人文科学府 歴史空間専攻 アジア史学 分野
朝鮮史学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
朝鮮古代史特論 II
Ancient Korean History (Specialized Lecture II)
講義題目  渤海史をめぐる諸問題
金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系 教授 古畑 徹
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2019 前期
集中
伊都イーストゾーン 共同演習室A 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/8/28 (12:52) 〔8月28日更新。〕
授業の概要 昨年、渤海国(698〜926)についての一般書『渤海国とは何か』を刊行した。本書は、従来からの渤海国を何国史として描くかといった論争を超えて、多元的な世界のなかで複数の顔と歴史的意義を持った国家として渤海国を描き出そうとして構想したものである。本書について、学生諸君と読み進めながら、この構想がどのような研究状況のもとで発想され、どのような試行錯誤をしながら生まれてきたかを補足しつつ、その試みが成功したかどうかを考えていく。そのなかでは、学生同士が議論を行うアクティブラーニングの手法も取り入れる予定である。最終的には学生諸君に書評を書いてもらう。


(Last year, I published the general book "What is Balhae country" about Pal-hae/Bo-hai country (698 - 926). This book was designed to depict Pal-hae/Bo-hai country as a nation with multiple faces and historical significance in a pluralistic world beyond the controversy over how to draw Pal-hae/Bo-hai country as a national history is there. While reading along with the students about this book, supplementing what kind of research situation the concept was conceived under, what type of trial and error was born, thinking whether the attempt was successful or not To go. Among them, we plan to incorporate active learning methods in which students discuss each other. Ultimately ask students to write a review.)
キーワード : 渤海国、一国史観、東アジア、東部ユーラシア、環日本海、東北アジア、「満州」
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 9月9日〜12日
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(地理歴史)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
MH_A-b [研究史と方法論の体系的理解]
史資料・文献・作品の分析と解釈、および実地調査などに基づいて、世界における文化・歴史・社会の多様性と共通性を理解し説明できる。
テキストとその関連文献を読んでその内容・問題意識・方法論をほぼ完全に理解できる。 テキストとその関連文献を読んでその内容・問題意識・方法論を80%以上理解できる テキストとその関連文献を読んでその内容・問題意識・方法論を60%以上理解できる テキストとその関連文献を読んでその内容・問題意識・方法論を少しは理解できる
MH_B1-c [成果発表]
専門分野に固有の問題設定や研究手法を正しく身に付けることができる。
渤海史研究の問題点と課題を正確にまとめることができ、それを基に書評のスタイルでテキストを的確に評価できる。 渤海史研究の問題点と課題のおおよそをまとめることができ、それを基に書評のスタイルでテキストを評価できる。 渤海史研究の問題点と課題をある程度まとめることができ、それを基に書評のスタイルでテキストを評価できる。 渤海史研究の問題点と課題をある程度まとめ、書評のスタイルにすることができる。
MH_B2-a [総合把握力]
新たな視点から問題提起を行い、それを解決するための方法を提示する能力を身に付ける。
テキストと関連資料を読んで、そこから発展させた新たな課題を発見できる。 テキストと関連資料を読んで、他人があまり気が付かない独自の疑問点を発見することができる。 テキストと関連資料を読んで、疑問点を発見することができる テキストと関連資料を読んで、理解しづらかった点を見つけることができる
MH_B2-b [理論的思考力]
専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法を獲得する。
