文学部 人文学科 哲学コース
美学・美術史 専門分野
専門分野科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
東洋美術史演習 VIB
History of Oriental Fine Arts (Seminar VI)B
講義題目  東アジア絵画史の基本理念と実践―その二:宗教画における視覚表象―
教授 井手 誠之輔
科目ナンバリングコード: LET-HUM3266J
講義コード:
2023 冬クォータ
毎週 木曜2限
伊都イーストゾーン 美学演習室 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2023/3/9 (07:47)
授業の概要 近代以降、日本に移入され、一定の社会性を担った美術の価値観と近代以前の東アジアにおける造形藝術の価値観は、必ずしも一致しない。たとえば、美術概念のヒエラルヒーにおいて、絵画や彫刻が重視される中で、書は、その末端に位置づけられてきた歴史がある。一方、美術の価値観において、東アジア的な造形藝術の価値観を形成してきた尚古思想や老荘思想は、美術の中に流入し、今日でも見えない制度として大きく働いている。
こうした造形藝術の価値観は、中国において、士大夫階級が文化と政治の両面にわたる担い手となった北宋に隆盛し、元明の実践と理論によって体系づけられてきた。それが長らく中国で継承され、朝鮮や日本などの漢字文化圏で少なからず受容されたのは、文章詩句を自在に操る文人こそが、現在を未来永劫に存続させるために過去を管理できる責任を担い、また人智をこえた神妙なる世界と交信できる人格をもつと、自他ともに是認されてきたからである。中国における造形藝術の言説で、しばしば職業的な工匠が無視され、人為的な造作を評価しない傾向がみられるのも、藝術の担い手の社会性と人格について、こうした文人中心的な価値観が暗黙の前提として働いているからである。
この授業では、東アジアにおける造形藝術の価値観について、中国の文人たちの画論を読み進めながら考えてくものである。

(This class intentionally share the basic concepts for understanding and practice of the discipline of art history of East Asia with references to the latest discussions about the institutionalization of fine arts and art history in Japan.)
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
B_B1-b [専門文献の解釈]
専門分野の基本文献を精確に解釈、分析することができる。
かなり優れている 優れている 及第点である 努力を求めたい。
B_B1-c [外国語運用能力]
外国語の運用能力を高め、自らの専門的知識を世界に向って発信できる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : ・Susan Bush, The Chinese Literati on Painting: Su Shih (1037-1101) to Tung Ch’i-ch’ang (1555-1636),
Second Edition (Hong Kong: Hong Kong University Press, 2012).
※First Edition, Harvard-Yenching Institute Studies XXVII, (Cambridge: Harvard University Press,1971)
参考書 : 適宜、授業において指示する。
授業資料 : 必要なウェッブサイトへの関連リンクなどは、別途、授業で案内します。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 オリエンテーション
研究指導

成績評価
観点→
成績評価方法
B_B1-b
[専門文献の解釈]
B_B1-c
[外国語運用能力]
備考(欠格条件、割合等)
期末試験
出席

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 期末試験では、出席していないと回答できないような問題を課します。
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)