人文科学府 言語・文学専攻 日本・東洋文学 分野
国語学・国文学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
近世文芸史論特論 IV
Early Modern Japanese Literature (Specialized Lecture IV)
講義題目  浮世草子作者の誕生
京都府立大学文学部 教授 藤原 英城
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2019 後期
集中
伊都イーストゾーン 教室
J科目 (日本語, 日本語)
更新情報 : 2019/2/22 (18:09)
授業の概要 元禄期前後の京都の出版界の状況を検証する。具体的には,京都における本屋仲間の成立過程を通して,当時の出版界の抱えていた諸問題を考察する。 
近世における京都は商業出版発祥の地であったが,元禄期前後,西鶴の登場により急速に発展してきた大坂や将軍お膝元の大消費都市江戸の本屋の台頭により,その優位性は脅かされつつあった。また,京都の本屋間においても重板や類板といった問題が頻発し,それは京都のみならず,大坂・江戸三都間に及ぶ紛議にまで発展した。そうした問題を抱えていた京都の本屋は,大坂・江戸にさきがけて本屋仲間を結成する。本屋仲間はいかにしてそれらの懸案に対処していったのか。当時の本屋仲間の記録を解読しながら,その一端を明らかにしていきたい。 
授業を進めるに当たっては,当時の出版界の内情を暴露的に描いた都の錦作の浮世草子『元禄大平記』を読み進めながら,そこに現わされた出版界の状況を検証していく。その際,京都の本屋仲間の記録である『済帳標目』を併読しながら,具体的な本屋間の紛議の経緯やその対処のあり方を確認する。

(•This lecture course focuses on Miyako-no-nishiki who was a first of Ukiyo-zoshi writer depending on the cooperation of publishers in Kyoto at the beginning of the 18th century. His appearance means the birth of Ukiyo-zoshi author produced by publishers in the history of Japanese literature. We consider the environment surrounding the author, especially the relationship between publishers and author.)
キーワード : 都の錦 本屋仲間 浮世草子 重板・類板
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 集中講義(10月15日〜18日)
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(国語)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
ML_A-b [先行研究の読解]
文学を対象とする領域では、過去に蓄積された重要な文献、とりわけ古典を厳密かつ精確に読解し、先行研究を踏まえつつその内実を深く掘り下げて説明できる。
高度な先行研究に基づき「古典」における本文および和漢の典拠について、厳密に読解することができる。 高度な先行研究に基づき「古典」における本文および和漢の典拠について、一定の理解に基づき読解することができる。 高度な先行研究に基づき「古典」における本文の理解や和漢の典拠を指摘することができる。 高度な先行研究に基づき「古典」における本文や和漢の典拠の対応が理解できる。
ML_B1-a [資料体の構築]
人文基礎の領域に関する文献や一次資料、調査データを蒐集し、 分析可能な資料体にまとめることができる。
専門分野の高度な文献・資料を精確に解釈、分析するための資料体をまとめることができる。 専門分野の高度な文献・資料を精確に解釈、分析するための資料体を一定程度まとめることができる。 専門分野の高度な文献・資料を精確に解釈、分析するための資料を収集・整理することができる。 専門分野の高度な文献・資料を見つけることができる。
ML_B2-a [総合把握力]
高度に専門的な知識を総合的に把握する能力を身につける。
文学のみならず、歴史や文化についての専門的な知識を総合的かつ有機的に把握することができる。 文学のみならず、歴史や文化についての一定の知識を総合的かつ有機的に把握することができる。 文学のみならず、歴史や文化についての知識を集め、総合的かつ有機的に整理することができる。 文学のみならず、歴史や文化についての知識を集めることができる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : テキストとして講義時に適宜プリントを配布する。
参考書 : 授業時に適宜紹介する。
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 ガイダンス シラバスの通読
2 都の錦の伝記的研究 浮世草子作者の誕生 配布資料の精読 
「都の錦」を事典等で確認しておく。
3 都の錦の伝記的研究 書肆川勝五郎右衛門の動向1 配布資料の精読 
「書肆」「物の本」「草紙」を事典等で確認しておく。
4 都の錦の伝記的研究 書肆川勝五郎右衛門の動向2 配布資料の精読
5 都の錦の伝記的研究 書肆川勝五郎右衛門の動向3 配布資料の精読 
6 都の錦の伝記的研究 作者西沢一風の動向1 配布資料の精読 
「西沢一風」を事典等で確認しておく。
7 都の錦の伝記的研究 作者西沢一風の動向2 配布資料の精読
8 都の錦の伝記的研究 都の錦をめぐる人々1 配布資料の精読 
「八文字屋」を事典等で確認しておく。
9 都の錦の伝記的研究 都の錦をめぐる人々2 配布資料の精読
10 京都本屋仲間研究 『元禄大平記』講読1 配布資料の精読 
『元禄大平記』「本屋仲間」を事典等で確認しておく。
11 京都本屋仲間研究 『元禄大平記』講読2 配布資料の精読 
12 京都本屋仲間研究 『元禄大平記』講読3 配布資料の精読 
13 京都本屋仲間研究 『元禄大平記』と『済帳標目』1 配布資料の精読 
『済帳標目』を事典等で確認しておく。
14 京都本屋仲間研究 『元禄大平記』と『済帳標目』2 配布資料の精読
15 京都本屋仲間研究 『元禄大平記』と『済帳標目』3 配布資料の精読

成績評価
観点→
成績評価方法
ML_A-b
[先行研究の読解]
ML_B1-a
[資料体の構築]
ML_B2-a
[総合把握力]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 80%(出席回数が60%未満の者は対象外)
出席 20%(出席回数が60%以上の者が対象)

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 集中講義期間後は適宜メールで受け付ける。

授業以外での学習に当たって : 集中講義のため、授業内容をよく復習し、不明な点があれば積極的に質問すること。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)