人文科学府 言語・文学専攻 日本・東洋文学 分野
国語学・国文学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
日本語史特論 III
History of Japanese Language (Specialized Lecture III)
講義題目  日本語音韻史の諸問題―韻律論―
教授 高山 倫明
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2019 前期
毎週 火曜2限
伊都 教員室 教室
J科目 (日本語, 日本語)
授業の概要   之可能宇良尓 伊射里須流安麻(しかのうらに いざりするあま)
  安氣久礼婆 宇良未許具良之(あけくれば うらみこぐらし)
  可治能於等伎許由(かぢのおときこゆ)
 (志賀の浦に 漁りする海人 明け来れば 浦廻漕ぐらし 楫の音聞こゆ)
万葉集にはたくさんの字余り歌があるが、そのほとんどは、上記「しかのうらに」「かぢのおときこゆ」のように、句の途中に母音で始まる言葉が入っている。ただし、同「いざりするあま」のように、同一の条件下でも字余りにならない場合も少なくない。この、字余りになるかならないかは句によって偏向があり、第一句・第三句・第五句は字余りが多く、第二句・第四句は相対的に少ない。こういった現象については、日本語の音節構造や古代の和歌の唱詠法との関連から多くの研究が積み重ねられてきた。
 この講義では、そういった過去の研究に学びつつ、その方法を批判的に検証し、日本語音韻史の立場から字余りの再検討を試みたいと思う。
  ・はじめに
  1.字余りとは
  2.シラブル(音節)とモーラ(拍)
    2-1.シラブル(音節)
    2-2.モーラ
    2-3.非モーラ方言とモーラ方言
  3.伝統的韻文形式
    3-1.五七調
    3-2.七五調
  4.字余り分布の類型
  5.韻律論
  ・おわりに
1〜2では理解の前提となる音声学・音韻論に関する基礎知識の修得を目指し、それを前提に「字余り」現象を日本語史の立場から捉え直し、音節構造に関する諸議論を整理する。3では日本の伝統的な韻文形式を理解し、4で字余りに関する具体的な調査を紹介し、5で筆者の見解をまとめたいと思う。
 ※ちなみに上記の歌は新羅国に派遣された大使一行が博多湾停泊中に詠んだ歌のひとつで(万葉集巻十五3664番)、志賀の浦は志賀島の近海のことである。

(This lecture course focuses on the Classical Japanese Language and Verse.)
キーワード : 音韻史 韻律 モーラ シラブル フット 韻文形式
履修条件 : 特になし
履修に必要な知識・能力 :
授業計画 テキスト : プリントを配布する。
参考書 :
授業資料 :

進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 0.はじめに(音韻史と韻律論)
2 0.はじめに(音韻史と韻律論)(承前)
3 1.字余りとは(字余り研究史)
4 1.字余りとは(字余り研究史)(承前)
5 2.シラブルとモーラ 2-1.シラブル(音節)
6 2.シラブルとモーラ 2-2.モーラ
7 2.シラブルとモーラ 2-3.非モーラ方言とモーラ方言
8 2.シラブルとモーラ 2-3.非モーラ方言とモーラ方言(承前)
9 3.伝統的韻文形式 3-1.五七調
10 3.伝統的韻文形式 3-2.七五調
11 4.字余り分布の類型
12 4.字余り分布の類型(承前)
13 5.日本語韻律論
14 5.日本語韻律論(承前)
15 おわりに(総括)

授業以外での学習に当たって :
学習相談 : 木曜5時限目のオフィスアワーの他、可能なかぎり随時相談に応じる。メールでの問い合わせも可(アドレスは配布資料参照)。
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
ML_A-c [研究史と方法論の体系的理解]
国語学・国文学、中国文学、英語学・英文学、独文学、仏文学、言語学ないしはこれらの領域を横断する研究のうち一つを対象として、当該分野における研究史と方法論を体系的に説明できる。
日本語史研究の方法を広く深く理解している。 日本語史研究の方法を広く理解している。 日本語史研究の方法を概ね理解している。 日本語史研究の方法を十分に理解するに至らない。
ML_A-b [先行研究の読解]
文学を対象とする領域では、過去に蓄積された重要な文献、とりわけ古典を厳密かつ精確に読解し、先行研究を踏まえつつその内実を深く掘り下げて説明できる。
先行研究をよく理解し、批判的に分析することができる。 先行研究を理解し、批判的に分析することができる。 先行研究に関する一定以上のの知識を持つ。 先行研究に関する知識に不足する。
DL_B1-a [自立した研究活動]
人文基礎の領域において、新たな方法論や知見を提起しうる研究者として自立した研究活動ができる。
講義内容を正しく理解し、批判的に自らの考えを展開することができる。 講義内容を正しく理解し、自らの考えを展開することができる。 講義内容を理解し、自らの考えも持つことができる。 講義内容を概ね理解できる。
GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。
成績評価
観点→
成績評価方法
ML_A-c
[研究史と方法論の体系的理解]
ML_A-b
[先行研究の読解]
DL_B1-a
[自立した研究活動]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
出席 5回の欠席で受験資格を失う

成績評価基準に関わる補足事項 :
その他 その他 :

教職 : 教職(国語)
資格 :

更新日 : 2019/4/2 (17:37)