渤海史とそれに関連する広域史について、専門的に高度な内容・理論が十分理解できる。 渤海史とそれに関連する広域史について、専門的に高度な内容・理論がだいたい理解できる。 渤海史とそれに関連する広域史について、専門的な内容・理論がある程度理解できる。 渤海史とそれに関連する広域史について、専門的な内容・理論が多少は理解できる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 テキストを事前に読んでもらい、その日の最初の授業でミニッツペーパーに当該範囲の要約・質問・感想を書いてもらう。続けて、テキストを、関連する論文の内容紹介を含む解説を入れながら読み進み、その日の最後にミニッツペーパーに書いてもらった質問に回答し、学生と意見交換する。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 古畑徹『渤海国とは何か』(吉川弘文館、2018)。(事前に購入するか、コピーを作って読んでおくこと。また授業の際には必ず持ってくること。)
参考書 : 濱田耕策『渤海国興亡史』(吉川弘文館、2000)
石井正敏『日本渤海関係史の研究』(吉川弘文館、2001)
『西嶋定生東アジア史論集3 東アジア世界と冊封体制』(岩波書店、2002)
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 9月9日2限 ガイダンス/プロローグ(授業開始に当たり、渤海についてのイメージをミニッツペーパーに記述。その後、プロローグでテキストの意図を解説する予定) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
2 9月9日3限 渤海史概説1(基本事項の確認と渤海王家新系図についての解説) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
3 9月9日4限 渤海史概説2(概説第2節について、建国記事史料の理解の仕方を中心に解説) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
4 9月9日5限 渤海史概説3(4限授業のつづき。最後に渤海のイメージについてミニッツペーパーを基にディスカッション。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
5 9月10日2限 渤海史概説4(概説第3節及び「東アジア世界のなかの渤海国」の要約・質問・感想をミニッツペーパーに記載。概説第2節を安史の乱対応を中心に解説) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
6 9月10日3限 渤海史概説5(概説第3節を解説。並びにミニッツペーパーの第3節関係の質問に回答、及びディスカッション。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
7 9月10日4限 東アジア世界のなかの渤海国1(当該箇所を西嶋冊封体制論を中心に解説) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
8 9月10日5限 東アジア世界のなかの渤海国2(当該箇所を将軍号問題・小中華帝国問題を中心に解説。並びにミニッツペーパーの当該箇所関係の質問に回答、及びディスカッション。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
9 9月11日2限 東部ユーラシア世界のなかの渤海国1(「東部ユーラシア世界のなかの渤海国」「東北アジアのなかの渤海国」の要約・質問・感想をミニッツペーパーに記載。当該箇所を東部ユーラシア論を中心に解説) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
10 9月11日3限 東部ユーラシア世界のなかの渤海国2(2限授業のつづき。並びにミニッツペーパーの当該箇所関係の質問に回答、及びディスカッション。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
11 9月11日4限 東北アジアのなかの渤海国1(当該箇所を朝鮮史における渤海の位置付けを中心に解説。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
12 9月11日5限 東北アジアのなかの渤海国2(当該箇所を首領制を中心に解説。並びにミニッツペーパーの当該箇所関係の質問に回答、及びディスカッション。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
13 9月12日2限 海洋国家としての渤海国1(「海洋国家としての渤海国」の要約・質問・感想をミニッツペーパーに記載。当該箇所を渤海使の航路問題を中心に解説。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
14 9月12日3限 海洋国家としての渤海国2(2限授業のつづき。並びにミニッツペーパーの当該箇所関係の質問に回答、及びディスカッション。) テキストの該当箇所を事前に読んで、疑問点・質問をノートに記しておくこと。
15 9月12日4限 エピローグ/書評の書き方講座(エピローグを『渤海国志長編』を中心に解説。レポート課題である書評の書き方を解説。)

成績評価
観点→
成績評価方法
MH_A-b
[研究史と方法論の体系的理解]
MH_B1-c
[成果発表]
MH_B2-a
[総合把握力]
MH_B2-b
[理論的思考力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 90%
ミニッツペーパー 10%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : ガイダンス時にメールアドレスを知らせる。

授業以外での学習に当たって : テキストを読む前に自分のその時点での渤海についてのイメージをノートに記しておき、それからテキストを読み始めること。テキストを読んでの疑問点・質問はその日の最初の授業の冒頭でミニッツペーパーに記入するので、そのつもりでノートに記すこと。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)