文学部 人文学科 人間科学コース
言語学・応用言語学 専門分野
専門分野科目 (単位数 1)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
言語学・応用言語学講義 XVIIIB
Linguistics and Applied Linguistics (Lecture XVIII)B
講義題目 
国立国語研究所研究系 准教授 窪田 悠介
科目ナンバリングコード: LET-HUM2728J
講義コード:
2023 後期
集中
伊都イーストゾーン B(30) 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2023/12/15 (10:55) 〔開講日時を追記〕
授業の概要 カテゴリ文法 (categorial grammar) は、統語論と意味論のインターフェースが簡潔で明示的な言語理論で、主に計算言語学分野で文法の基礎理論として用いられている。本講義では、主に言語学分野の学生を対象に、カテゴリ文法の基礎を解説する。

(Categorial grammar is a linguistic theory that has a simple and explicit syntax-semantics interface. It is often adopted as an underlying linguistic theory in computational linguistics. This lecture introduces the basics of categorial grammar to students majoring in linguistics.)
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 開講時期:
2月13日 2限ー5限
2月14日 2限ー5限
2月15日 2限ー5限
2月16日 2限ー4限
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/view.php?id=55071
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-2 [専門分野の知識と理解]
カテゴリ文法は、論理的思考力さえあれば、言語学や論理学の基礎知識ゼロでも比較的高度なレベルまで短い期間で習得可能である。カテゴリ文法の分析手法を、一から正確に習得することを目指す。
特定の言語現象に関して、カテゴリ文法による分析を自分で書くことができる。 特定の言語現象に関して、カテゴリ文法による分析が与えられた場合、その言語分析としての妥当性を批判的に検討できる。 特定の言語現象に関して、カテゴリ文法による分析が与えられた場合、その内容を直観的に把握し、かつ技術的正しさを正確に判断できる。 特定の言語現象に関して、カテゴリ文法による分析が与えられた場合、その内容を直観的に把握できる。
U_C-1-2 [研究手法]
理論言語学においては、言語データと一般化と理論的仮説との間の区別に無自覚な研究実践が横行している。理論研究において「主流」とされている理論でない、カテゴリ文法をあえて学ぶことで、このような態度に対する批判的な視点を養うことを目指す。
特定の言語現象の分析に関して、データと一般化と仮説を明確に区別した上で、問題となっている仮説を反証するデータを自ら発見することができる。 特定の言語現象の分析に関して、データと一般化と仮説を明確に区別した上で、特定のデータが与えられた際、それが問題となっている仮説を反証するものであるかを正確に判断できる。 特定の言語現象の分析に関して、データと一般化と仮説を明確に区別できる。 特定の言語現象の分析を行う際に、データと一般化と仮説の違いに関して自覚的な観点を持つことができる。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 講義形式で進めます。なるべくインタラクティブな講義にしたいので、授業中に積極的に質問してください。また、授業のあと口頭で、またはメールでの質問も受け付けます。疑問に思ったことはどんどん質問してください。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : pdfでテキスト (250ページ程度の教科書の草稿) を事前に提供します。
参考書 :
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 AB文法の基礎 (1): カテゴリ文法の基本的な考え方や分析のための道具立てを導入する。
2 AB文法の基礎 (2): カテゴリ文法の基本的な考え方や分析のための道具立てを導入する。
3 意味論とのインターフェース: 論理学や形式意味論の道具立てのうち最低限必要なものを導入し、講義1−2回目で導入した統語論と接合する。
4 簡単な言語現象の分析: 主語と動詞の一致現象や副詞の扱いなど、簡単な言語現象の分析を導入する。
5 繰り上げ述語とコントロール述語 (1): 基本的な統語現象である、繰り上げ述語とコントロール述語のカテゴリ文法での分析。
6 繰り上げ述語とコントロール述語 (2): 基本的な統語現象である、繰り上げ述語とコントロール述語のカテゴリ文法での分析。
7 項構造 (1): 受身をレキシコンで扱う分析手法を、カテゴリ文法での分析を通して学ぶ。
8 項構造 (2): 項構造に関連するもう一つの現象として、複雑述語の分析を見る。
9 等位接続の基本: カテゴリ文法は特に、等位接続の分析に特徴がある。等位接続に関する基本的な言語事実や分析手法を学ぶ。
10 等位接続、ランベック文法: より複雑な等位接続現象を扱えるようにカテゴリ文法の枠組み自体を拡張する。
11 量化子 (1): 量化子の扱いを考えることで、ランベック文法を更に拡張する必要が生じる。そのように拡張した枠組みで量化子の扱いを検討する。
12 量化子 (2): 量化子の扱いを考えることで、ランベック文法を更に拡張する必要が生じる。そのように拡張した枠組みで量化子の扱いを検討する。
13 長距離移動: 量化子を扱えるように拡張した枠組みで、wh移動などの長距離移動現象がどのように扱えるかを見る。
14 より複雑な現象の扱い、まとめ: 量化子を扱えるように拡張した枠組みで、比較構文などの、統語と意味のインターフェースにおける更に複雑な現象がどう分析できるかを検討する。
15 講師による研究紹介: 計算言語学的手法を援用した理論言語学研究の事例として、講師の最近の研究を紹介する。

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-2
[専門分野の知識と理解]
U_C-1-2
[研究手法]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
宿題

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 成績評価: 宿題30%とレポート (take-homeの試験) 70%で成績をつけます。
学習相談 学習相談 :

授業以外での学習に当たって : 30分〜1時間くらいの時間でできる宿題を1-3日目の講義の終わりに出す予定です。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)