者と生きる家族などがいる。既にそうした者たちによって、病いや障害という現象は生きられ、同時に反省的に実践や考察の対象とされ、多大な蓄積がなされている。そうした領域に対して社会学は、いったいそこに何を付け加えることができるだろうか。本講義では、社会学が実践や当事者といかなる関係を取り結べるのか、実践や当事者が生み出している経験とどのように距離をとって「データ」としていくのか、現場に対する貢献とは何か、などのことを意識的に考えていく。

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キーワード : 医療社会学、認知症、医療化、当事者
履修条件 : 特になし
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 12月25日、26日、27日。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_A-b [アプローチの理解]
医療・障害をめぐる社会学的アプローチを理解する。
社会学の基礎的な概念について深く理解している。 社会学の基礎的な概念について概ね理解している。 社会学の基礎的な概念についてある程度理解している。 社会学の基礎的な概念について理解していない。
B_B1-f [批判的討論]
講義で学ぶ先行研究を踏まえて、具体的な事例について考えれるようになる。
B_B2-d [専門的思考方法]
授業で学んだことを応用して、独自の分析ができるようになる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 授業担当教員による解説(又は板書)を主とした形態であり,時折,学生との問答を通じて,関連の知識を深めていきます。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : スライド資料・テキスト(紙媒体)、映像資料。
参考書 : 井口高志2007『認知症家族介護を生きる――新しい認知症ケア時代の臨床社会学』東信堂.
井口高志2011「新しい認知症ケア時代のケア労働――全体的にかつ限定的に」仁平典宏・山下順子編,『労働再審 第5巻 ケア・協働・アンペイドワーク――揺らぐ「労働」の輪郭』大月書店:127-159.
井口高志2015「「できること」の場を広げる 若年認知症と折り合いをつける実践の展開が示唆するもの」『現代思想(特集 認知症新時代)』43(6)(青土社): 153-169.
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 1 医療社会学の基礎的概念
@イントロ(病い・障害を対象とする諸社会学)
A社会の中の医療・福祉
B医療職の専門性と医師患者関係
C病人役割・障害者役割
2 病い・障害・健康をめぐる諸現象
D健康をめぐるポリティクス
E医療化・脱医療化・セルフヘルプグループ
F病院と全制的施設
G病い・障害と地域生活
3 認知症の社会学の展開
H認知症の排除・包摂・理解をめぐる歴史
I認知症の「本人」によりそうケア
J認知症における医療化とケア
K認知症と当事者・社会運動・まちづくり
Lまとめ
※大きく3パートに分かれるが、各パートの順番・内容は適宜変更する可能性がある。

成績評価
観点→
成績評価方法
B_A-b
[アプローチの理解]
B_B1-f
[批判的討論]
B_B2-d
[専門的思考方法]
備考(欠格条件、割合等)
レポート

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 講義中に指示する。

授業以外での学習に当たって : 参考資料を読み込むこと。資料で示す文献リストの中から関心に応じて本・論文を読むこと。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)