文学部 人文学科 歴史学コース
西洋史学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択必修科目
対象学年:
対象学部等:
ヨーロッパ史学講義 VII
European History (Lecture VII)
講義題目  海の視点から近世の国際商業を考える
新潟大学経済科学部 准教授 高垣 里衣
科目ナンバリングコード: LET-HUM3445J
講義コード:
2023 前期
集中
伊都イーストゾーン B102 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2023/8/26 (10:56) 〔・講義機関がMoodleのメンテナンス期間となっています。ひとまず、初日の講義資料は、こちらで印刷して配布します。〕
授業の概要 本講義では、近世から近代の転換期にあたる17世紀後半から19世紀半ばを対象とし、海を通じた国際商業のありかたを論じる。
かつて、歴史学研究において周縁的存在とみなされてきた商業史は、グローバル化の進展とグローバル・ヒストリーの隆盛により、注目を浴びるようになった。商業史は、歴史学と経済学の学際的分野として可能性を持つだけでなく、民衆による生活の営み、国家のありかた、国家や帝国の領域を超えたり間隙を縫って生きる人々の存在、戦争の影響、異文化接触など、歴史を理解するうえで重要と考えられる様々なトピックを含んでいる。講義内では、海における商業に着目しつつ、近世ヨーロッパ史を概観する。
(海域に着目するため、ヨーロッパだけでなく、南北アメリカ、アフリカ、アジアも議論の対象となる。)

(This lecture course focuses on Commercial History in early modern Europe. Themes of focus include not only the history of trade at sea, Maritime history(naval history, fishery and whaling, sea exploration etc.) but also the concepts of Empire History and Global History.)
キーワード : 近世史 商業史 海域史 世界史 帝国史 グローバル・ヒストリー
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 ・シラバス公開時点での開講時期は、8月29日〜9月1日を予定しています。
・8月31日に佐賀県内施設にて実習を行います。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-1 [人文学の広範な知識と理解]
人文学全般の多様な専門分野の基礎知識を身につけ、人文学固有の思考や方法を説明できる。
人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質を理解できる。かつ、人文学の隣接分野との学際的アプローチの意義を理解できる。 人文学の基礎知識を踏まえて、現代人文学の視座の特質をある程度理解できる。
かつ、人文学の隣接分野との学際的アプローチの意義を、ある程度理解できる。
人文学の基礎知識を持つ。
かつ、人文学の隣接分野との学際的アプローチが存在することを理解できる。
人文学の基礎知識に不足する。
かつ、人文学の隣接分野との学際的アプローチへの理解に欠ける。
U_B-3b [歴史学コース固有の課題]
先行研究を批判的に読む中で自らの問題関心を鋭敏にし、史・資料を解読し史跡を調査することにより、自らの視角から、ある特定の地域と時代の社会像を復原できる。
講義内にて取り上げる様々なトピックを、大きな歴史の流れや、世界観の中に位置づけ、総体的に説明することができる。 講義内にて取り上げるトピックの一部分を、大きな歴史の流れや、世界観の中に位置づけることができる。 講義内にて取り上げるトピックの一部分を、大きな歴史の流れや、世界観の中に位置づける必要性を理解している。 講義内のトピックを、全てバラバラのものとして認識し、総体的な説明ができない。
U_A-1 [主体的な学び]
深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することができる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 授業担当教員による解説(パワーポイントや地図、又は板書)を主とした形態であり,時折,学生との問答を通じて,関連の知識を深めていきます。期間中に、佐賀県内において漁業史に関する1日間のフィールド調査を予定しています。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : スライド資料(電子媒体)。必要があれば、板書や映像史料を用います。
参考書 : 都度、授業中に掲示します。
授業資料 : パワーポイントのアウトラインを配布します。

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 オリエンテーション
2 商業史とは何か:視角、アプローチ、その目的
3 いかにして商業は成り立ちうるか?
4 信用の形成と情報:どのようにして遠くにいる他人を信用するか?
5 海洋貿易のリスク
6 漁業:生活の営みから他者との交換へ
7 実習:博物館等における実習を行う予定です 実習
8 実習:博物館等における実習を行う予定です 実習
9 実習:博物館等における実習を行う予定です 実習
10 実習:博物館等における実習を行う予定です 実習
11 港湾都市:後背地と外界を結ぶ場
12 港湾都市:国家の領域を超える
13 商人とは誰か:間帝国史の観点から
14 外国人商人への対応
15 まとめ

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-1
[人文学の広範な知識と理解]
U_B-3b
[歴史学コース固有の課題]
U_A-1
[主体的な学び]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 最終レポートを課します。
授業への貢献度 基本的にはレポートによる評価を行いますが、講義内の発言や質問があった場合には、加点対象とすることがあります。(最大10点程度、レポートが100点となった者には加算をしない。)

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 : 集中講義期間内に、授業内容への質問や何らかの相談がある場合には、授業中や授業前後に受け付けますが、メール(r.takagaki@econ.niigata-u.ac.jp)でも対応します。メールを送る際には、件名に、所属と氏名を記入してください。

授業以外での学習に当たって : ・疑問や不明点を積み残さないために、毎回あるいは毎日の授業後に、授業内容の復習を行なってください(目安:最大30分程度)。
 質問がある場合には、遠慮なく行ってください。すぐに解答することができない場合には、翌日以降に解答します。
 授業内で、受講生との対話を通じた検討を行う可能性もあります。

・本講義の核となる部分は、以下の文献を参考にしています。関心のある方は、序章に当たる部分だけでも読んでおくことを推奨します。
 秋田茂・桃木至朗編『歴史学のフロンティア 地域から問い直す国民国家史観』大阪大学出版会、2011年。
 鈴木英明『東アジア海域から眺望する世界史:ネットワークと海域』明石書店、2019年。
 羽田正編『地域史と世界史』ミネルヴァ書房、2016年。
 深沢克己編『国際商業』ミネルヴァ書房、2002年。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)