人文科学府 人文基礎専攻 哲学・倫理学 分野
倫理学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
西洋倫理学研究 V
Western Ethics (Seminar V)
講義題目  魂とロゴスープラトンにおける倫理的判断の位相
立正大学文学部 教授 田坂 さつき
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2019 前期
集中
伊都イーストゾーン 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/9/5 (20:45)
授業の概要 プラトンの認識論を「ことば(ロゴス)」と魂の関係で読み解く。プラトン初期の『ソクラテスの弁明』『メノン』から中期『饗宴』『ポリテイア』とそれ以降の『テアイテトス』『ソフィステース』『ティマイオス』のテキストを追いながら、プラトンの認識論において、「ことば」と魂の関係を明らかにする。

(This lecture course focuses on selected works by Plato in order to provide an overview of the basic perspectives and concepts of human mind and logos in ancient European philosophy.)
キーワード : プラトン 認識論 ことば(ロゴス)、魂
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
MP_A-c [研究史と方法論の体系的理解]
プラトン『ソクラテスの弁明』を読解することで、ソクラテス裁判の真相について、歴史学や哲学の視座から解明することの重要さを学び、今日的な課題についても人文学の果たす役割について理解する。
現代社会の問題についても、プラトンの提示した古代アテネでの社会問題構造分析に照らして、考察することができる。 提示した古代アテネでの社会問題構造分析をテキストの読解を通して理解でき、それが時代を超えた普遍的なものであることを理解できる。 提示した古代アテネでの社会問題構造分析をテキストの読解を通して理解できる。 プラトンが提示した古代アテネでの社会問題構造分析をテキストの読解を通して理解できない。
MP_B2-a [総合把握力]
人類の知的所産である西洋古典において著名なプラトンの著作を、厳密に読解する能力を身に付けることができる。
プラトンのテキストの議論構造を読み解くことでき、そこから現代にも通じる問題を読み解くことができる。 プラトンのテキストを読み、議論構造を理解することができ、当時のアテナイで哲学者た直面している問題構造をそこから読み解くことでき プラトンのテキストを読み、議論構造を理解することができる。 プラトンのテキストを読むことはでき、意味をとることができても、、議論構造を理解することができない。
MP_B2-b [理論的思考力]
プラトン哲学の基本文献を精確に解釈、分析することができる。
プラトンの手キス解釈を、複数の先行研究を検討しながら、進めることができる。 プラトンの手キス解釈を、一つの先行研究を検討しながら、進めることができる。 プラトンの手キス解釈を、先行研究を参照しながら進めることができる。 プラトンのテキスト解釈をする際に、先行研究を参照することができない。
MP_B1-c [理論的な分析]
批判的な討論を通して、自らの意見をより客観的視点から組み立てる姿勢を養うことができる。
プラトンの手キス解釈を、複数の先行研究の問題点を挙げて検討しながら、進めることができる。 プラトンの手キス解釈を、一つの先行研究の問題点を指摘しながら、進めることができる。 プラトンの手キス解釈を、他の解釈もありうることを念頭において進めることができる。 プラトンの手キス解釈他の解釈もありうることを念頭において進めることができない。
MP_A-a [先行研究の理解]
文献などの読解能力、それを系統立てて整理する論理的思考能力を、各研究分野と中等高等教育分野のほか、様々な職種へ活用できる。
プラトンのテキスについての自他の解釈を論理的な一貫性から評価することができる。 プラトンのテキスについての自分なりの解釈に論理的な一貫性がある。 プラトンの議論の論理的な一貫性を理解することができる。 プラトンの議論の論理的な一貫性を理解することができない。・
DP_B2-c [社会との関わり]
新たな視点から問題提起を行い、それを解決するための方法を提示する能力を身に付ける。
