人文科学府 言語・文学専攻 西洋文学 分野
英語学・英文学 専修
専修科目 (単位数 2)
選択科目
対象学年:
対象学部等:
アメリカ文学特論 VI
American Literature (Specialized Lecture VI)
講義題目  Henry JamesのThe Turn of the Screwを読む
同志社大学文学部 准教授 斎藤 彩世
科目ナンバリングコード:
講義コード:
2023 前期
集中
伊都イーストゾーン B102 教室
E/J科目 (日本語, English)
更新情報 : 2023/6/11 (22:41)
授業の概要 この授業では,Henry JamesのThe Turn of the Screwを読みます。Jamesは言葉で表現することの難しい人間関係や葛藤、社会的抑圧などを,複雑で精巧な文章によって織り上げていく作家です。視点にも工夫を凝らし,目に見えない人間心理を効果的にとらえています。そうした表現方法と粘り強く向き合いながら,作品の主題を読み解いていきましょう。また、小説の舞台は19世紀のイギリスです。当時の暮らしや階級,教育,ジェンダー・セクシュアリティ観についても理解して読み進めていく必要があります。テクスト外の知識が解釈に欠かせないことも学んでいきましょう。

(This class will discuss Henry James's The Turn of the Screw. James is a writer who weaves complex and elaborate texts about human relationships, conflicts, and social oppression that are difficult to express in words. He is extremely conscious in his use of point of view and effectively captures the human psychology. Let's read and understand the themes of his work while carefully considering such methods of expression. The novel is set in 19th-century England. It is necessary to read the novel with an understanding of class, education, and views on gender and sexuality at that time. You will learn that knowledge outside the text is indispensable for interpretation.)
キーワード : Henry James, The Turn of the Screw, Victorian Ideologies, Psychological Realism
履修条件 :
履修に必要な知識・能力 :
特記事項 開講時期は9月12日〜15日です。演習形式で授業を行いますので、事前にテクストを読んでおいてください。
遠隔/対面 Moodle 情報
対面授業 https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/
リアルタイム-オンライン授業
ハイブリッド授業(対面+オンライン)
オンデマンド型授業
課題提出型授業

教職 :
資格 :
到達目標
かなり優れている 優れている 及第である 一層の努力が必要
G_B-1-3a [修士:作品の理解力]
芸術学を対象とする領域では、芸術作品を正確に理解するとともに、重要な先行研究をふまえて、実証的な考察と理論的な分析を行うことができる。
テクストの重要な箇所において、英語表現の細かな意味合いや当時の文化・価値観を理解し、複数の問題点を多角的に考察して、主題を明らかにできる。 テクストの随所に表れる様々な問題を有機的に把握し、主題を考えることができる。 誤読が比較的少なく、テクストの特定の箇所については優れた理解を示している。 誤読を失くす点や当時の文化・価値観を考慮する点で一層の努力が必要。
G_B-1-4 [修士:表現力]
他者の意見を理解するとともに、自分の意見を明確に表現し、研究成果を学会における口頭発表や学術論文によって公表できる。
他者の意見を適切に用いながら、優れた英語運用能力と構成力によって、自らの解釈を論理的かつ効果的に伝えることができる。 他者の意見を適切に用いながら、自らの意見を展開し、概ね論理的に表現できる。 構成や表現について修正すべき点は少なからずあるが、伝えたい見解は十分伝わるように書くことができている。引用方法については、より正確な知識が必要。 軽微なミスをなくす、英語で適切に表現する、説得力のある議論を展開させる等の点について一層の努力が必要。
G_B-2-2 [修士:独創性]
新たな視点から問題提起を行い、それを解決するための方法を提示できる。
主題について、他者の見解やテクスト外の知識を踏まえながら、これまでの読みを大きく変える可能性を持ち、妥当性の高い解釈を打ち出すことができる。 キャラクターや主題の考察につながりそうな個々の問題点について、自らの新しい解釈を提示できる。 定説に対し、新たに補強できる箇所をテクストから見つけることはできる。あるいは、中心的な問題ではないが、テクストの細部に対し独自の考察を加えることができる。 他者の読みを理解したり、テクスト外の調査を行うことはできるが、独自の視点を持つ点や妥当性のある主張をする点については一層の努力が必要。
九州大学文学部ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府人文基礎専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学人文科学府歴史空間論専攻ディプロマ・ポリシー   九州大学人文科学府言語・文学専攻ディプロマ・ポリシー
九州大学文学部哲学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部歴史学コース・カリキュラムマップ
九州大学文学部文学コース・カリキュラムマップ   九州大学文学部人間科学コース・カリキュラムマップ
授業方法
授業形態(項目) 授業形態(内容)
講義 演習形式で毎回指定した範囲毎に議論を行います。グループ・ディスカッションのあとで、考えをクラス全体に共有し理解を深めるほか、適宜教員から解説を行います。
外国語演習
原典資料演習
実習/フィールド調査
Problem-Based Learning (問題発見・解決型学習)
学生のプレゼンテーション
Moodle の使用
学外実習
野外実習

