人文科学府 言語・文学専攻 日本・東洋文学 分野
国語学・国文学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
近世文芸史論特論 III
Early Modern Japanese Literature (Specialized Lecture III)
講義題目  芭蕉研究
和光大学表現学部総合文化学科 教授 深沢 眞二
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2019 前期
集中
伊都イーストゾーン 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/2/16 (16:09)
授業の概要 江戸時代前期の俳諧師・芭蕉の、俳諧の発句を中心に、研究史の蓄積を踏まえた解釈の更新を試みる。とくに、『おくのほそ道』に採られた発句について、元禄二年(1689)の陸奥・北陸の旅の現実との比較、古典紀行文からの影響、『撰集抄』との関係といった観点から、より深く芭蕉の表現意図に迫りたい。

(This course attempts to update the current interpretation of Basho's *1 hokku*2, overviewing the previous study of relevant fields. The lecture focuses especially on the verse which were adopted to the book "Oku no Hosomichi." Examining Basho's verse from the perspectives such as the comparison between his actual journey in 1689 and what was written in the book, the influence of older travel literature and the relationship to "Senjusho," the lecture will provide deeper understanding of what he intended with his expressions.
*1 A famous poet lived in early Edo Period
*2 The first 17-syllables verse of a linked poem)
キーワード : 芭蕉 俳諧 発句 おくのほそ道
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 集中講義、9月3日(火)3〜5限、9月4日(水)2〜5限、9月5日(木)2〜5限、9月6日(金)2〜5限
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(国語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
ML_A-a [言語データの分析]
「言葉」に対する自覚的かつ反省的な関わりを通じて、人間存在への理解を深める。
芭蕉の使う言葉について独自な発見ができる。 芭蕉の使う言葉について筋道立てて他者に説明できる。 芭蕉の使う言葉について自ら調べ理解できる。 芭蕉の使う言葉について注釈書によって理解できる。
ML_A-b [先行研究の読解]
長い文化的伝統のなかで人類が生み出してきた知的所産である「古典」を、厳密に読解する能力を身に付けることができる。
芭蕉にとっての古典の意味を理解している。 芭蕉の読んだ古典についての知識を備えている。 芭蕉も古典から学んでいることを理解している。 芭蕉に至る古典文学史を知っている。
ML_A-c [研究史と方法論の体系的理解]
専門分野の基本文献を精確に解釈、分析することができる。
先行研究を比較して是非の判断ができる。 先行研究を比較して問題点の所在が分かる。 先行研究それぞれの主張が理解できる。 先行研究を見つけ出すことができる。
ML_B2-a [総合把握力]
専門分野に固有の問題設定や研究手法を正しく身に付けることができる。
芭蕉の研究史をふまえて自らの解釈を根拠をもって示すことができる。 芭蕉の研究史をじゅうぶん理解し整理することができる。 芭蕉の研究史を理解することができる。 芭蕉の研究史にアプローチすることができる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 各自『おくのほそ道』を用意しておくこと。文庫本・古典注釈書・専門書など、テキストは問わない。講義の際にレジュメを配布する。
参考書 :
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 発句「夏艸や兵共が夢の跡」について
2 『おくのほそ道』の諸本、発句「閑さや岩にしみいる蝉の声」について
3 芭蕉の人物像、発句「数ならぬ身とな思ひそ玉まつり」について
4 『おくのほそ道』と能
5 発句「一つ家に遊女もねたり萩と月」について
6 中世紀行文と『おくのほそ道』
7 発句「風流の初や奥の田植歌」について
8 「おくのほそ道」という書名
9 『撰集抄』から『おくのほそ道』へ
10 発句「世の人の見付ぬ花や軒の栗」について
11 発句「初雪や兎の皮の髭つくれ」について
12 『おくのほそ道』発端(1)、発句「草の戸も住かはる代ぞ雛の家」について
13 『おくのほそ道』発端(2)、紀行全体の構想
14 発句「古池や蛙飛こむ水の音」について
15 発句「旅に病で夢は枯野をかけまはる」について

成績評価
観点→
成績評価方法
ML_A-a
[言語データの分析]
ML_A-b
[先行研究の読解]
ML_A-c
[研究史と方法論の体系的理解]
ML_B2-a
[総合把握力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 50%
出席 50%。5コマ以上の欠席は不合格とする。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 集中講義当日までに『おくのほそ道』をいちど通読しておくこと。文庫本・古典注釈書・専門書など、テキストは問わない。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)