文学部 人文学科 歴史学コース
イスラム文明学 専門分野
専門分野科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
イスラム史学講義 IXA
History of Islamic Civilization (Lecture IX)A
講義題目  テュルクの近現代史(中央ユーラシア、日本)
早稲田大学人間総合研究センター 招聘研究員 小野 亮介
科目ナンバリングコード: LET-HUM3463J
講義コード:
2023 前期
集中
伊都イーストゾーン 教室
M/J科目 (日本語, トルコ語)
更新情報 : 2023/4/13 (02:04)
授業の概要 この講義では主に19世紀末から20世紀半ばにおける中央ユーラシア(中央アジアとその周辺地域)のテュルク系の人々(ウズベク人、タタール人、ウイグル人など)に焦点を当てて、彼らの歴史を同時代の世界の潮流に位置付けながら取り上げます。19世紀末以来の改革運動、辛亥革命、ロシア革命とソ連の成立などを経て、彼らは政治的にも社会的にも大きな変化を経験しました。また、多くの人々がこの地域から難民や亡命者として流出し、日本でもコミュニティを築きます。東アジアや東南アジア、あるいはヨーロッパなどと比べると身近に感じにくいかもしれませんが、現在の中央アジア諸国の枠内に収まらない多彩な歴史、そして近代日本とテュルクの人々との関りについて理解を深めることを目指します。

(This lecture will focus mainly on the Turkic peoples (Uzbeks, Tatars, Uighurs, etc.) of Central Eurasia (Central Asia and the surrounding regions) from the end of the 19th century to the middle of the 20th century. Through educational reforms, revolutions and the establishment of the Soviet Union, they have experienced major political and social changes. Many people have fled the region as refugees and exiles, and communities have been established in Japan. I would like to deepen understanding of the various histories that do not fit within the framework of the present Central Asian countries, and the relationship between modern Japan and the Turkic peoples.)
キーワード : テュルク、教育、ナショナリズム、イスラーム、ソ連、中華民国、近代化、移民
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 ・シラバス公開時点では8月後半の5日間を予定しています。
・本講義は対面授業を前提としますが、コロナ陽性、怪我・病気などのやむを得ない事情のある学生には、代替手段としてオンライン受講もしくは講義録画の視聴を認めます(必ず事前に申し出ること)。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 : 教職(社会)(地理歴史)
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-1 [人文学の広範な知識と理解]
人文学全般の多様な専門分野の基礎知識を身につけ、人文学固有の思考や方法を説明できる。
中央ユーラシアのテュルクに関する複数の問題について、現代社会の課題(複数地域)と比較、関連付けて議論できる 中央ユーラシアのテュルクに関する特定の問題について、現代社会の課題(一地域)と比較、関連付けて議論できる 中央ユーラシアのテュルクに関する特定の問題を現代社会と結び付けて論じることが可能であると理解する 中央ユーラシアのテュルクに関する特定の問題を現代社会と結び付ける糸口を見いだせない
U_C-2-1 [知識・理解の深化と統合]
それぞれの専門分野の内容に関する深い理解と、学問固有の思考方法、研究手法を獲得し、知識を有機的に総合し、論文を作成することができる。
中央ユーラシアのテュルクに関する諸問題について、周辺地域の同時代史と比較、関連付けて議論できる 中央ユーラシアのテュルクに関する諸問題について、理解を深める 中央ユーラシアのテュルクに関する諸問題を理解する 中央ユーラシアのテュルクに関する諸問題を理解できていない
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 原則としてパワーポイントを用いた講義とします。場合に応じて映像も紹介します。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 毎回スライド資料を配布します。
参考書 : 各回講義に関連する参考文献はスライド資料で紹介します。
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 イントロダクション:イスラーム、テュルク、中央ユーラシアの概要
2 ジャディード運動@:トルキスタン
3 ジャディード運動A:新疆
4 ロシア革命とムスリムの自治運動
5 フェルガナ地方とバスマチ運動
6 ゼキ・ヴェリディ・トガン
7 カザフ自治運動と日本の交差
8 フジュム(女性解放運動)
9 1930年代の新疆とアイデンティティ
10 新疆カザフ人のトルコへの移住
11 20世紀後半のイスラームの潮流
12 アブデュルレシト・イブラヒム
13 アブデュルハイ・クルバンガリー
14 東京のタタール人コミュニティ
15 戦前・戦中期日本の回教政策とタタール人

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-1
[人文学の広範な知識と理解]
U_C-2-1
[知識・理解の深化と統合]
備考(欠格条件、割合等)
レポート 詳細は授業内で説明します。60%。
小テスト 毎日の講義終了後にリアクションペーパーを提出してもらいます(形式は未定)。25%。
出席 15%。

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 :
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 必ず講義の復習をしてください(1回につき15-30分程度)。

中央ユーラシア史に親しみの無い人は、講義開始までに以下の書籍などに触れておくことを強くお勧めします。
小松久男編著『テュルクを知るための61章』明石書店、2016年
小松久男編『中央ユーラシア史』山川出版社、2000年
小松久男『激動の中のイスラーム』山川出版社、2014年

また、イスラームの基礎知識(ウラマー、マドラサなど)は習得済みという前提で講義を進めますので、高校世界史や倫理でイスラームについて学んでいない人については、佐藤次高『イスラーム:知の営み』(山川出版社、2009年)などの概説書にも読んでおいてください。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)