テキスト : 以下の本をテキストとして用います。
Henry James, The Turn of the Screw and Other Stories (Oxford World’s Classics, 2008) ISBN: 9780199536177
その他必要な資料はMoodleから配布する予定です。また、関連する映画の抜粋をいくつか鑑賞します。スライドの提示や板書は行いません。
参考書 : 参考書として翻訳を一冊挙げておきます。
ジェイムズ、ヘンリー『ねじの回転』行方昭夫訳、岩波書店、2003年。
その他の参考書は授業中に適宜紹介します。英語が難しいので、翻訳を活用しても構いませんが、必ず英語でテクストを読めるようになりましょう。
授業資料 :

授業計画 (授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。)
進度・内容・行動目標等 講義 演習・その他 授業時間外学習
1 イントロダクション(Henry Jamesの作風、授業やレポートについての概説) 毎回テクストの該当範囲を読み、自分の意見や疑問点を考えてくる。
2 The Turn of the Screw 枠物語
枠物語、子供の無垢に関する神話、狩り、地理他/映画1イギリスのお屋敷と階級
演習 「枠物語」はCh. 1 に入る前までの部分です。
3 The Turn of the Screw Ch. 1-2
家庭教師について
演習
4 The Turn of the Screw Ch. 3-4
ガヴァネス・ノヴェル他
演習
5 The Turn of the Screw Ch. 5-6
「家庭の天使」と従者の役割について
演習
6 The Turn of the Screw Ch. 7-8
ヴィクトリア朝の医療
演習
7 The Turn of the Screw Ch. 9-10
Ameliaについて/映画2Jane Eyreとの関連
演習
8 The Turn of the Screw Ch. 11-12
グロースの役割
演習
9 The Turn of the Screw Ch. 13-14
タブーと告白について
演習
10 The Turn of the Screw Ch. 15-16
放校と処罰について
演習
11 The Turn of the Screw Ch. 17-18
同性愛と告白について
演習
12 The Turn of the Screw Ch. 19-20
無垢の喪失/映画3さまざまな翻案(2009年BBC版)
演習
13 The Turn of the Screw Ch. 21-22
「自然に反するもの」と「美徳のねじ」
演習
14 The Turn of the Screw Ch. 23-24
開かれた結末/映画4さまざまな翻案(Britten)
演習
15 まとめと復習
先行研究の概説、全体を振り返って
演習

成績評価
観点→
成績評価方法
G_B-1-3a
[修士:作品の理解力]
G_B-1-4
[修士:表現力]
G_B-2-2
[修士:独創性]
備考(欠格条件、割合等)
授業への貢献度 30%
レポート 70%

GPA評価
A B C D F
授業を通じて、総じて「かなり優れている」に相当する活動を行った。 授業を通じて、概ね「優れている」を超える活動を行った。 授業を通じて、「及第する」に相当する活動を行った。 授業を通じて、総じて「及第する」には達しないものの、それに近い活動を行った。 授業を通じて、「一層の努力が必要」の活動にとどまった。

成績評価基準に関わる補足事項 : レポートは英文で1500語程度とします。その他の注意点は授業での説明を参考にしてください。
学習相談 学習相談 : 授業前後に質問を受け付けます。

授業以外での学習に当たって : 必ず該当範囲を読み、意見や疑問点を考えてくるようにしてください。

合理的配慮について :
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行なった上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)