文学部 人文学科 人間科学コース
心理学 専門分野
専門分野科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
精神病理学演習(精神疾患とその治療)

講義題目  精神疾患とその治療(臨床精神医学)
教授 黒木 俊秀
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2023 後期
毎週 火曜5限
伊都イーストゾーン 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2023/10/2 (11:33)
授業の概要 本授業は、@精神疾患総論(代表的な精神疾患についての成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援を含む。)、A 向精神薬をはじめとする薬剤による心身の変化、及びB 医療機関との連携を含む。精神疾患を理解するための方法論は、歴史的にはいくつかの起源を有し、精神医学、あるいは臨床心理学の主要な領域を占めてきた。一つは、精神疾患の症候を観察し、忠実に記述する立場であり、伝統的なドイツ精神医学がこれに相当する。今日では、症状評価尺度にもとづく計量的な心理統計学が優位になりつつある。いま一つは、精神疾患、ないし異常心理の内面を分析する立場であり、精神分析学や人間学的精神病理学がこれに相当する。さらに、現象学哲学と結び付いた精神医学の哲学を精神病理学と呼ぶこともある。本講義では、人間の心理現象の偏倚としての精神病理に焦点を当て、人の心の異常と正常の境界や現代社会における心の病の諸相について思索するひとときを持ちたいと考える。

(The psychopathology has several historical origins and has occupied the major domain of psychiatry and clinical psychology as follows: (1) traditional German psychiatry that describes precisely symptoms of mental illness, (2) psychometric evaluation employing dimensional measures, (3) psychoanalysis and humanistic psychopathology that inspect inner side of abnormal psychopathology, and (4) philosophy of psychiatry that is linked with phenomenology or ethical/philosophical issues on the relationship between human and neuroscience. This lecture aims to focus on multiple aspects of the deviation of human psychology as well as the boundary between normality and abnormality of human mind in the current context of the modern age. )
キーワード :
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 : 基幹教育科目のうち、「心理学入門」を履修していることが望ましい。 「心理学入門」を履修可能な水準にあることを求める。医学的解説も多いので、高校で履修する程度の生物学に関する知識も有することが望ましい。
特記事項 公認心理師科目「精神疾患とその治療」(必修)に該当する。
授業は対面にて行われるが、日程によってはオンライン形式の講義に替えることもある。
詳細はMoodleを参照すること。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/index.php
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :  認定心理士
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
U_B-3d [人間科学コース固有の課題]
「人間」・「社会」に対する自覚的かつ反省的な関わりを通じて、人間存在への理解を深め、学生自ら設定したテーマで論文を作成できる。
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 特定の教科書を指定しない。
参考書 : TEXT精神医学改訂第4版(南山堂)、発達障害の疑問に答える(慶應義塾大学出版会)
毎回、パワーポイント資料を配布する予定
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 精神医学総論 精神医学史、精神疾患を理解するための方法論 公認心理師試験出題基準の復習1
2 気分障害1:うつ病 うつ病の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習2
3 気分障害2:双極性障害 双極性障害の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習3
4 不安症1:パニック症・社交不安症・恐怖症 パニック症・社交不安症等の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習4
5 不安症2:強迫症・醜形恐怖症・ためこみ症 強迫症の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習5
6 不安症3:PTSD・災害ストレス PTSDの病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習6
7 統合失調症・精神病性障害1 統合失調症の疫学、病態、症状、診断について 公認心理師試験出題基準の復習7
8 統合失調症・精神病性障害2 統合失調症の治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習8
9 物質(アルコール・薬物)関連障害・行動嗜癖 物質関連障害・行動嗜癖の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習9
10 脳器質性精神障害(認知症) 脳器質性精神障害の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習10
11 神経発達症 自閉スペクトラム症・注意欠如多動症の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習11
12 解離症・身体症状症 解離症・身体症状症の疫学、病態、症状、診断、治療、経過、心理社会的支援について 公認心理師試験出題基準の復習12
13 精神分析学入門 精神分析学概論とその展開 公認心理師試験出題基準の復習13
14 精神科薬物療法 向精神薬の薬理、適応、作用及び副作用に着いて 公認心理師試験出題基準の復習14
15 精神疾患とその治療課題 精神科医療における心理臨床の課題について調査し、レポートを作成する。 レポート作成のための調査資料の収集

成績評価
観点→
成績評価方法
U_B-3d
[人間科学コース固有の課題]
備考(欠格条件、割合等)
レポート
小テスト

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : 2/3以上の出席を成績評価のための前提とする。
学習相談 学習相談 : 希望者には適宜応じます(メールにて要予約:kuroki.toshihide.570@m.kyushu-u.ac.jp)

授業以外での学習に当たって :

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)