人文科学府 歴史空間専攻 広域文明史学 分野 西洋史学 専修 専修科目 (単位数 2) 選択必修科目 対象学年: 対象学部等: |
Early Modern European Society (Seminar I)
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科目ナンバリングコード: 講義コード: 2019 前期 毎週 火曜5限 伊都イーストゾーン 演習室 教室 E/J科目 (日本語, English) |
授業の概要 |
今回は、明治期日本に西洋音楽がもたらされ定着していく過程を、仙台という地方都市で活躍した人物に焦点をあて解明した論文、Mehl, Margaret, 'Between the Global, the National and the Local in Japan: Two Musical Pioneers from Sendai,' Itinerario, Vol. 41, No. 2, 2017, pp.305-325, Research Institute for History, Leiden Universityを講読する。 近代日本に西洋音楽が導入された経緯については、軍楽隊、宮中儀礼、ミッション、そして学制以来の唱歌教育を中心とした教育制度によるものとして多くの研究がなされてきた。それに対し、本論文はまず、そうした「上からの」近代化、西洋化を中心とする叙述や、東京や大阪、神戸といった首都圏、大都市中心の歴史叙述への挑戦を掲げている。そしてまた、そうした研究に支配的だった日本の音楽と、西洋音楽とをそれぞれ別個に扱う傾向にも疑義を唱える。 具体的には、仙台出身であり県から派遣され音楽取調掛(のちの東京音楽学校)にて伝習生として音楽教師の訓練を受け、後に仙台にて活躍したShikama Totsuji(1853-1928, 四竈訥治)、Shikama Jinji(1863-1941, 四竈仁邇)兄弟に焦点をあてられる。そして、訥治が発行した『音楽雑誌』(1890年(明治23年)9月25日第1号発刊1898年第2号まで計77冊が発行された。各号600〜800部、月刊誌(時々抜けている) 参照:http://www5.plala.or.jp/mandolin-cafe/10-denrai.html 「マンドリンの日本伝来」(C) 2000 mandolin cafe / Home Page、2007年10月部分改訂、2019年3月29日閲覧、)などを中心に、19世紀末、明治期近代日本の音楽シーンを、グローバル、ナショナル、そしてローカルの視座から探究し、邦楽と洋楽のみならず、江戸期に中国からもたらされ明治期に流行した明清楽等も射程に入れている。 音楽は、歩行や仕草、振る舞いなどと同様に、視聴覚を含む身体感覚、身体性そのものである。ルーツや音律が全く異なる音楽を受容し、それを演奏ないし歌唱し、伝授していくことは、それまでの身体感覚を変えることであり、さまざまな葛藤や拒否感、困難があったとされる。また、日本の国楽は、西洋化というよりも、和洋折衷、和洋合奏においてその成立がめざされていたことは周知の通りである。近代化、西洋化されてきたとされる音楽シーンが徐々に変容したその過程を、よりグローバル、かつローカルな具体から再考した研究から迫ってみたい。なお、英語論文を読む前に、関連する日本語論文を読み、導入とする。 (This course aims to familiarize students with the source materials available for the study of the modernization of music scene from the perspectives of the Global, the National and the Local in Japan at the beginning of the Meiji era.) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キーワード : 近代日本、音楽、西洋音楽、グローバル、ローカル、ナショナル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
履修条件 : 履修に必要な知識・能力 : | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
特記事項 |
nonomura.toshiko.868@m.kyushu-u.ac.jp
教職 : 資格 : | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
到達目標 |
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー 九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ 九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
授業方法 |
テキスト : Martin, Moira, ‘Single Women and Philanthropy: a case study of women’s associational life in Bristol, 1880-1914’, Women’s History Review, Vol.17, No.3, July 2008, pp.395-417 参考書 : L.ダヴィドフ、C.ホール著、山口みどり他訳『家族の命運−イングランド中産階級の男と女1780〜1850』名古屋大学出版会、2019年。 授業資料 : 授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
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成績評価 |
GPA評価
成績評価基準に関わる補足事項 : 発表および発言、参加度により評価する。発表の際の、参考文献、論文などの調査および検討も重要なポイントである。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学習相談 |
学習相談 : 随時受け付けます。下記メールに連絡してください。 授業以外での学習に当たって : 論文は、文脈を理解しなければ読むことはできない。担当以外の箇所も必ず読み、不明点、疑問点などを授業で確認すること。 合理的配慮について : 障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。 <相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階) (電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp) |