プラトンのテキストに関する論争から倫理的な問題を立てることができ、それについて自分の意見を述べることができる。 プラトンのテキストに関する論争から倫理的な問題を立てることができる。 プラトンのテキストから、倫理的な問題を読み取ることができる。 プラトンのテキストから、倫理的な問題を読み取ることができない。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト :
参考書 :
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 「ことば」と認識の構造  −プラトン『ソクラテスの弁明』における「無知の知」を中心に−(1) プラトン『ソクラテスの弁明』を一読して、ソクラテスが有罪か無罪かを考える。
2 「ことば」と認識の構造  −プラトン『ソクラテスの弁明』における「無知の知」を中心に−(2) プラトン『ソクラテスの弁明』を読んで、議論構造を考える。
3 「ことば」と認識の構造  −プラトン『ソクラテスの弁明』における「無知の知」を中心に−(3) プラトン『テアイテトス』(142a1 − 151d3 )を読んで、議論構造を考える。
4 ソクラテスの探究と産婆術 −『テアイテトス』導入部(142a1 − 151d3 )の一解釈−(1) プラトン『テアイテトス』(142a1 − 151d3 )を読んで、ソクラテスの産婆術の意義を考える。
5 ソクラテスの探究と産婆術 −『テアイテトス』導入部(142a1 − 151d3 )の一解釈−(2) プラトン『テアイテトス』(142a1 − 151d3 )を読んで、知識とは何かを考える。
6 ソクラテスの探究と産婆術 −『テアイテトス』導入部(142a1 − 151d3 )の一解釈−(3) 『国家』第五巻474b3-480a13を読んで、議論構造を考える。
7 「観ること」と「思いなすこと」の構造
『国家』第五巻474b3-480a13の一解釈(1)
『国家』第五巻474b3-480a13を読んで、議論が説得的かどうかを考える。
8 「観ること」と「思いなすこと」の構造
『国家』第五巻474b3-480a13の一解釈(2)
『国家』第五巻474b3-480a13を読んで、観ることと知ることとの関係を考える。
9 「観ること」と「思いなすこと」の構造
『国家』第五巻474b3-480a13の一解釈(3)
プラトン『ポリテイア』(595a1-608b9)を読んで、詩人追放論について考える。
10 正義と技術  −プラトン『ポリテイア』(595a1-608b9)に関する一解釈(1) プラトン『ポリテイア』(595a1-608b9)を読んで、製作とイデアの関係を考える。
11 正義と技術  −プラトン『ポリテイア』(595a1-608b9)に関する一解釈(2) プラトン『ポリテイア』(595a1-608b9)を読んで、技術とイデアの関係を考える。
12 正義と技術 −プラトン『ポリテイア』(595a1-608b9)に関する一解釈(3) プラトン『ポリテイア』(340D2-342D8)を読んで、技術とは何かを考える。
13 技術のあり方をめぐる対話
―プラトン『国家』とサービスラーニング
授業資料「死生の現場における問答―古代ギリシアの哲学から」を事前に読んでおく。
14 死生の現場における問答―古代ギリシアの哲学から 授業資料「ゲノム編集の倫理問題ープラトン『プロタゴラス』から」を事前に読んでおく。
15 ゲノム編集の倫理問題ープラトン『プロタゴラス』から 授業内容から問いを設定して、レポート構想メモを作成し、授業で発表できるようにする。

成績評価
観点→
成績評価方法
MP_A-c
[研究史と方法論の体系的理解]
MP_B2-a
[総合把握力]
MP_B2-b
[理論的思考力]
MP_B1-c
[理論的な分析]
MP_A-a
[先行研究の理解]
DP_B2-c
[社会との関わり]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 8割。未提出の者は単位を取得できない。
授業への貢献度 2割。授業中の発言を重視する。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 授業貢献度で評価するので、出席回数は成績評価の対象にしない。欠席が3割以上の場合は単位を取得することはできない。
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 授業資料を事前に目を通し、そこで扱う、プラトンの手キスを読んでおく。レポートの課題は、授業内容から問題を設定して論じる、というものなので、最後の授業日までにテーマと論点メモを作成しておくこと。発表してもらいます。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)